第35回いわき情報技術研究会
研究会を下記にて開催いたします。
ふるってご参加ください。
(参加費無料・事前連絡無用・服装自由・駐車場あり。)
日時:10月18日(土)13:30-16:00
場所:いわき明星大学 地域交流館3階 プレゼンテーション室
<<プログラム>>
1.講演
2.技術動向
3.その他
1.講演
「データセンター開設について」
講師:
バックス情報システム株式会社
システム開発本部第二開発部部長 兼 ネットワークサービスセンター長
佐藤 哲也 氏
概要:
弊社は、福島県のソフトウェア産業の復興及び
雇用創出への取り組みとして、取引企業や
パートナー企業との連携強化を図るため
「データセンター」を新設しました。
このデータセンター開設までの経緯や、事業展望に
ついてご説明致します。
=== 活動報告 ===
■会社プロフィール
►バックス情報システム株式会社
設立:1997年(平成9年) 10月
所在地:いわき市小名浜大原字丁新地211-1
►事業内容
・ITコンサルティング
・ビジネスアプリケーションシステム設計/開発
・機器制御システムソフトウェア設計/開発
・パッケージプロダクト設計/開発/販売
・ASPサービス提供/運営
・クラウドサービス提供/運営
・ネットワークシステム構築/保守
・ネットワークセキュリティ構築/保守
・Webサイトデザイン構築
・コンピュータ/周辺機器販売
・IT支援サービス
・組込み応用技術開発
・ニアショア開発
・ホスティング
・データセンター運営
上記の様に多種多様な事業を展開されておりますが、
今回は
「データセンター開設に至った経緯」
に関して講演して頂きました。
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■会社沿革:History
1997年(平成9年) 10月 設立(有限会社バックス)
2002年(平成14年) 9月 一般第二種電気通信事業者届出
(届出番号:I-14-475)
ホスティング事業を開始
2007年(平成19年) 3月 株式会社バックスへ商号変更
2008年(平成20年) 10月 ASPサービス事業を開始(連絡王等)
2012年(平成24年) 6月 組込み応用技術開発事業を開始
2012年(平成24年) 9月 一般労働者派遣事業許可
(認可番号:般07-300215)
2013年(平成25年) 4月 新社屋竣工に伴い現所在地へ移転
バックス情報システム株式会社へ商号変更
プライバシーマーク取得
(登録番号:第23820093)
2013年(平成25年) 7月 データセンター事業の新設に伴い
「ふくしま産業復興企業立地補助金」を
申請し採択を受ける
2013年(平成25年) 9月 ニアショア事業を開始
2014年(平成26年) 8月 データセンター棟竣工(本社社屋に隣接)
2014年(平成26年) 10月 データセンターサービス開始予定
佐藤 氏は紆余曲折を経て、会社の初期メンバーの
一人としてご活躍されてきたらしいです。
また、データセンターサービス開始予定と
しているのは、始まったばかりのため、
予定としているとの事です。
筆者:まさに人に歴史ありと思い、自分を振り返るが浅い歴史に落ち込む
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■データセンター開設への道のりⅠ
►2011/3/11 東日本大震災
=>社内設備破損、津波被害
►4月の余震では…
=>停電&光回線断
►近隣の弊社顧客でも…
=>ICT設備破損やデータ喪失等
=>計画停電ではデータ保全に苦心
以前からデータセンターの話はあったが、
大きなきっかけとなったのは震災との事です。
そして、感じたことが、
「社員が安心して仕事ができ、お客様へ継続的に
ICTサービスをできる環境作りを!!」
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■データセンター開設への道のりⅡ
いわき市ハザードマップを参考に、安全性の高い現在地へ移転
福島県のソフトウェア産業の復興及び雇用創出への
取り組みとして、取引企業やパートナー企業との
連携強化を図るためデータセンター新設を計画
平成25年度「ふくしま産業復興企業立地補助金(第3次)」申請
=>採択
===>データセンター開設へ
震災からの復興を考え、上記の過程を経て
データセンター開設ができたそうです。
計画途中では職人不足、資材不足等、様々な問題が
発生しながらも何とか開設までくる事ができたとの事です。
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■弊社データセンターについてⅠ
インターネット向けの大規模データセンターや
科学計算を行うような特殊なデータセンター等ありますが、
弊社ではパートナー企業や取引先企業との
「クローズドVPN」
を用いたデータセンターを使用しています。
※VPN…Virtual Private Network
仮想的なプライベートネットワーク接続のこと。
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■弊社データセンターについてⅡ
►震度6以上対応、免震床
►無停電装置に加え、自家発電装置
=>Specは15kVA、電気の供給が切れても5分以内に発電し、
軽油と灯油の両方が使用でき、給油し続ければ使用が可能
►非接触ICカード入室セキュリティシステム
►水を使わない、ハロゲン化物消火設備
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■データセンター事業の展望
►サービス内容について
地域の中小企業を中心に、システム企画から構築・
運用管理まで、さらにオンサイトサポートを含む
サービスを福島県いわき市で創業し17年の信頼と
実績をベースに提供する。
►具体的なサービス
・データバックアップサービス
・システム運用サービス等お客様に合わせたサービス
・EtcEtc…[まだまだこれからです!!]
