データを溜め込んで、
その中から条件に合うデータを取り出したりできる、
データを溜め込んでおく場所の事をデータベース(DataBase)といいます。
データベースとは、特に、コンピュータシステムだけの事を言っている訳では有りません。
例えば、名刺ファイルや図書館の蔵書なども、データベースの一例です。
例えば、図書館の蔵書は、ただ、単純に図書館で収蔵している訳では無く、
いつでも、誰でも、簡単に、取り出せるように、合理的に整理され、記録されて、保管されています。
その為に、今では、どこの国でも広く一般的に、
世界的に共通な分類法(ぶんるいほう)と記録方法によって分類され記録されて保管されています。
従って、図書館で蔵書を扱い、管理するには専門的な知識と経験が必要な事から、図書館員は専門職です。
特に、日本では、図書館で使う分類法を日本十進分類法といい、また、記録方法を日本目録規則といいます。
図書館で働く専門職の資格を、日本では、司書(ししょ;Librarian)といいます。
司書の資格を得るには、大学などで専門的な課程を修了し単位を修得する必要が有ります。
図書館のデータベースで、データになるのは、蔵書そのものですが、
どこの図書館でも、その蔵書を利用しやすいように、上記の分類法と記録方法によって、蔵書目録が作成され、利用されています。
特に最近は、この蔵書目録が、コンピュータシステム化され、蔵書データベースとして、利用されています。
この場合の、データは、蔵書そのものでは無く、分類法と記録方法によって蔵書目録に記録された記録(データ)です。
この蔵書目録に記録されたそれぞれの蔵書は、
その蔵書の背表紙に貼り付けられた蔵書ラベルに記されている分類コードによって、蔵書目録のデータと蔵書が、1対1に対応し、
また、蔵書の書架(しょか;本棚の事)が、分類コードの順に従って配置されている事で、
蔵書目録(あるいは、蔵書データベース)を利用する事により、
いつでも、誰でも、簡単で便利に取り出せるようになっています。
【大東文化大学の図書館】
また、最近では、蔵書データベースをインターネット上で公開し、
インターネットから蔵書の検索や借出予約ができるようにしている図書館も増えています。
更には、Amazon(アマゾン)のように、
インターネットを利用して、
本やCD、DVDなどのAVソフトが購入できる業者も登場し、急成長しています。
次に、もう少し、身近なところで、名刺ファイルを例にして考えてみましょう。
社会人になると、毎日、ビジネス上で、たくさんの名刺を貰う事になります。
特に、このたくさんの名刺を如何に合理的に管理し、活用するかで、ビジネスの成否が別れる事も有ります。
このたくさんの名刺を、上手に管理し、積極的に活用する事で、人脈が広がり、ビジネスチャンスが増えるからです。
では、たくさんの名刺をどのように管理したら良いでしょうか?
大抵のビジネスマンは、溜まった名刺を、
アイウエオ順に並べたり、会社別や用途別に分類したり、色々、工夫しています。
また、名刺そのものも、
名刺フォルダーにタグを付けて整理したり、
最近貰ったばかりの名刺を入れて、当面、利用する名刺入れと、
すぐには使わない、溜まった名刺を保管しておく名刺フォルダーとに分けて利用したりしているビジネスマンも珍しくは有りません。
この場合、データベースのデータは、名刺そのものです。
また、名刺フォルダーがデータベース(データを溜めておく場所)という事になります。
名刺入れは、未だ、データベースに入力する前に、一時的にデータを保管しておく、一時的ファイル(Temporary file)とも言えます。
では、ビジネスマンは、この名刺フォルダーをどのように活用しているのでしょうか?
