kenpou ans 22402

②漫画(p.12)に、今の憲法では「プライバシーもストーカーも環境問題も」考えることができないと書いてありますが、本当ですか。

本当ではありません。

「プライバシーもストーカーも環境問題も」現行憲法のままで、個別の法律で対応することができます。確かに現行憲法ができた時には、「プライバシーもストーカーも環境問題も」そのような概念が希薄で社会問題化していなかったかもしれません。しかし、「そのような時代に作られたから今の時代の個別の問題に対応できない」ということにはなりません。これらの問題は憲法が定める基本的人権に含まれると考えられます。そして、憲法は何から何まで逐一細かく規定するというより、拠って立つべきもの、守るべき基本的な理念や権利などを記すものです。

したがって。憲法に違反しない個別の法令でもってまったく問題なく対処が可能です。プライバシーやストーカーや環境問題のために改憲する必要はありません。これらの例に限らず、「古い時代の憲法だから時代遅れである」とか「今の時代の社会問題をカバーできない」というような言説に惑わされず、その社会問題が現行憲法でどのように位置付けることができるのか検討してみれば、改憲の必要などないことがわかるでしょう。

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