香乃物祭

香乃物祭

<起源>

毎年8月21日に斎行される香乃物祭(漬物祭)は漬物発祥の御神威を称え漬物文化の興隆を祈るお祭りです。

この土地は尾張平野(濃尾平野)と言われる肥沃な土地であり、また、当時は海岸に面しており土地の人々がこの神前にウリ・ナス・蓼(たで)等の初生(はつなり)や、海から取れた藻塩もお供えして五穀豊穣をお祈りしました。神前の多くの供物が腐敗するのを惜しんだ里人が、社殿の傍らに甕(かめ)を置きその中に入れたところ、神の思召しか、程よい塩漬けになり、当時の人々は雨露にあたっても変わらぬ不思議なその味を神からの賜りものとして、万病を治すお守りにしたとあり、これが我が国の漬物の始まりであると伝わっております。

お祭りは毎年8月21日に斎行されますが、何故この日なのか定かではありません。ただ、漬込む野菜の収穫期や塩の生産と大きく係わりを持ち、自然の恵みに適合したこの時期に祭りが斎行されてきたものと推察されます。


<香乃物>

景行天皇の御子の日本武尊(やまとたけるのみこと)が御東征の道すがら、当社にお立ち寄りの際に村人がこの漬物を献上して長途の旅情をお慰めするとともに、霊験あらたかなこと等をお話したところ、尊は非常に感慨深げに、「藪ニ神物(やぶにこうのもの)」と仰られたと伝わります。

この故事を尊び、毎年漬込む香乃物を熱田神宮へ供進しています。