kenpou ans 1-5

⑤現行憲法は戦後すぐにできたもので、現在は世界情勢も変わっているから通用しないというが、どこが問題なのでしょうか。

巷で改憲理由の一番に挙げられるのが憲法9条です。中国や韓国が日本の領域を侵犯している、あるいは北朝鮮がミサイル発射を繰り返すというふうに、日本の周辺諸国が不穏な動きをしています。そのため、「交戦権の否認と戦力の不保持」をうたった9条2項を変えることによって解決したいというのが政権の意図です。いつでも戦争の用意をしておきたいというのが本音でしょう。 憲法9条

こうした外交問題は高度な外交交渉によって解決するべきもので、軍事力を解決の手段とすべきではありません。とくに国際協調を守ろうとしない国は、なるべく多くの国で結束して協調を強く促すしかありません。ここで国民の恐怖心を煽って軍隊保持を容認するような憲法改正を行なえば、敵対モードへの舵きりに見えますから、かえって相手国を刺激し、解決が遠のきます。これまで軍事力で解決された紛争があったでしょうか。世界情勢も変わったので憲法も時代に合わせて変えようという大ざっぱな議論は実益がなく危険です。

原発と国民が負うリスク、沖縄基地問題、産業界の利益と国民の生存権とのバランス、などなど、現行憲法下で先に議論すべき事柄が山積しているのに、国民の意識をその議論から逸らすことになるからです。

→第2章2.2.「軍隊について」の各項目を参照してください

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