複素解析学I
担当 平地健吾 <hirachi@ms.u-tokyo.ac.jp>
TA 葛見 聡、大橋康佑
補習担当 田中雄一郎
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参考書は Lars Ahlfors 著 Complex analysis またはその和訳
場所:数理科学研究科・大講義室
時間:金曜1,2限 9:00~12:10 (途中に10分休憩を挟む) Youtube配信は翌週火曜日
演習は3限13:00~14:30ぐらい
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講義日程
9/25
10/2, 10/9, 10/16 10/23, 10/30
11/6, 2回休み, 11/27
12/4, 12/11, 12/18, 12/25
1/8
期末試験:1月29日(金) 10:00~12:00@数理棟大講義室
・基本的に対面、特別な理由がある場合はオンライン受験を許可する。
・教科書、ノート等の参照不可;演習も講義と共通の試験で評価する。
オンライン受験を希望の場合は連絡して下さい.教務と相談します.
●9月25日の講義内容(1)
・実2次元数ベクトル空間に積を与えて複素数体を定義する
・複素構造Jを用いた複素数の行列表示
・ガウス平面と複素数の演算
・平面上の角度を保つ線形写像は複素数の積として表されることの証明
・複素数列の収束と複素関数
・複素微分可能の定義と性質
●10月2日の講義内容(2)
・全微分と複素微分の関係
・等角写像は正則
・複素変数の指数関数と三角関数
・定理:正則関数の微分が0であれば定数.
・正則関数の例:多項式関数と有理関数の零点と極の位数
・Riemann球面の作り方
・有理関数はRiemann球面の間の連続写像を定義する
・有理関数は位数をmとするとm対1写像になる(証明は来週)
●10月9日の講義内容(3)
・級数の絶対収束と一様収束,優級数
・べき級数の収束半径(上極限の復習)
・収束円の中ではべき級数は項別微分可能
・指数関数と三角関数のべき級数での定義
・指数関数の周期とπの定義
●10月16日の講義内容(4)
・線積分とグリーンの定理の復習
・グリーンの定理を用いたコーシーの積分定理の証明
・コーシーの積分表示
・コーシーの積分定理を用いた定積分の計算(フレネル積分)
・複素線積分をリーマン積分の類似として定義する方法;弧長による積分
・複素線積分と原始関数の関係
●10月23日の講義内容(5)
・C^1級であることを仮定せずにコーシーの積分定理を証明
・コーシーの評価とその応用:リュービルの定理
・代数学の基本定理
・モレラの定理
・コンパクト性についての予習と一様収束性
・正則関数列が広義一様収束すれば極限関数も正則
●10月30日(6)
・Taylorの定理;剰余項の線積分による表示;ベキ級数展開の収束
・ベキ級数展開の計算方法(ベルヌーイ数の計算)
・星形領域の閉曲線に関するコーシーの積分表示と回転数
・回転数は整数であり曲線のきめる領域上で定数である
・回転数を半直線を横断する曲線の方向の符号の和として表す公式の証明
・曲線のホモトピーと単連結性の定義
・凸領域は単連結
●11月6日の講義内容(7) 中間試験を行います.午後の演習は休講です.
・問題の解説と得点分布をITC-LMSに載せました.
・50点を合格点とします.45点以下(数学科は55点以下)の人は田中先生の補習に出席してください.詳しくはITC-LMSに書きます.
●11月27日の講義内容(8)
・連続曲線に沿った正則関数の線積分の定義
・1点とhomotopicである曲線に対するCauchyの積分定理
・単連結領域では正則関数の原始関数が存在する;複素積分をもちいた対数の定義
・正則関数の零点の位数;定数でない正則関数の零点は有限位数である
・極の位数とローラン展開
・Riemannの除去可能特異点定理
・真性特異点でのCasorati-Weierstrassの定理
●12月4日の講義内容(9)
・無限遠点での正則性と極の定義
・Riemann 球面全体で定義された有理型関数は有理関数である
・一次変換とSL(2,C)の関係を射影空間を使って説明
・一次変換の性質(3点の値によって決定される;非調和比を保つ;円を円に移す)
・最大値の原理
・シュワルツの補題
・円板を円板にうつす双正則写像は一次変換である
●12月11日の講義内容(10)
・Laurent展開の存在と留数の定義
・留数定理 I:境界が連続微分可能な曲線である場合
・留数定理 II:1点とhomotopicな閉曲線の場合と
・偏角の原理
・ルーシェの定理
・円周の正則関数による像の0のまわりの回転数と零点の関係
・定数でない正則写像は開写像である
・正則写像の逆写像定理
●12月18日の講義内容(11)
・留数計算その1:三角関数の有理式の定積分、有理関数の定積分,
・留数計算その2:主値積分
・留数計算その3:Logの分枝を用いた計算
●12月25日の講義内容(12)
・部分分数展開 (sin z)^(-2), cot z, 1/sin z
・無限積の定義を収束のための十分条件
・無限積を用いた正則関数の構成とその対数微分:例 sin z
●1月8日の講義内容(13)
・ガンマ関数の積分による定義と全平面への解析接続
・ガンマ関数の反転公式,無限積表示
・リーマンのゼータ関数の積分表示
・ゼータ関数の関数等式(補足:ゼータ関数の自明な零点の説明が不十分でした.Re z>1に零点を持たないことは無限積表示から明らかでした.Re z<0での零点が偶数のみであることは関数等式で三角関数の零点とガンマ関数の極を比べれば分かります.これは講義の最後で書いた通りです.)