2012年2月3日、森住卓写真展「風下の村」会場(新宿・コニカミノルタサロン)で鴫原良友さんに話を聞いた。
(双葉町の井戸川町長が)30年帰らねって言ったっけが、なんで手を挙げねえっておれが言われたもん。
区長はなんで手え挙げねえんだってみんなな。おれもぐらぁっときたもんね。
ほんなもん、70代だの80代の人だど、やっぱりそっだらこと言ってんだよ。
コメ作られるわけでねえ孫は来ねえ息子は来ねえ、ほんなとこさ行がんねえと。
却っていまのあそこ(仮設住宅)さ置いでもらえんだらここのほうがいいって。
ほんな3年しかいらんねえんだどっつったの。おらみてえに宿舎みてえにな、財務省のマンションとかだったら
5年とか7年なったって・・・まあ、出てけって言われっかしんねえが(長く住んでも)かまわねえが。
――しかし、そんな年寄りが帰らないって言ったら帰る人はいないですよね。
だから、帰る人がいないのよ。
国はメンツだとかそういうわけだべえ。世界中に放射能に負けるってんだか、除染だとかそういうのな、
帰還できねえでは日本が情けない国っつうの、国がなんでんかんでんやると、除染ができねえってなっと
日本は世界中から叩かれるみてえな、情けない日本だって。
――だから国としては住民が帰ろうが帰るまいが除染はするんですよ。
田中俊一先生に13日に会ったのよ、先月の。長野の帰りに。
そんとき言ったのよ、長泥は5年・・・先生は大丈夫だって除染するって、
先生除染なんてしたって戻る人いねえんだどって言ったの。なにか考えてもらうしかねえんだって言ったのよ。
そしたら多田順一郎って、今度田中先生が辞めたからアドバイザーさ入ったんだ川俣と伊達さ。
田中先生がアドバイザーさやってたとこ。おらのうちも除染した人だ、分かってんだおれも。
その先生はいいこと書いてんだが、「若い人から考えてくださいよ」みたいな、除染でも復興でも、飯舘村はな。
若い人から考えると、ほんでいま帰る人いねえのに、長泥よお、除染したって無駄だと、
公的資金な、1回で済むんだらいいが何回もやって何百億かしんねえが、
それは日本の税金払う人が認めないっていうふうになっぺと。
カネとか、おれからすっと選挙、参議院、そこまでだべっておれはほう感じてるし、
そこまで考えて多田さんが言ったのは、日本中が公的資金を注ぎ込まねえっつうの、そう言うの、
ほだから、できるとこきちっとやれっち。やっぱり埋(い)けたほうがいいっつんだよな、あの先生は。
田んぼでも穴掘ってちょっと高い山剥がして10町歩なら10町歩ぐれえやって
真ん中さうちを建てて、そうして暮らすと、戻る人は。おれもそう思うんだよ。
長泥はもう・・・いいって言ったら長泥の人に怒られるかも分かんねえが、これはもうしょうがねえと。
ダムさ沈むわけでねえからあのままにしとってもらいてえと。
中間貯蔵だってかまわねえって、田んぼをざーっと埋めてもらって。
それで飯樋とか草野のな、便利のいいとこさいまみてえに広くつくってハあ山でもなんでも崩して。
そういう風景だとかコミュニティーが崩れるって言えばそれまでだが、
だってほかさ、福島だとか飯野とか住むよりはそのほうがいいのかなと思ったがな。
住民が戻って・・・みんな言うもんな、戻ってなにやんだって、いちばん。
これが、なにやるって言ってねえべ。帰還のことばっかり。
――ただまあ、義人さん(菅野義人村議員)の話を聞くと、いまのところ国がカネを出すのは
除染にしか出さないんですよ。いまみたいに賠償もどうなるか分かんない状態で
帰らないから外に土地買う家建てるってことができる人はそういないんじゃないか、
そうなると戻っていまある自分のうちに住むしかないっていう。
賠償が低く抑えられっと戻るしかないのよ。
家賃も取られる、いま生活費の10万円も取られる、国から出なくなればこれはもう自然とな。
だっていま生活してっと1人10万くらいはだいたい吹っ飛んでってるもん。残せっつったって残んないもん。
