088 新川(平戸川)筋下総下位面の縦断形

花見川流域の小崖地形 その88(5mメッシュDEM図を読む 27)

2013.12.29記事「印旛沼筋下総下位面の横断形の考察 八千代市米本付近」の関連記事です。

新川(平戸川)筋の縦断図を作成し、考察しました。

1 縦断図(断面図18)の位置

縦断図線を地形段彩図に示しました。

縦断図(断面図18)の位置

2 縦断図(断面図18)とその考察

●下総上位面のオ面が標高において、下総下位面のウ面とカ面に挟まれて存在することはありえないことです。オ面は下総下位面に属することがこの断面から判明します。

(当面、形式的な扱いは下総上位面オ面としておきます。)

●神崎川(印旛沼筋)から新川(平戸川)上流方向(南方向)に向かってウ2面、ウ1面、オ面、カ面と標高を徐々に増して地形面が分布します。しかしカ面の上流のキ面の高度は低くなります。

そして、キ面はこの断面図では上下2面に分かれるように観察されます。それをキ1面、キ2面とすると、その標高はほぼウ1面、ウ2面と一致します。

現在の予想では、ウ2面→ウ1面→オ面→カ面の順に古い時代に遡ると考えておきます。

同じ下総下位面といっても時代が少しづつ異なる地形面が含まれていると考えているからです。

キ面はカ面の上流に位置するにも関わらず、カ面より新しいものであると考えます。

キ面が位置する場所は下総上位面の時代に向斜軸(想定)が存在して、勝田高津レーキが形成された場所(変位軸合流河川が存在した場所)ですから、下総下位面の時代には周辺より標高が低い場所であったと考えます。

そのために、河川の上流部に位置するにも関わらず低い標高の地形面が形成されたものと考えます。

キ1面、キ2面がウ1面、ウ2面に連続する(対比される)ものかどうかはこの断面だけからではなんとも言えませんが、その可能性は否定できないと考えています。

というのは、きわめて大胆な思考ですが、ウ1面、ウ2面が湖沼起因の地形面と考えているからです。

新川(平戸川)→神崎川→手賀沼という流れ(この流れを古平戸川と仮称することにします)が現在の印旛沼水系の流れに真逆に変化する途中経過として、地殻変動によって古平戸川がア面でダムアップされて湖沼が出来たのではないかと想像しています。

もしウ1面、ウ2面が湖沼起因の地形面なら(湖岸段丘)、場所が離れていても、同じ湖面標高に対応する地形面が各所に分布するはずです。

現在の新川(平戸川)、神崎川付近が一時湖沼化して、その時代の前後で川の流れが真逆に変化したという河川争奪仮説(鹿島川が湖沼化した古平戸川を奪う)を構想中ですので、それは改めて記事にします。

縦断図(断面図18)とその考察

関連地形面の分布

基図は地形段彩図

関連地形面の分布

基図は標準地図

標準地図は電子国土ポータルによる

3 参考 検討図のGoogle earth表示

検討図のGoogle earth表示

検討図のGoogle earth表示

検討図は半透明

検討図付近のGoogle earth表示