kenpou ans 22104

④最近、世界的にみるとISなどの武装集団の脅威が増大しています。現行憲法ではそれらの国を抑え込もうという国際社会の合意に沿う協力ができないのではないでしょうか。

国際社会では武力紛争が絶えずどこかで起きています。これを解決するための非軍事的な協力の仕方はたくさんあります。現在、この協力の多くは政府よりもNGO団体が担っています。軍事攻撃で立ち向かうことは、事態をエスカレートさせ、本来必要な対処(避難民の支援や受け入れ、外交努力、NGOの活動)をかえって困難にします。

日本国憲法9条1項は、紛争を解決するための手段としては戦争を永久に放棄すると言っています。日本自身が攻撃を受けた時の自衛についてどのような対処が許されるかは別に議論をしなければなりませんが、少なくとも世界の紛争の問題については、武力行使や実質的な武力行使(武力行使との一体化)によって解決しようとすることは憲法9条違反になります。第二次イラク戦争の自衛隊派遣はこの意味で憲法違反の部分を含むものでした。

2015年の安保法制では、弾薬提供を含む後方支援や、武器使用を前提とした治安維持活動や武器庫防護、駆け付け警護など、武力行使との一体化を必然的に招く行動が含まれています。日本政府はこのことを国際社会に十分に説明して理解を求め、上に見たような別の協力の仕方について協議していくべきです。

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