働いてる人だら残せっかもしんねえが、生活費3倍とは言わねえが、こんどは飲み屋さ行ったりとか、
おれは飲み屋さ月1回か2回しか行ってねえが、パチンコだとかそういうのな、賠償金なんかな1000万あれば
少しはもつだろうが時間の問題だよ、ほんなのやってる人は。なんぼもらったって。
逆にこんどは戻ったときに、おらみてえに5年で全損となってれば、
ほんだっていっせんなんびゃくまんだってここでは使うのなんて簡単だぞ。
2000万ぐらいだって言われたって。自然と、義人さん言ったように戻るしかないってのがハあ・・・
――まあ、いまの状況だとそうですね。そこに追い込まれてる。
ほいでもう賠償終了されたらハあ。ここがどう・・・悔しいって言ったらいいか、なあ、
なんで国だの東電だのからおめえの財産はこうだっと押さえつけられるような・・・。
どうも、おらがなあ悪いことして出てきたんならよお、こっちがこんくれえだって言って
ほんなには出さんによって言われんだら分かっが、あっちから言って寄越すってのはよ、分かんないよな。
――若い人を中心に、っていうのは義人さんも言ってて、5年先だと60なら65だから
まだなんとかなるけど70、80になるともう考えられない、っていうんですよね。
だからこれからは40代とか30代の人が中心になってやんなきゃならないし。
だって30代40代の人は戻んねえど。
――だから、そのときに彼らが戻らないってことで村を別な形で復興しようってことになったら、
それはそれでいいんだと。ただそうなると、こんどは彼らが国とやり合うことになるから、
そのときにもういっぺん国のやり方が正しいのかこれでいいのかっていうことを、
もっと彼ら自身が積極的にやっていくんじゃないかっていうことを言ってて、
それが今年の9月に村議会選挙があるんですよね、そのときに若い人がもっと出てきてほしいと、
それで議会が入れ替わって世代交代ができれば、そういう方向に行くんじゃないかという
期待はしてるんだと言ってましたけどね。
いやー・・・どうなんだか、まったく分かんねえな。
――まあその9月までに若い人に発破をかけて議会を入れ替えられるようにしないと。
ただ見てても若いひとがこう、背を向けてるというか、おれらはもう戻んないんだから
関係ないよっていう感じになっちゃってる人もいる・・・
だってあそこで若い人が生活するって気はなかったんだもん、正直言って。
あそこは、出て暮らさんにからあそこさいたっていう感覚だもん。
だからいま戻って生活しろって言ったって、きっついよなあ。もう、生活ができねかったんだから。
みんな外で働いてたんだから。農業で暮らしてるわけでねんだから、住居だけなんだから泊まってるだけなんだ。
出ればほれ、家賃もいまはタダだ、いままでの生活は。
食べ物だって親と一緒にやってっから3分の1ずつで済むが、
いまなら3分の1が倍、3倍まではいかなくても倍以上かかるわけだから。
便利でカネが出ていくから、便利でいいのさカネが融通が利くんだよな。
あの生活を3年とか5年やってからは、あの(村での)生活には戻らんにいよ。と思う。
出たくて出たんだから正直な話。借金してコメ作ってたんだから。
だから牛をやったり、別な野菜なキノコやったり、みんな工夫をしてなんとか暮らせるかと思ってたやつが、
ああいう事故で、出られんだら外で暮らしたいっつのが。20年か30年しか過ごしてねえ人はな。
帰りたいって言った人が、60、70の人がいま、息子だの孫が戻ってこねえとこさ来らんにとこさ行ったって
しょうがねえって。自分が動けるうちはいいっつんだっけな、買い物したり。もう絶対、3年か5年だべハあ。
10年も20年も元気つうんならな大したもんだ。ほんでどうしても
息子から離れたり嫁から離れたんでは戻りづれえっつの。
いま核家族って離れっちからハあ、これはもう一つになんによ、なんないと思う。
若い人は正直、煙ったいやつがいないと同じだから。誰が老人を見んのかっつのが
