kenpou ans 22103

③最近、日本を取り囲む国々(中国、韓国、北朝鮮など)の軍事的な動きに不安を感じます。現行憲法ではそれらの国が軍事行動を起こしてきたときに立ち向かえないのではないでしょうか。

「立ち向かう」というときの内容が問題です。万が一の有事のときにも、相手国を攻撃して勝利することではなく(これを憲法9条は否定しています)、被害を防ぎ、避難ルートを確保し、紛争の原因を解決することを優先させなければなりません。そのための課題はたくさんあります。まずは第三国の協力も得て、国際社会の目のあるところで、交渉・説得を尽くすことです。軍事攻撃の応酬で立ち向かうことは、事態をエスカレートさせ、本来必要な対処をかえって困難にします。

近隣諸国が軍事実験や演習、基地建設などを行っていることに不安・脅威を感じるとしたら、日本も海上や沖縄・北海道などで日米合同演習を行ってきたことを考えてみましょう。1962年のキューバ危機のさいには沖縄に核弾頭を運び込んでいたことも現在では明らかになっています。これは近隣諸国に不安・脅威を与えてきたことでしょう。このように、軍備・軍事力というものは、自国は「問題なし」、他国は「脅威」に見えるものなので、均衡を保つことは難しく、常に軍拡競争の方向へ向かってしまいます。「立ち向かう」ことより、その発想によって周辺国を刺激し軍拡競争を自ら招くことの危険性を考えるべきです。

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