kenpou ans 1-10

⑩アベノミクスによって経済が好転したという見方があります。この政権の経済政策と改憲案とは別問題だと思いますが、関係があるのでしょうか。

アベノミクスによって本当に経済が好転したのでしょうか。世界で一番企業が活躍できる国にしたいという現政権のスローガンは、本当の豊かさや人間の幸福を実現しようという考えではありません。

自民党の「日本国憲法改正草案」(改憲草案)では、精神的自由を現行憲法以上に厳しく制限して、経済的自由については現行憲法以上にゆるやかに認めようとしています。改憲草案の前文には、「我々は、自由と規律を重んじ、美しい国土と自然環境を守りつつ、教育や科学技術を振興し、活力ある経済活動を通じて国を成長させる」という一文があります。国家の役割を最小にし、経済競争の自由だけを最大限に認める、新自由主義的な経済成長原理主義を国是にしようとしています。

現政権は、生存競争で疲れてぼろぼろになった国民に、「日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、…和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する」(同上前文の一節)という幻想を振りまいています。

企業だけを豊かにし、国民一人一人の生活保障には知らん顔という、現政権の経済政策と改憲案は、一つに結びついているのです。

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