いまだんだんなってくんべな。わが親だって見ねえっつの、どっちかっつったら嫁のほうさつくから息子は。
戻んのかってやったら嫁が戻んねって言ったら子どもが戻んねってなったら戻んねくなっちゃう。
――ちいさな子どもは戻せないですもんねえ。
ほしたら答えが出るわけだべ。20年か30年はあの村は誰もいなくなるっつのは逆算すれば。
ふつうの計算ではこうなっちゃうんだい。
息子も孫も戻ってこねえとこ無理無理何百億何千億かけて除染していいもんだかっつうのがな。
ほうなんだよ公的資金を使うんだから。
だがやっぱり賛否両論だど。どうせタダでやっちくれんだからやらせろって言う人もいるし。
それはおれは違うと思うんだ。
国はどうしてもやんねかダメだべ。国を納得させんには、やってみて、除染してみて帰らにと分かったら
こうだっつったら、ほんでは賠償だの補償のほうがこんど少なくなるわけだべ。
何百億ってぶち込んだあと、それをもういっかい・・・
――いや、それは全然別の枠だから除染とは関係ないんですよ。
国全体とすれば、お金があってやってんだら分かるが、多田さんに言わせっと周りがお金が復興さ、
ずーっと何年も何年も何兆円だか、ほれはできねえべって。戻んねえのとこさ川内村がやってるが、
なんで戻んねえとこさ除染やってカネ使ってんだって騒ぐ人が出てくっぺってハあ。
こんどは、何年か過ぎれば。帰れ帰れって除染して。飯舘村の人だって1ミリだっていうのが普通なんだから。
ちょっと異常なんだで。逆に言うと。
――例えば除染はもうやめた、といったときに、除染につぎ込むはずだったカネが住人の移転費用とか
生活保障に回るかっていうと、やっぱり回らないんですよ。それはこないだ義人さんも言ってたと思うけど。
ちょっと過ぎてから、10年とか、20年とは言わねえが、ちょっと過ぎてからもういっかい買い上げると。
ちゃんと名義もあるし土地もうちも、これはこの値段だと。国でがちゃがちゃするわけでねえでな。
うちも全損って言ってんだからうちも買い上げだと。やれればみんな、どう考えっかな。
ただうちは残すっていう感覚で言ってっから、みんな。
うちもなにももうブルでもなんでも持ってきてうちでもなんでもなくなるよと、あなたの長泥のうちななくなるよ、
ってなればみんなな、考えっか分かんねえけど。ダムを造ったように。
そうすれば長泥住民が、いや長泥を残してえとなっかなと。
いまはほれ目先の、目に見えてる目先のな、ちょっとした暮らせればいいっていうハラしか
考えらんねえからな。なにも決まってねえから。
――あとは、村は残して戻りたい人は戻ると、それ以外のところは住みたい人は(外から)入ってきてくださいってしちゃうか。
おれはいっかい買い上げてもらって、田でもなんでも1町歩だか整備してハ、田だの畑ハ、
それでハもう家(うち)はおいて埋めて平らにしてハあ、あこらへんの全部、高い山なハあ崩して・・・
流れないっていうんだし融けないっていうんだし、国はなしてこう埋めんにのか、
いまは埋めてるがよ福島でも、学校の校庭でも。飯舘はそれをしないっつうんだ。
簡単だべと思うんだ、こう埋めて、それで別な近くの山を崩して、除染はおれはそのほうがいちばん、真ん中サ。
いま10町歩モデルでやったとこの真ん中はやっぱしイチテンナンボに下がってんだ。
いま雪が降ったから0.7くらいになったのかな。
――再生の会なんかがやってんのも、そうですね、田んぼはね。表の土を剥いで、田んぼに溝を掘って
その土を埋めて、その上に溝で掘り出した土を戻して。そうすると客土で砂だの赤土だの持ってくることもなく、
もとの田んぼの土でその田んぼがもとに戻ると。
山の木切って暗渠にしてなハ、整備したほうがおれはいい・・・あんまり風景を変えないように
田だの畑をそのまま残すようにするんだが、どっかから土持ってきてなあ、やるしかないんだから。
――結局、国がそういうことに対して迅速に対応してくれればいいなあ、っていうとこですよね。
いまは全然そういう体制じゃなくて、最初に決めたことをそのままこれでやるんだってやっちゃってるから。