データサービスの運用は始まったばかりなので、
まずは小さいところから少しづつ実績を積んで、
色んな分野に広めていきたいと考えているそうです。
筆者:やはり何事も「小さな事からコツコツと」の精神なんだなと西川きよし師匠の言葉を思い出す。
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■データセンターにまつわる?キーワード
►電力と冷却
=>データセンターを運用するにあったての課題となる問題。
►コンテナ型データセンター
=>データセンターの機能をコンテナに集約して
小規模なものを何個も常設するような形。
これから挑戦したい(手を出そうと考えている)項目
►SDN/OpenFlow
=>Software-Defined Network
柔軟に変更が可能なネットワークがキーワードに
なるのではと考えている。
►OpenStack
►Docker
=>コンテナ管理ソフトウェア
講師の方が触れてみたい、サービスの中に
取り組めていければと考えている。
►IoT
=>Internet Of Things
IoTに関しては第34回研究会の活動でも
報告しておりますので、そちらもご覧下さい。
筆者:説明して頂いた内容を、再度、調べるも調べることに夢中になり記事作成が進まず挫折
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上記内容に関して講演をして頂きました。
開設に至った経緯、そしてこれからの進むべき道を
語る佐藤 氏の目には熱い火が灯っていた事を
筆者は忘れません。
2.技術動向
「HTML5でWebアプリケーションが変わる」
講師:
株式会社東日本技術研究所
村井 龍也 氏
概要:
新しいWebアプリケーションプラットフォームとなる
HTML5の正式勧告が、今年に予定されています。
Webアプリケーションは、HTML5で何ができ、
どうかわるのか、利用できる周辺ツールは
何があるのかを紹介します。
=== 活動報告 ===
■自己紹介
村井 龍也
株式会社 東日本技術研究所勤務
C/C++、Perl以外なら開発OKな何でも屋っぽい、
最近はRedmine開発業務のため、Rubyが中心、
経験年数で言えば、Java野郎。
実は、コーディングが大嫌い。
趣味:
ガンプラ作り。
しょっちゅう、息子が参戦。
最近は、娘も参戦する事あり。
=>という、村井 氏。
しかし、村井 氏の事を師匠と仰ぐ後輩の方がきていたので、
技術的には相当なものをお持ちなのだと予想。
嫌いだけど隠れた所でコーディングは大好きみたいな
ツンデレな方なのでしょうか。
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■WHAT IS HTML5?
今までのHTMLのVer.4まではW3Cという標準化団体が
作成していた。
今回のVer.5に関しては各種ブラウザーのベンターさんが
集まって標準の基礎を築き上げたものが、W3Cの
専門委員会に了承されたHTMLであり、久しぶりの
「HTML仕様 Major VersionUP」
で
「2014年正式勧告予定」
との事。
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■“リッチWebアプリケーション”
HTML5が行える事は何なのかと考えたときに、
村井 氏は
「“リッチWebアプリケーション”プラットフォーム」
としてリリースされると考えている。
そして、リッチとは何か?と考えると、
=>動きがあるHPがあると思うが、そんなInterfaceを持つ
Webアプリケーションが作れると考えている。
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■HTML5で何が変わったの?
