kenpou ans 22201

① 解釈を変更して成立させた安保法は、外国からの攻撃を受けたときの解決にどうしても必要な制度なので、憲法上認められるはずではないでしょうか。もしも現行憲法で認められないならば、憲法改正をしてでも認める必要があるのではないでしょうか。

2014年7月以前の政府の見解は、日本が他国から急迫不正の攻撃を受けた場合だけは「自衛権の行使」が認められる、というものでした。これが現在「個別的自衛」と言われているものです。これだけは、外国からの攻撃を受けたときの解決に必要な制度として憲法がぎりぎり許容できると、政府自身が解釈してきました。

したがって、この「どうしても必要な場面」をはみ出す実力行使や武力行使は、憲法違反と言わざるをえないのです。政府は、2015年の国会で、日本が攻撃を受けていなくても外国のために武力行使や軍事的後方支援をすること(集団的自衛権行使)が「どうしても必要」な事態がある、との事例説明を行いましたが、その説明はすべて失敗していると言わざるを得ません。そうであれば、このような集団的自衛権行使は、必要性のわからない軍事力の行使ですから、憲法違反です。その行使を容認し明文で制度化した各種の法規も、憲法違反です。

では、憲法改正によってこのような武力行使や軍事的後方支援を正面から認める道は、どうでしょうか、国家に上のような限定を超える軍事力行使の権限を与えることは、目的の不明な軍事力の行使を正当化することにつながり、外国から広範な軍事活動の要請を受けたときに断れなくなる可能性を高めます。厳格な歯止めの根拠となる9条を維持することの意義を、主権者が理解して判断する必要があります。

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