能舞台見学記録
2016/02/22更新
宮越記念久良岐能舞台(2016/02/19)
神奈川県横浜市磯子区。ウェブサイト。
囃子方養成の必要性を唱えていた池内信嘉(1858-1934)が、1917(大正6年)に内幸町に建てたもの。設計は山崎楽堂(靜太郎)。
1931(昭和6)年に東京音楽学校に寄贈され、お茶の水の分教場で囃子方養成など(詳細は要調査)に使用された。
なお東京音楽学校には1936(昭和11)年に邦楽科が開設された。
1964(昭和39)年、解体・保存。翌年、宮越賢治が譲り受け、久良岐に移築・復元。
鏡の間は火灯窓で、元は禅の和尚さんの隠居所のようなものだったとか。
囃子方養成が目的のため、舞台は一回り小さく2間半四方(通常は3間四方)。床は近年削ったために白木。
鏡板は平福百穂による。
事務室の上に由来が掲げてある。
横浜能楽堂(2016/02/19)
横浜市西区。ウェブサイト。
1875(明治8)年に上根岸(現在の都立竹台高校の近く)にあった、旧加賀藩主前田斉泰の隠居所に建てられた舞台。
1919(大正8)年、旧高浜津藩主松平家に譲られ、染井(現在の巣鴨、駒込のあたり。ソメイヨシノの発祥地)の松平頼寿邸に移築された。
移築の指揮をしたのが山崎楽堂(久良岐能舞台の設計者)。その後は染井能舞台として親しまれた。
1965(昭和40)年解体。
1996(平成8)年、横浜能楽堂として復建。
《文献》『横浜市指定文化財 旧染井能舞台復元修理工事報告書』、横浜市市民局市民文化部文化施設課、1996年。
一般的には檜だが、ここは樅。鏡板には細い松に白梅。根元に根笹。
写真は正面の2階から。