1.構文(タグ)の意味がより具体的に
2.フォーム周りの機能が充実
3.プラグイン無しでマルチメディアを利用可
4.デバイス情報が利用できる
5.より強化されたAPIが利用できる
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1.構文(タグ)の意味がより具体的に
=>HTMLになるとそれぞれのタグの意味がしっかりと
具体的に表現できる。
プログラムが参照しやすくなる。
=>「アクセスしたい要素を容易に特定できる」
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2.フォーム周りの機能が充実
=>テキスト理念、テキストフィールド。
ユーザーが入力するような箇所がすごく充実。
=>「使用頻度の高いフォーム機能をネイティブで
サポート」
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3.プラグイン無しでマルチメディアを利用可
=>大きく変わった部分。
AdobeのFlashやMicrosoftのSilverlight、
ORACLEのJavaFXと呼ばれるものを使用しなくても
動きのある見栄えの良いWebアプリケーションが作れる。
=>「ネイティブにマルチメディア・グラフィックが
利用可」
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4.デバイス情報が利用できる
=>スマートフォンといった端末から色んな情報を取得して
利用することができる。
=>「スマートフォン・タブレットに最適化できる」
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5.より強化されたAPIが利用できる
=>元々持っているWebブラウザのAPIが増えて、
より高度な事が出来る。
=>「従来の問題・制約からの解放」
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■HTML系は結構大変
.html .js .css .png
=>作成するファイル、コード量が多い
最近の傾向としては.js(JavaScript)が肥大化する。
村井 氏が最近見た.jsでは10000行といったコードが存在したとの事。
では、どうするか?
=>便利な道具を使うべき!
筆者:ここで「いつやるの?」=>「いまでしょ!」を思い出す。
ならば、どんな道具があるの?
=>道具の紹介(HTML5関連ツール)
筆者:ここで「ムラエモ~ン」と叫びたくなる。疲れてるのかな・・・
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■HTML5関連ツール
・Aptana Studio
►Webオーサリングツール(統合環境)
・ASass/less/Compass
►スタイルシート用Script言語
=>CSSが持つ面倒くさい課題を解決
コンパイルを行い、CSSファイルに変換してから
利用する。
・CoffeScript
►JavaScriptのラッパー言語
=>可読性の向上。継承や変数スコープなどを
より判り易く記述できる。
・jQuery
►言わずと知れたJavaScriptライブラリ
=>ブラウザ差異を吸収した、各種便利関数を提供。
リッチUIのライブラリも提供。
・Data-Driven Document
►ビジュアラリゼーションライブラリ
=>SVG等を活用して、グラフ描画などのデータを
可視化する関数を提供。
・Grunt
►タスクランナー
=>フロントエンドの開発は、変換等の作業が沢山あり、
これらの実行手順を定義して、コマンドで簡単に、
かつ繰り返し実行する為のツール。
・Bower
►パッケージマネージャー
=>昨今のフロントエンド開発は、多種多様の
JavaScriptライブラリ、CSSを利用する。
依存関係を解決するのが「えらく面倒!!」
これらの依存関係の定義を作成して、効率良く
ライブラリを利用することが可能。
・Selenium
►Webフロントエンドテストツール
=>WebアプリケーションのGUIテストの決定版
のようなツール。
これらHTML5関連ツールは、
「ツール購入費¥0」
しかし、OpenSource活用なので問題が発生した場合には
自分で解決する必要があります。
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■まとめ
HTML5は色々な事が出来るようになりました。
ただ、ブラウザサイドのコーディングやプログラミングの
スキルが凄く高くなってきました。
つまり、
「クライアントサイドに求められるスキルは
非常に高くなった」
とは言っても、
ページがちゃかちゃかするような
“ダサい”
Webアプリケーションは減ると思います。
そして、HTMLは極めると
“SPA”
ができます。
※SPA:Single-page Application