例えば、年賀状や暑中見舞いなどの挨拶状が有ります。
年に数回、挨拶状を交換しておけば、普段、毎日、会って話をする事が無くても、良い関係がずっと維持できます。
社会人の知恵です。
挨拶状を送付するには、宛先の住所が必要です。
名刺フォルダーから住所録が作成されていれば便利です。
しかし、毎回、住所録からハガキに宛先を手で書き写していたのでは不便です。
特に、ビジネスマン歴も長くなれば、その間に溜まった名刺の枚数は、ビックリするほど膨大な枚数になります。
宛先を書き写すだけの為に、貴重なビジネス時間がムダになります。
こんな時こそ、パソコンソフトが有れば便利です。
そんなニーズに応えて、ブームになったのが宛名書きソフトです。
しかし、ビジネス現場では、挨拶状さえ出せれば全てOKと言う訳では有りません。
自分が担当している仕事、例えば、自社製品の販売促進などに活用できなければ意味が有りません。
その為には、その時、その場で、それに最も相応しい相手先を、名刺フォルダーから、瞬時に選び出す事が出来なければなりません。
しかも、製品が変われば、選び出す条件も変わります。
しかし、同じ製品なら、毎年、繰り返して使うかもしれませんし、
製品が改良されて、売り先が広がる可能性も有ります。
そんな時に、毎回、宛名書きソフトにデータを入れ直していたのでは、全く不便です。
また、住所や会社名、担当部署、役職名、氏名、電話番号等と言った基本情報以外に、
取引内容や取引実績、取引額などが一緒に記録できれば、大いに活用できるでしょうし、
相手の趣味や嗜好品、ゴルフ歴、交遊範囲など個人情報なども記録しておけると更に便利です。
特に、誰と誰が交遊関係が有るとか、取引関係が有るとか、
或いは、どの会社とどの会社が取引関係に有るとか、
データとデータの関連付けが出来れば、活用のチャンスが大いに広がります。
それに、貰った名刺は、一々並べ直さずに、適当に、貰った順にデータ入力しても、
ソフトの中で、並べ直したり、分類したりしてくれれば、とても便利です。
また、ビジネス現場で、こんなデータの使い方がしたいのは、なにも名刺だけでは有りません。
自社製品のデータや、種々の社内文書、等など、種々有ります。
しかし、こうなると、もう宛名書きソフトで出来る範囲を超えています。
いつでも、
データが発生した順に入力しておくだけで、
何度でも、
その時、その場で、それに最も相応しいように、
瞬時に、
データを並べ直したり、
データを選び出したり、
して、
画面に表示したり、
プリンタから印刷したり、
分析グラフを作ったり、
出来る、データベース用のソフトが有れば、最高に便利です。
実際には、上記の赤字で書いた機能を持つソフトの事を、データベース・ソフトと呼んでいます。
データベース・ソフトは、また、単に、データベースと呼ぶ事も有ります。
専門的に詳しくいうと、
データベース・マネージメント・システムソフトウエア(Data Base Management System Software)といいます。
更に、データとデータの関連付け(Relationship)が出来るデータベースソフトの事を、
リレーショナル・データベース(Relational Data Base)といいます。
このようなビジネスニーズに応えて、MicroSoft社が発売したパソコンソフトが、Access(アクセス)です。
もちろん、Accessは、リレーショナル・データベースです。
Accessは、現在、ビジネス用に最も良く普及しているソフトの1つです。
Accessは、単体でも購入できますが、Office Professionalの中にも入っています。
【注意】Office Personalには入っていません。
また、MicroSoft社は、Accessの利用能力を認定するための検定試験も広く実施し、世界中の一流企業で高い評価を受けています。
MOS(Microsoft Office Specialist)検定には、Word、Excel、PowerPointと一緒にAccessも、その1科目に加えられています。
現在、世界中の一般企業で、入社の採用にMOS検定に合格している事を条件にするのが普通になってきています。
Accessをパソコンにインストールすると、
デスクトップにAccessをクイック起動するショートカット・アイコンが出来上がります。
このショートカット・アイコンをダブル・クリックすると、Accessが起動します。
Accessで作成したデータベースは、Accessデータベース・ファイルとして、名前を付けて保存する事が出来ます。
Accessでは、
テーブルやフォーム、クエリ、レポート、リレーションシップなど、Accessのデータベースを構成する、
これらの機能別ファイルの事を、オブジェクト(Object)といいます。