複素解析学II

http://www.museo.helsinki.fi/nayttelyt/vaihtuvat_nayttelyt/matematiikka.htm

担当 平地健吾 <hirachi@ms.u-tokyo.ac.jp>

TA 細野元気 松原宰栄

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参考書は Lars Ahlfors 著 Complex analysis またはその和訳

場所:117教室

時間:木曜2限 9:15~12:00(演習は13:00~14:45)

全13回 4/7, 4/14, 4/28, 5/12,5/19, 5/26, 6/2, 6/4, 6/9, 6/16, 6/23, 6/30 休講, 7/7, 7/14補講

4月7日の講義内容

・双正則同値な領域の例

・双正則写像は等角性をもつ

・全単射正則関数の逆写像は正則(偏角の原理の応用)

・Riemannの写像定理の証明 (一意性の証明まで); Schwarzの補題を用いる

・穴のない領域は解析的単連結

・解析的単連結領域は双正則同値で保たれる

・写像定理の証明の方針

4月14日の講義内容

・Riemannの写像定理の証明 (解析的単連結の仮定で証明した);Schwarzの補題、Montelの定理、Hurwitzの定理を用いる

・正規族の定義:複素領域から距離空間への連続写像の族で一般的に考える

・正規族であることと閉包のコンパクト性は同値

・Ascoli-Arzelaの定理

・Montelの定理の証明

4月21日の講義内容

・有理型関数にたいするMontelの定理

・Riemannの写像定理を用いると解析的単連結なら単連結であることが分かる.

・ホモロジー型のCauchyの積分定理を用いると穴のない領域は解析的単連結であることが分かる.

・曲線のホモトピーの基本的な性質

・ホモトポー型のCauchyの積分定理(来週証明)を用いると単連結領域は穴のない領域であることが分かる.

4月28日の講義内容

・穴のない領域と単連結領域の同値性の証明

・双正則写像の境界挙動(ジョルダン領域の間の双正則写像は境界まで同相に拡張できる;境界点が全て単純であるという仮定で証明した;最後の鏡像の原理を用いる議論は次回詳しく説明する)

5月12日の講義内容

・鏡像の原理;実解析的な曲線に関する鏡像も考える

・Schwarz-Christoffelの公式の証明

・上半空間を三角形に写す等角写像

5月19日の講義内容

・長方形を上半空間に移す双正則写像の積分表示

・調和関数の平均値の性質と最大値の原理

・Poissonの公式と円板でのDirichlet問題の解

5月26日の講義内容

・Harnackの不等式、Harnackの定理

・劣調和関数, Perronの方法によるのDirichlet問題の解法

・Barrierの定義

6月2日の講義内容

・Barrierが存在する領域ではDirichlet問題の解が存在する

・グリーン関数の定義とリーマン写像との関係

・Green関数の双正則写像による不変性とリーマン写像との関係

・冪級数の解析接続の定義

・関数のgermと層の定義.正則函数の層,定数層

・Weierstrass による解析接続と正則関数の層の連結成分の関係

6月9日の講義内容

・正則関数の層を定義し、その連結成分として 大域的解析関数しいくつかの例を説明。

・大域的解析関数の一致の定理

・曲線に沿った解析接続を定義し、その一意性を証明

・ホモトピーを定義し、モノドロミー定理の証明を与えた

・定数でない整関数の逆函数として大域的解析函数が定義されることを証明。 これで Log z, √z などが解析函数として定義されることがわかる

6月16日の講義内容

・有理型関数の周期の定義,例:Jacobiの楕円関数

・離散加群の基底は高々2であることの証明

・楕円関数の性質(正則なら定数;基本領域上の留数の和は0;次数の定義;次数は2以上)

・ぺー関数の級数による定義、その収束性の証明

・ペー関数のみたす微分方程式

・ペー関数の微分の零点は半周期であり、半周期でのペー関数の値は相異なる

6月23日の講義内容

・Mittag-Lefflerの定理とクザンの第1問題

・クザンの第1問題とCauchy-Riemannの方程式が解をもつことの同値性の証明

7月7日の講義内容

・Cauchy-Riemannの方程式をRungeの近似定理を用いて解く.

・Rungeの近似定理の証明

7月14日の講義内容

・正則関数に関する凸包を用いて領域を内側からRungeの定理の仮定をみたすコンパクト集合の列で近似する方法

・Cauchy-Riemannの方程式の解をもちいて,Weierstrassの定理(零点を指定して正則関数を作る)および 補間定理(離散的な集合上での関数を正則関数に拡張する)を証明

・テーラー展開とローラン展開(昨年講義していなかったので今になって補足)