飯舘村除染仮置き場公開説明会:2012年3月24日13時30分開始:クリアセンター敷地内1次保管場所
除染モデル実証事業概要
実施範囲:約17ヘクタール(草野地区の一部、キクチ製作所、ハヤシ製作所、いいたてホーム)
除去物総量:約3000トン(フレキシブルコンテナパック4875個)
1次保管場所空間線量:■除去物搬入前(2011年12月15日)4.03μSv/h ■除去物搬入後(2012年2月27日)1.33μSv/h
(動画1)https://picasaweb.google.com/110451663776544149778/2012324#5723862294142033090
こちらが今回のモデル事業で出た除去物を仮置きしている場所でございます。
こちら平面図で緑色で囲っているものが可燃物を仮置きしているところでございまして、いまわれわれが
いる場所が、この「扉」と書いてあるところのあたりです。それを平面図で上から下を見ている形になります。
いま見えている三つの山が可燃物の山でございます。その下のところに不燃物を置いている山がございます。
それぞれ可燃物を置いているところと不燃物を置いているところと、ちょっと構造が違うのでご説明させていただきます。
可燃物を置いているところにつきましては、まず山砂をひいて、その上に不織布をひいて、
その上に遮水シート――のちほどサンプルをご覧いただきます――をひいて、その上にさらに
不織布をひいた上に除去物を入れたフレキシブルコンテナパックを置きます。
それをまた遮水シートで全体をくるんで、ここから出てくる土壌とか水は漏れない形にして、その上にさらに
放射性物質をほとんど含んでいない会津で取れたきれいな土を入れたパックを、遮蔽用にいちばん外側に置きます。
ですので、ここで外側に見えるフレキシブルコンテナパックのものはすべて遮蔽用の、中にはきれいな土が
入っているものです。除去物ではありません。除去物はこの内側の、遮水シートのまた内側に入っています。
そうやって外からは雨水が入ってこない、中の除去物を入れたフレキシブルコンテナパックから出る水も
外には出さない形にはしてるんですけども、念のため、この遮水シートの中には集水管を張り巡らしまして、
除去物の中から染み出てくる水は集水枡に集めまして、それを定期的にチェックして、放射性物質を含む水が
出てきていないかどうかということも、しっかり確認するようにしています。これが可燃物置き場。
不燃物置き場につきましても、基本的に同じ構造にしてもよかったんですけども、
こちらは斜面の部分が使えましたので、斜面をうまく使った形にしております。
こちらも底面に不織布と遮水シートと不織布をサンドイッチしたものをひきまして、その上に除去物を入れた
フレキシブルコンテナパックを置きまして、不織布で遮水シートがサンドイッチされたもので全体をくるんで、
その上にきれいな土を入れた遮蔽用の土嚢を積むというような形にしております。
この上部に関しましては、土嚢を積むのではなくて、土を30センチほどかけまして(覆土)、
上部から出る放射線も遮蔽しているといった形を取っております。
こちらの仮置き場の状況ですけれども、全体でフレキシブルコンテナパックが4875個、こちらの中に
保管されています。重量としては約3000トンでございます。
除去物を置く前、12月15日にこちらの周辺の空間線量を測定したところ、12月15日時点で4.03μSv/hでございました。
これを、除去物を入れたフレキシブルコンテナパックを置いて、こちらのように遮水シートでくるんで遮蔽用の土嚢も
しっかり置いたあと、線量を測定したところ、線量を測定したのは2月27日ですけれども、その時点で1.33μSv/hと、
除去物を仮置きしていた状況でも、仮置きをする前の状態よりも下げるようなことができている状況でございます。
概況説明は以上でございます。
――もう一度数字の確認を。
仮置きする前の状態で、昨年の12月15日、4.03μSv/hであります。今年の2月27日、
一応ひととおりの作業が終わったところで測定しまして、1.33μSv/hまで下がっております。
――元は何もない山林ですよね。それがなんで線量が下がったんですか。この遮水シートのためですか。
汚染された土の上に土嚢を置くことで、もともと汚染されているところから出てきていた放射線を遮蔽しているということです。
