023 花島小崖(断層崖)の分布と比高 その2
断面線の設定図
小崖の地形断面図(10~18)
地形断面図から計測した花島小崖に関する数値
結果は比高が0.6m~2.5mとなり、平均は1.7mでした。
断面線1~9の小崖比高は1.9mでしたから0.2m分だけ低いことになりますが、小崖の形状に大差はありません。
次に、小崖地形の縦断形状を検討してみます。
2 花島小崖の縦断投影図
次の図に示すように、横断面毎の小崖頂部と底部の標高を結んで縦断方向のグラフにして、平面図と対応させてみました。
花島小崖の頂部と底部標高の縦断グラフ
このグラフを見ると中央部が凹んでいます。
この凹みは市街地化に伴う掘削や盛土の影響ではなく、小崖(断層)が発生する前の地形面の姿を表現しているものと考えます。
つまり浅い皿型ですが、一種の侵蝕谷地形です。
平面図に印旛沼水系谷津を書き込みましたが、この印旛沼水系谷津網によってその本流(ローカルな意味での本流)付近では谷が深く、本流から離れた支流でいは谷が浅いという関係が、この縦断グラフに表現されているものと考えます。
この情報は、下総上位面が離水した直後の地形形成のあり方をしめしている貴重な情報であると考えます。
この付近では断面13付近を通る印旛沼水系谷津が本流だったようです。
なお、グラフに示す凹みと印旛沼水系網の本-支流が対応するから、この凹みは侵蝕地形であると言いましたが、その水系網と、そもそもその凹みが地殻変動で出来てその凹みにできる水系網は、ほとんど同じだと考えられます。
従って、現象的にはこの凹みは浸食地形であると言えますが、その浸食地形を引き起こした元となる地殻変動があるのか、ないのか、それは今のところ分かりません。
もっと情報を集めてから検討することにします。
また、このグラフから現在の花見川河道付近の下総上位面は、離水直後は、印旛沼水系谷津の侵蝕があまり進んでいなかったように見えます。
この情報と、花見川河川争奪(河道逆行争奪)との関係がどのようになるのか、もっと沢山の情報の中で検討したいと思います。
つづく