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上記内容について説明して頂きました。
筆者自身もHTMLに関して学習していく必要があり、
まだまだ学んでいく事が多いと実感しました。
筆者:技術スキルも高く、後輩の方にも慕われている村井 氏、心の中ではムラエモ~ンと呼ばせて頂きたいと思います。
3.その他
「新事務局員からの提案~参加者がより愉しむ研究会へ~」
講師:
株式会社東日本計算センター
中野 修三 氏
概要:
月次の研究会を、参加する皆さんでより愉しめる
ものにしたいと考えました。
研究会の運営に提案したいことがありますので、
皆さんの意見を聞かせてください。
=== 活動報告 ===
■研究会運営に関してⅠ
●月例研究会の開催場所
・いわき明星
=>いわき明星大学と高山先生のご協力により無料
・ラトブ
=>会議室1 最大110名 4,880円、IT研修室 最大33名 4,100円
►いわき明星大学とラトブの交互開催とする
●懇親会の開催
►月例研究会の後には、原則として懇親会を開催する
=>会員同士が、より親しい関係になるためのきっかけ
=>研究会の場だけでは、縁が作りにくい会員同士の交流の場
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■研究会運営に関してⅡ
●勉強会については一時保留
(リーダー不在となる等の理由により)
・HP/SNS勉強会
・ロボット勉強会(「ロボット教室」の開催)
・iBeacon勉強会
・ビットコイン勉強会
・地域SNS勉強会
●会員相互交流の場としてのSNS活用
・会員が現在使用しているSNSの調査をしたい
►それぞれ現在使用しているSNSを尊重して、活用していく
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■月例研究会に取り入れたいものⅠ
◆月例研究会の雰囲気作り◆
会員同士の交流が図られ、研究会/イベントをみんなで
愉しむスタイルに変えたい
現在は、参加者がお客様のように聞くだけになっている事が
多いと感じている
今後は、あるテーマについて、みんなが一緒に考えたり、
議論する場にしたい
=>今回の研究会での休憩中の様子
佐藤 氏や村井 氏が談笑している様子が見えます
筆者:雰囲気としては、この様な感じが理想なのではと考える
●自己紹介
・近況を織り交ぜて、簡単に自己紹介をする。1分/人程度
●おやつタイム
・講演の後に
✓継続するには、お互いに都度分担やスポンサーの
確保など、工夫が必要
=>お菓子を配る高山先生
今回は高山先生から東京土産のお菓子を…と思ったら、
日持ちするものが無いとの事でいわきで購入したとの事。
何というトラップ!!
筆者:「トリック・オア・トリート?」を頭の中で繰り返す
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■月例研究会に取り入れたいものⅡ
●アンケート
・月例研究会開催ごとにアンケートを取り、
その回の評価・課題の吸い上げ、次回に
向けた改善に生かす
「今後、LT(Lightning Talk)も考えたい」
=>エフサミで高山先生が見てきた怒涛のプレゼンが、
いわき情報技術研究会でも!?
筆者:見よ!これが、いわき情報技術研究会だ!となる事を願う
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■月例研究会以外のイベント/講座の開催
●ICT技術者養成体験学習
・Processing(プログラミング入門)
・Android入門
・FileMaker入門
►産産・産学連携共同研究活動奨励事業の補助金を
利用して開催する
=>申し込み受付中、気になった方はリンク先をポチっとな
●ハンズオン形式のイベント
・アイデアソン
・ハッカソン
✓ハンズオン形式:
体験型の学習方法の一つ。
実際に手で触れるなどの体験を通じて、よりよい理解を
深める事を目的とする。
✓アイデアソン:
特定のテーマについてグループ単位でアイデアを出し合い、
それをまとめていく形式のイベント
✓ハッカソン:
一定期間集中的にプログラムの開発やサービスの考案などの
共同作業を行い、その技能やアイデアを競う催し
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■最後に
第34回月例研究会 高山先生のコメント
「我々NPO会員および若い人の力をもいれて、
元気な組織にしていく必要がある!」
会員皆さんの力で、いわき情報技術研究会を
元気な研究会にしましょう!
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この後、早速、参加者のみなさんで自己紹介を行いました。
突然の事でしたが、みなさん快く自己紹介をして頂きました。
それを見て、嬉しそうな中野 氏
研究会を元気に活発にしていきたいと語った中野 氏。
筆者は某テニスプレイヤーばりの熱き思いが中野 氏の
心中にある事を感じ取ることができました。