著者 松原 洋一
4.3 5つ星のうち 1 カスタマーレビュー
ダウンロード小児代謝疾患マニュアルEbook ePub - 内容(「MARC」データベースより) 小児の代謝性疾患の診断と迅速な治療を行うための手助けとなる、実用的でコンパクトな手引書。実際に患者を目の前にした時にどう診断、検査、治療を進めていけばよいのかを明快に記述する。
以下は、小児代謝疾患マニュアルで最も役立つレビューの一部です。この本を買うか読むかを決める前に、これを検討する必要があるかもしれません。 先天性の代謝異常症は、きわめて多くの疾患がある一方で、一つ一つの疾患頻度がきわめて稀である。頻度が2万人に1人ならかなり多い方で、ほとんどは数十万人に1人程度のものである。このような疾患の場合、優れた小児科医であっても、実際に症例を診るのが生涯にあっても一度きりということがざらである。そのため、一般的には、初発時の臨床所見と診察のみにより、疾患名を絞り込むのは、優れた医師であっても大変困難である。先天性の代謝異常疾患に対処する最も優れた方法は「新生児マススクリーニング(先天代謝異常検査)」である。これは生後まもない新生児から採取された血液を用いて、代謝産物やホルモンを測定する検査で、日本でも1977年から6つの疾患を対象に検査が実施されている。これによって、およそ3,000人に1人の割合で患児が見出され、早期治療により障害の発生を回避することに成功しており、地味ながらきわめて重要な母子保健事業となっている。しかし、欧米を中心とした諸外国では高性能分析器「タンデムマス」の導入により、対象疾患を20〜50にまで拡充している国もあり、これらの国と比較した場合、いまだ対象疾患数が6である日本の状況は、先進国のそれとは言い切れない状況でもある。かようなわけで、日本においてはまだ多くの代謝異常疾患が「発症後の所見」により何とか診断に結びつけるという医療現場に頼り切った診断環境になっていることは否定できない。しかし、前述のように一つ一つの疾患頻度は稀であり、アシドーシス、高乳酸、高アンモニアなどがあっても、感染症や肝機能障害など他の疾患との鑑別は難しい。本書の優れた点は、おおよそ可能性のある疾患群に関して、コンパクトかつ網羅的に、症状と、補助診断のための有用な検査項目、検査所見が示されている点にある。特に、有機酸血症、脂肪酸β酸化系の代謝障害については、「タンデムマス」により可能となったアシルカルニチンのプロファイル試験が有力な一次指標になる場合が多い。また合わせてオロト酸を含む尿中有機酸検査を実施できれば、高アンモニアを誘発する尿素サイクル異常症や、一連のケトーシス疾患も化学診断まで持っていくことができる。国内でこれらの検査を実施し、かつある程度の「判断」のできる検査機関は多くはないが、検査さえ実施できれば、本書を参考にし、強く疑われる疾患、除外可能な疾患のリストアップが可能であるだけでなく、結果によっては疑われる疾患を、一つか二つにまで絞り込むことが出来る。稀な代謝異常症においては、臨床所見だけで診断するとはきわめて困難である。しかし、適切な検査を実施し、その結果を読むことができさえすれば、意外と短時間で診断に結びつけることができる。正しい診断が正しい治療への最短最善ルートであることは間違いない。本書は必要最低限な情報のみを最新の科学データを背景にまとめた良書である。 Tags:小児代謝疾患マニュアルPDFダウンロード小児代謝疾患マニュアルPDF小児代謝疾患マニュアルのePub小児代謝疾患マニュアルダウンロード小児代謝疾患マニュアルオーディオブック小児代謝疾患マニュアルダウンロードブック小児代謝疾患マニュアル発売日小児代謝疾患マニュアル試し読み小児代謝疾患マニュアルネタバレ小児代謝疾患マニュアルamazon小児代謝疾患マニュアルdownload小児代謝疾患マニュアルkindle