土を重ねて置くこと自体でも遮蔽しますので、これを置くことで仮置き場の線量は下がっている状況にあります。
それはどこでも一緒でして、というのは、11市町村でモデル除染をやっておりますけれども、どこの仮置き場でも線量は下がっています。
――線量はどこで測るんですか。
(除去物の山の間の)あいているところで(地上)1メートルのところで何点か測っています。
――そのフレキシブルコンテナパック自体に放射線を遮蔽する効果はあるんですか。
ないですね、まったくないです。
――周りに積んでいる土がきれいだから下がるんですか。
きれいな土でなくても、1立法メートルという塊になると、その塊全部から放射線が出てくるわけではなくて
表面からだけなんですよ。中のやつは外の土に止められちゃうので。
要するに、こういう形で置いちゃうと、集まってきますとどんどんどんどん線量というのは低くなってきて、
いちばん外にあるものしか利いてこないという形になるんですね。
で、そのいちばん外をまたフレッシュな土で覆っていますので、それによっても閉じ込めてしまっていますというようなことなんですね。
――除染ゴミ(だけ)を積んであっても、その効果は同じということですね。
そうですね、どんどん下がってはいきますね。重ねていくことによって低くはなっていきます。
作業中もですね、放射線量は4.03ではなくてもっと低い値で維持されてきている。
最終的に、全部を覆ったことによって1.33という値になってきているということですね。
持ち込んだパックには高いものはありますよ、一個一個は高いものはあります。
――積み上げた外側じゃなくて中は高いわけですか。
それであっても、表面から利いてくるという形になるので、一個一個の表面は高いですけれども・・・
ここ(積み上げた土嚢群の奥のパックの表面)は高いけれども、ここ(土嚢群の山の表面)には利いてこない、
表面の線量しか利いてこない、という形です。
だから、非常に高いものは奥の方に置いてやるとか工夫することによって、外には高い放射線は出てこないという形の・・・
――奥の方に高いものをパックに入れて持ってきたら、そこのところは高いわけですね、当然。
内部に入れば、そうです。けれどもその放射線が外には出てこないということです。
――面積的には、どれくらいのところからどれくらいの可燃物が出てきたんですか。
だいたい17ヘクタールが除染の対象面積です。
――そこから可燃物がどれくらい・・・
可燃物と不燃物の比は、1800と2000です。
――それは農地が多いんですか。
土は学校のグラウンドと、農地は面積はそんなに広くなかったんですけども、あと宅地ですね。宅地の庭。
草はいろんなところに雑草が生えていましたので。あとは森林、枝打ちとかですね、下草を取ったりしていますので、
そういうものが発生しています。
――枝打ちしたものは刻んで入れたんですか。
そうです。チッパーという機械で細かく砕いて、この中に入れています。
そのまま入れると非常に量が多くなってしまうので、減量化ということを狙って。
今回われわれモデル事業ということで、いろんな技術で除染方法を試させてもらったということで、普通の、
たぶんこれから行われる本格的な除染に比べれば発生物に関しては若干多めになっているのかなと思っています。
――多めになっているということは、結局、線量を下げる予定の目標値よりも余計に下げたということですか。
取れたらいいなということで余計に剥いでみたりとか、そういうこともしているということですね。
――わたしは地元で農業をやっているもんだから、果たしてどれくらい下がっているのかなということで・・・
今回、草野地区でわたしどもが担当させていただいたのが、草野小学校の道路から西側のエリアと、
いいたてホームさん、それからキクチ製作所さん、ハヤシ製作所さん、合計4カ所やらせていただいております。
ちょっと入り組んで難しいところもあってですね、ハヤシ製作所さんについては若干落ち方が悪いんですけども、
その他のところに関しては3~5割程度は落とせたんではないかと思っているんですけども。
ただ、いまこの時期ですね、若干雪の影響なんかもあるので、もう少し雪が融けた段階でどうだろうかというのは、
ちゃんと評価しなきゃいかんと思っています。
――袋の数は、容積ではどのくらい・・・可燃物と不燃物では・・・
半分くらいが土壌で半分くらいが可燃物ということです。