こないだ亀岡(よしたみ)先生が来たとき、もういっかいゼロに戻して考え方を、
飯舘村は考えたほうがいいんでねえのって村長に言ったんだっけが。
――でも、いまはチャンスじゃないですか、民主党から自民党に代わって復興再生総局って新しくできたでしょ。
たぶんいままで民主党がやったことは自民党としてはこれじゃダメだということにしたいんじゃないかと思うんですよ。
ということはそこに新しく、これまでの間にこういう実証実験をやってこういう結果が出ましたと、
いままでのやり方じゃあとてもじゃないけどダメで、こういうやり方でやればもっとうまくいきますよっていうのを
出せれば、ころっと変わる可能性はありますよね。
おらの考えは、官僚がやってんだからあんまり変わんないんじゃないか、
目先はいま、選挙のためにやってんでねえかっていうのが、おらはそのほうが濃いんでねえかと。
7月か8月、9月か、選挙があんの。そのあとが勝負だと、ここまでは大盤振る舞いすんでねえかなと。
あんなにカネばんばん、いま振りまいてる、そんなことしたら国はもってかねえつうことは分かってんだから、
ほんなの続くわけないってみんな言ってんだ。ちょっとやりすぎだって。だからほのあとが怖いと。
どうせならいまの、元気がいいうちつうんだか・・・ほれが、こっちさ来ないんだよな。
カネは復興さ何百億だか出すって言っても、具体的に見えねえんだ。
おれはあれが7月頃になったら民主党みてえに逆回転してくんでねえかなっていうふうに・・・
いまは円安になってくる市場も良くする、それはおれ無理無理やってんのかなって思うな、景気を上げるために。
――まあ、いまの状態は続かないとは思いますね。
あんなにぽんぽん簡単によお、それぁ目先を、どうしても参議院が見えてっからなあ、そのためでねえかなってのが。
いま・・・まともなこと、いま考えらんにのよ、常に裏切られちきてっから。
こうなればほれの反対つうのしか見えないっつうか、そういう考えちゃうのな。
――まあね、政府は住民のことなんて考えてないですからね。
自分のフトコロつったらいいか、自分の票固めつったらいいか。
――で官僚は官僚でね、福島に行って実際どうなのって見ることもしないし。
机の上でパズルを組み合わせるみたいにやってるだけだし。
それだけなんだ。
――それをひっくり返すのが、義人さんなんかも苦労してるみたいですけどね。向こうは法律を盾にしてきてるから、
村は条例は作れるけど法律は作れないから、いろんな法律だのなんだの調べて、それでなんとか向こうの穴を
見つけ出して、そこを突いて突いてなんとかこっちにいいように持ってくるというふうなことをやるしかないんですよね。
ただ単に住民はこのように思ってるんだからこういうようにやってくれじゃあ、ぜんぜん話は進まない。
飯舘だけでねえからな。双葉とか・・・国はひとっつ、おらはいいのよ、ひとつにしてもらえんだら、平等にしてもらえんだら。
でもそうはいかないと思うんだよな。ある程度は横車を押してもらたってしょうがねえからな。
おらとしては勝ち組さ行きたいなと思ってんだ、正直な話。負け組みをひいたら、これは引き立たねえもんな。
飯舘村はいま進んでるが、果たして勝ち組さなってんのかなってのがいちばん・・・。
長泥なんていまんなって、こないだ村長とちょっと、懇親会やったときに本人ぽろっと漏らしたもん。
長泥は村長と話すっから。ほかの人は誰も寄ってかねえから。
長泥は押したり引いたりするっていうのをおらはやってるから。
そしたらやっぱり(行政区の避難区域の区分けが)16と3と長泥が1だべ、
やっぱり長泥は浪江だの双葉みてえに帰還困難区域で強く言わんにぃっつった。
16のほうを助けるっつうんだか、早く言えばな。やっぱり強くやるには、って言ったもん、ぽろっとよ。
長泥はちょっと線が下げられると。帰還困難区域の意見を言われんだが、
それをちょっと下げてこっちの16だの19のほうを助けるようなな、長泥はちょっと犠牲になるみてえな。
