kenpou ans 22303

③統計によれば、「日本人には他国に比べ自国に対する誇りが少ない」そうです。これは自虐史観に基づいた戦後教育のせいではありませんか。

海外との交流が盛んになった今、日本の高い技術や清潔な環境、協調を大切にする温和な性格、そして何よりも治安の良さが再認識されてきています。日本人にとってはそれが当たり前になっているため、あまり日本という国を意識することがなかったのでしょう。常に周辺国の間に軍事・政治面からの争いを強いられる他国の国民意識とは次元が異なると思われます。

ただ、自国に対する誇りとは、自国のみ優れていると自己陶酔して、過去の歴史的事実の正確な認識を怠るところからは、生まれません。他国に対して公平な態度をとり、日本のあり方を客観的かつ冷静に考察する国民的反省力を養って、近隣諸国民との和解と協力を進めていくことが必要です。

特に北東アジアにおける歴史的主張は相互依存的な関係にあるので、論争が激化する場合と対話の過程が始まる場合があります。話し手と聞き手が特定の論点を共通の地域的な関心事として組み立てる共通の論議において、お互いを正当な参加者として認めるときに、地域的な公共圏が出現します。トランスナショナルな空間において、お互いを正当な参加者として認める対話と相互理解を進めていくことが大切です。

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