――可燃物は相当(嵩が)減ったんじゃないですか。
これからたぶん(嵩高が)下がっていくと思うんで、下がってもいいということで、上面に板を嵌めてみたり、
いろいろ工夫しながらやっております。下がってくるとは思います。
本当は可燃物なので焼却等で減量するのがいちばんいいんですけども、ここではやっておりません。
こちらが「1次置き場」という形になっております。本格除染が始まりましたら国有林の方に正式な仮置き場ができるので、
それまでの間の置き場ということで、除染を早く進めるためにということで村の方に置いていただいたということです。
――最終的にどれくらいの規模になるかは、現在のところではまだ分からないんですか。
最終的というのは、村全体を除染してということですか。それはいま精査をしているところです。
除染のやり方によって(除去物の)発生量も変わってまいりますので、それは改めて精査しているところです。
――あとは中間貯蔵施設を、目標としては3年程度以内に造って、そちらに移していくということですね。
そうです。
――それ次第ということでもあるわけですね。
中間貯蔵施設はいま並行して、双葉郡内に設置する方向で進んでいますので、ここからいちど仮置き場へ
持っていって、仮置き場からまた中間貯蔵施設へ持っていくということになります。
――中間貯蔵施設については案の定というか、反対の声が挙がっていて。
で小宮の説明会のときに村長さんがおっしゃったのは、貯蔵施設が3年程度以内にできなかった場合、
仮置き場も止めざるを得ないということをおっしゃっていたんですけども。
そこはまだ、できるともできないとも言える状況ではなくてですね、関係自治体さん含めて
調整させていただいておりますので、現時点で、3年程度仮置きをさせていただいて、そこから、
中間貯蔵施設ができたら持っていく、というふうなことでいまのところ動いております。
――ここから仮置き場や中間貯蔵施設へ持っていく場合、そのパックそのままの形で
動くんですか。そのままで何年ももつんですか。
そのつもりです。破れたら入れ直すとか、そういうことはやります。運搬のしやすさのためにこれに入れているということですから。
基本的にはこれが3年くらいもちますので、そのまま持っていけるというふうに思っています。
可燃物はこうして小さく山を作っております。これは可燃物として、瓦礫もそうなんですけども、
あまり集めすぎますと醗酵熱が出て燃えてしまうということもあるので。
指針がありまして、小分けして間隔を空けて置いています。
(動画1終了)
今回こちらのJV(ジョイントベンチャー)、除染を担当した大成建設を中心としたJVが(指針に従って)
こういう置き方をしましょうと決めてこう置いてあります。ほかのところに行くと違う置き方をしています。
――それも含めて実験なわけですか。
そうです、それもありますし、いろいろな形で置くことはできるわけです。地形に合わせたりとか皆さんのご要望に合わせたり。
南相馬の方では、地下に入れる形を取らせていただいています。それは地元からの、地表を使いたいんだというご要請も
あって、戻った際に地表を使えない状況は困るということで地下に埋める、それも表面では非常に低い線量になってます。
あと半地下にしたりですね、この下(不燃物置き場)も階段状になってますけども、階段状の仮置き場もできますし、
表面を土嚢ではなくて土で覆う、そういう覆土のスタイルもあります。
ここでやっているのも覆土なんですけども、それぞれ一個一個運びやすいように土嚢に入れてやっているということなので、
この状態で見られると投げっぱなしじゃないかというふうに言われるんですけども、そうじゃなくて、皆さんに見えているのは
覆土した土、普通の、フレッシュな土なんですね。
フレッシュな土は磐梯熱海の土を、線量測定して濃度測定して、検出されないことを確認して持ってきているということです。
――先ほど漏れ出るような水は検査しているとおっしゃっていましたけど、それはある程度定期的に検査しているんですか。
そうですね、定期的に、1週間に1回なり見に来て、もし水が溜まっていれば水をサンプリングして分析をして、汚れていなければ
そのまま排出する、もし汚れていればそこで一つ判断が入って、処理をして処理済みを流すという形を取るということです。
いま現在、雪が降った状態のままでパックしたものですから多少は水が出ますので、定期的に、比較的頻繁に