帰還困難区域を強くは言わんにぃって。こっちを上げるために。
言ってたっけ、こうバランスを取るために、おらは下げられるわけよ、極端に言えばなあ。
ほんだらほのよお、長泥はひとつでは投げられる、おれにしては捨てられる・・・捨てるしかなくなんだよな。
おらもほうだもん、村のリーダーとなれば16や19を助けるつうか19対1だったらば、
ひとりは泣かせてもこっちを上げるっていうの。
ほんとはな、ダメだって理屈では分かってるが・・・これはしょうがねえんだもんな。
これはもう・・・だらなんでひとつだけ帰還困難区域なんてしたんだか。なあ。
比曽蕨平・・・だからおれは最初言ったんだが、比曽長泥蕨平はおんなじにしてなって。
――それも結局、国が決めちゃったことですからねえ。
おらからすっと村長の本意つうんだか村長はどうしたいんだかっつうのが分かんねえもんな。
分かんのは村を残したいっていうくれえしか、おれとしてはよお・・・。
正しいって言えば、自分のふるさとがなくなっからって村長は言うんだが。
いまの子どもたちが気がついてな、なくなったでは寂しい。
それはそうだが、いまの人はもうな、子どもたちも慣れればほかさ行っちゃうよ。
飯舘村のことを、なんぼいいんだって親が言ったって、おらは通んないと思うな。
――さっきの70、80のお年寄りが帰らないっていうのは、それは長泥の話、飯舘全体がそんな感じ?
もっと年代が若くても帰んないよ。60代くらいの人も、80%くらいと言ってもいいでねえか。
飯舘全体で帰りたくないっていうのが。
やっぱさ、あの元の生活さ戻りたくねえってのがあんでねえ。
放射能なんて関係ねくなってもほとんど戻んないっつうか戻りたくないつうのか。
ダムだとかなんとかみてえに我が家のうちが沈んじゃうとなればちょっと考えるが、
ただ暮らすだけに戻れってったら、正直みんな戻っちゃくないっつうの。
おらだってほう思うもの。戻って誰もいなくなって、ものも作らんね、なにもできないとこさハあ、
孫もな息子も戻んないとこさ暮らさんにっつうのが、どうもいまだって、ほれが5年となれば。
いまなんだよ、いま戻ってくんなら、戻る意思っつんだかちからっつんだか、なんとかするってなるが、
いまの考えでは除染してからなんて言ってたんでは・・・。
仮設での避難生活が長引く中で高齢者がそこでの生活から離れたくなくなるという現象について、
社会学者の某氏から「病院化」についての指摘をいただいた。
ここで鴫原さんが語った「年寄りが帰りたくない」という話は、そのまま「帰村or移転」論議の中に位置づけて
単純に「帰村拒否」と受け取ることはできない要素を含むように思う。
以下に某氏からのコメントをそのまま転載する。
> 医療系をめぐる議論の中で「病院化」というのがあります。馴化といっていいでしょう。
> 行動制限が極めて大きい場所で生活してしまうと、そこでしか生活できなくなる、
> また、それを正当化してしまうようになる。避難仮設はそういう局面にきているのかもしれません。
>
> アンケートなどで、高齢者ほど帰村志向が強い、また待てる期間が長いという回答傾向がでるけど、
> 一方で高齢者ほど、「仮設化」の影響で自律性の喪失をこうむりやすい。
> そういう意味で、そんなに時間はないのだろうとおもいます。
>
> 住民の要望を聞け&政策にせよという点と、被害を(これからでも)最小化するという点が
> どんどん乖離してきているという状態なんだとおもいます。どっちにせよ、なんらかの政策で対応すれば、
> 不満はでるし、どんな政策とっても最終的に「人殺し」の汚名はまぬがれない。
>
> 結局は、生活再建の場として、村内/村外を意識的に選ぶ人たちの支援策を強化するということと、
> そこからもれ出る人をセフティネット的に救済する(これは行政主体の策)という、二段構えでいくより
> 仕方ないのではないかとはおもっています。前者ばかりが日にあたりますが。