kenpou ans 22403

③現行憲法について,漫画のp.28では「公共に反してなきゃ個人の幸福を追求するためなら何でもやっていいってこと?」、p.31では 「日本じゃ国の安全に反してもワガママOKってこと!?」と書いていますが、本当ですか。

嘘です。2つの意見を見てみましょう。

「国の安全を脅かすこと」が「公共に反するであろうこと」は容易に想像できます。したがって、「国の安全に反してもワガママOK」という解釈はメチャクチャな論理であることがわかります。実は同じ漫画のp.26からp.27 にかけ、,憲法第3章「国民の権利及び義務」の説明が書いてあり,第12条が引用されています。そこには「濫用してはならない」や「公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ」という規定がありますから、この漫画の言うように「今の日本の憲法は個人主義的といえる」とは思えません。現行憲法のどこが「個人主義的」なのでしょうか。

ところで、「今の憲法は基本的人権が保障されているため個人主義的である。だから改憲したほうがいい」と考えている政党や人たちがいるとしたら、そのような人たちが望ましいと思っている憲法はどのような理念に拠って立つものになるでしょうか。答えは簡単です。反対のことを考えればよいのです。「基本的人権の保障を制限し、全体主義的・国家主義的な側面を強めた憲法」です。このように、何を根拠にして批判しているかを手掛かりにすれば、何を目指しているかが見えてきます。

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