サンプリングしてやっています。いままでのところ全部ND、検出限界値以下ということで。
(動画2)https://picasaweb.google.com/110451663776544149778/2012324#5723864273438674610
これがサンプルなんですけども、いちばん下にまず砂をひいて整地をして、その上にですね、
これが遮水シートなんですけども、遮水シートが傷まないように、まず不織布を全体にひきます。
その全体にひいた不織布の上にこういう、これが遮水シート――よく産廃処分場なんかで使われているものですけども、
一般に販売されているものです――これを置きまして、さらにその上に不織布をもう一段置きます。
こういう形で不織布が遮水シートを挟むような形で全体を施工しております。
これをまず底面に施工しまして、それから上も同じ形でやっています。
(土嚢の山)全体を(遮水シートの布で)くるむような形にしていまして、最終的にはここ(シートの合わせ目)を
溶着させてやってパックしたような状態でしておりますので、外の水が中に入るというようなことは基本的にはありません。
中の水は、当時あった水は出てくる可能性はありますけども、中にあらためて水が入って
(放射性物質を)溶かし出すということはありません、ということです。こういう状態で全体を覆っております。
いま見えているのは、その(除去物を遮水シートで)覆った上に遮蔽土嚢を置いてある、という状況です。
全体を向こう側に倒してあるのは、荷重がかかるときに倒れないようにということで、全体を押し付けるような形で
向こう側に傾けて置いてあって、全体は土ですので、非常に重たいものが載っかっておりますので、斜面の崩壊に
ならないようにということで、そのへんはJVさんがされていて、またガイドラインにもですね、こういうふうに置きなさいと
いうのが出ておりますので、それに準じた形で置いてある、ということです。
ちょうどあの下に、そこにもあるんですけども、マンホール状のものが見えるかと思いますけれども、あの下に
中側の水を集める集水枡が埋まっておりまして、そこで定期的にサンプリングをしてやって、中にもし水が出ていれば
それをまず測定してやって、汚れていなければ排出するという形にしています。
――集水枡は何カ所ポイントされているんですか。
下が2カ所、上が3カ所です。先ほどお配りした図面で「集水枡」と書いてあるところがそうです。不燃物に2カ所、可燃物に3カ所です。
ここに置いてあるのは可燃物系で、可燃物は醗酵して醗酵ガスが出てきますので、これも指針に基づいて
ガスの排気管ですね、そういうものを立てて、中にガスが充満しないような形を取っております。
――袋が破れて中が見えているようですけども、可燃物なんですか?
これは破れたのではなくて、土嚢を押さえるために砕石を上に載せているということです。先ほど言いましたように、
いちばん外に見えているのは遮蔽用の汚れていない土嚢なので、もしこれが破れていても基本的には問題はないです。
――ガスの中に放射性のものが入っているということはないんですか。
ガスの方に放射性物質が出るというのは、あまりないですね。再浮遊というようなことが
起き得るかということなんですけども、それはあまり観測されていないですね。
水に溶け出るんじゃないかというほうが多いんですけども、そちらも定期的なサンプリングの状況では見られていないですね。
もし溶け出ても、下に土をひいていますので、そちらと最初に接触するというようなことになりますから、そこでまず止められると。
土の表面にセシウムが、放射性物質が留まっているという状況がありますけども、それがあるから除染ができる、
イコールここも、そういう機能があるので土をひいておけば、そこから下にセシウムが漏れて出るということは
抑えられるというふうな工夫をしております。
――この(地表に掘られた溝を)流れている水やその排水あたりを測定してるんですか。
それはしてますね。ここに掘ってますのは外の水を流すように・・・中から染み出す水ではないです。
中から染み出す水はマンホールの方に集まるようにしてますので。これは外の、排水溝の水なので。
(中から染み出す水は)中から集水管を引きましてマンホールの方に集まるようにしています。
(動画2終了)
ここは1次保管ということで、本格的な仮置き場が整備されたら動かす、そのときに動かしやすいようにということで、
周りの土嚢もこうして置いてあると、土嚢で遮蔽する形で置いてあるということです。
いろんな形で置いてあるところがございます。ちゃんとした仮置き場の形でやっているところは覆土をして
置いてあるところもありますし、どういう形でも安全は担保できるということでやっております。
――管理型の処分場と変わりないですね。
ほとんど変わらないですね。この次に本格的な仮置き場が用意されてそちらに移すので、本来であれば
ここまでやらなくてもいいんですけども、最初のモデルということもあって、どこまでやればいいのかを
見ていくということもあって、管理型の処分場と近いような形で設計して置いてあるという状況ですね。
――モデルケースの進捗状況はどんな感じなんですか、いまのところ。
ここはもう100%、われわれが担当するエリアは終わっています。
――飯舘村でのモデル事業が終わったということですね。
このあと環境省の除染とか、農水省もモデル事業をするというようなお話はうかがっていますけども。
――管轄が違うんですか。
やはり田んぼになると専門的な知識も必要になってくるようなこともあって、
福島県は農業地域なので真剣にやらなければいかんということだと思いますけども。
――そういう話を聞くと、各省ごとの利権が絡んでるんじゃないかという声も出てくると思うんですが。
今回もそれぞれ担当場所が重ならないように、村と相談しながら対応しておりますんで。
――そうした分担された成果をひとつに取りまとめる窓口というものはあるんですか。
環境省がそれをやるということで、環境再生事務所というのが福島にできているんですけど、それを目的に
事務所をつくったというふうに聞いています。確かにおっしゃるように、縦割りのままでは進まない部分が大きいと思います。
――タイミングがずれちゃうと、家には戻ってこられても仕事は再開できないという問題も出てくるでしょうし。
本格的な全体的な除染は環境省が主導してやります。ただ、それをやる前にいろんな事項を実験的に試さなきゃ
いけないということで、そういうところを今回のわれわれとか農水の研究所が来てやるとか、そういうのを事前の準備としてやって、
最終的な本格除染は農地だから農水とか森林だから林野とか、そういうのではなくて環境省が全体を見るという、
そういう形になっています。それぞれがそれぞれの管轄でやっていたら除染が進みませんので。
――大手ゼネコンが入らなきゃならないようなことなんですかね。地元の業者でできるんじゃないかと思うんですけど。
そうですね、やることとしてはそうなのかもしれませんけど、取りまとめたり評価したり
全体を計画したりというところは、やはりある程度ちからのあるところでないと・・・。
今回の飯舘村のモデル事業でも、だいたい1日300人とか400人という人員を集めて重機も大量に持ってきてということが
ありますので。まあ今回は短時間でやったということもあって、恐らく大手さんにしかできなかったんじゃないかと思います。
作業内容が確定した形になれば、どんどん地元に回していくことも考えられると思います。地元の建設業者さんで
組合みたいなものをつくられて、そちらに発注されたりということもしてますね。
そこで(放射能の)落ち方がどうなんだということに関しての技術的なところでのフォローをわれわれもお手伝いしています。
全部が全部、大手でないとできないということではないと思います。
――除染をどういうふうに捉えればいいのか、例えば除染事業というひとつの産業として捉えるのか、
あるいは除染は除染でやらなければいけないものというか・・・しばらくかかるのであれば、
地元の地産地消で福島県でやっていかなければならないと思うので・・・
除染というのはやはり、地元の皆さんが参加する大きな事業だと思いますので、
なるべく地元に還元できる形に持っていかないとダメだというふうには思ってます。
今回、地元中心に進められなかったのは、最初だったということもありますし、
大規模になるとそういうふうにせざるを得ないだろうなと思っていますけども。
だから今回のわれわれの仕事の中でも、JVさんの方へは地元の方々を積極的に雇用してくださいねということは
条件として入れさせてもらって対応したということもありますし、そういった方々が少しずつちからをつけてきていますので、
発注されているようなところへ地元からもどんどん参加されているんじゃないかと思います。
山全部ということになると、なかなかそれは時間がかかると思います。まずは早く生活環境、
農地を含めて生活環境を取り戻すような除染というものを施工していく。
ですから家のまわりをまず、どれくらいの幅でやれば線量を低減できるか、今回われわれがやらせていただいたのも、
平面を広くやるとどれくらい全体として線量が下がるのかということでもやらせてもらってまして、われわれがやったのは
17ヘクタールぐらい、そうするとやっぱり全体の線量はかなり下げることはできているという結果は得られたと思います。
<村役場除染担当職員>どうもご苦労さまでございました。今回モデル除染ということでやっていただきました、
除染によって発生した土壌の1次保管ということで、先ほども話がありましたが、村としましては仮置き場を国にお願いしまして、
国有林を活用するということで、クリアセンターに接する国有林に4月以降、着工していただくというような計画になっております。
仮置き場ができれば、1次保管されているものを運び入れると。いま国の方で出されておりますロードマップでは3年程度の保管を
お願いされている、そのあとは中間貯蔵施設に移すと言われておりますので、そういった形で、放射性物質で汚れた土地を
きれいにして、村民の方々が帰還できる基盤をつくっていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
どうもありがとうございました。
――つい最近村独自の除染工程表が発表されて、高いところからやっていかないとダメだ、というようなことを
村長さんがおっしゃられたようなんですが・・・
高いところからやっていかなくてはダメだ、ではなくて、上流から下流に向けての土地をやりましょうと、
比曽川とか新田川とか大きな川があるもんですから、除染をやるときに下から上がってくるんではなくて
上流から下流に下った方が理にかなっているという部分、あとは行政区単位ごとでやりたいなと。
村の除染は国の直轄でやるということだもんで、村は一緒に動いているというような状況で。
村の考え方にいろいろご異論のある方はおられますが、村としては国が除染してくれるということですから、
まずは汚れた部分をきれいにしてほしいと。
――村長さんは村に焼却施設がほしいと言っていたような・・・
燃やすものが、例えば草とか燃やすものがあればいい、というような話はありましたが・・・
――この機を利用してバッグフィルターつきの立派な施設を造ってもらえば、可燃物を燃やして容量を小さくすることもできるのでは。
それも、いろいろ考えてます。ただ結局それも国にいろいろ要望しながらやるということなので、
いまのところはそういう計画的な部分は、今後考えるべ、というようなことになってます。
伐採した木を使って発電所でも造るかというような話もあるんですが、それをやるとしても、
出る量がきちんと出ないとできないもんですから、ただ燃やすだけなら別ですけども、
そういう発電を起こすようなことも考えっかとなると、なかなか木の量がきちんとしないと。
いまいろいろみなさんからご意見ももらっているんですけども、焼却炉も必要性はあると思います。
家回りを除染してもいろいろありますよね可燃物が。
ただ、燃やして煙が出て、その煙に放射性物質がどうのこうのということも言われると思いますんで。
例えばいまだって道路を水洗いしたって、村では全部吸収して沈着、固めて検査して処理してます。
そこまでやらないと、失礼になりますので。そこまでやらないと、除染といってもただセシウムを
よその土地へ飛ばしてるだけの話になっちゃいますから、そんなことも気をつけながら。
――新田川の土壌から15万ベクレル検出されたという報道がありましたが、どのへんを測ったんですか。
それはちょっと分かんないです。
――いま村役場の上級職員は村長にべったりと言われてますけど。
いや、べったりというか・・・いま村としてどういう方向に進むというときに、やっぱりその方向で職員も動かないと。
べったりがいいのか悪いのかという議論になると、そこに反発してそれと違う考えを申し立ててとかやってると、
個人個人の考えはあるでしょうけど、村の方向性がこうとなれば、やっぱり職員もその方向で動かないと、
進むものも進まなくなっちゃうんでね・・・