HOBBY

映画を見ること。観劇すること。映画レポの仕事もやってみたいほど映画は昔から好き。高校の時は、淀川長治さん、小森のおばちゃま、水野晴郎さんのような映画解説者になりたかったくらい。

◼️「15才 学校Ⅳ」山田洋次監督作品。不登校の中学生の視点から、人の生きづらさや生きていくことへのチャレンジを問いかける作品です。よく考えたら絶望的になりそうなことや、でもちょっと何かに気づいたら幸せと噛み締められるような、何か危ういけど、でも勇気を出して歩いていこうと言ったメッセージを受け取りました。

◼️「アナと雪の女王2」今回の作品も、期待通り美しい映像で話の展開は楽しめましたが、「1」の頭の中をリフレインするパンチのある曲が今回はあまり駆け抜けず、音楽の重要性を感じました。

◼️「ターミネーター・ニューフェイト」サラコナーズがカムバック。恐ろしかったT-800が味方になるというのは、意外な展開ですが、ロボットも心通い合う関係になるという視点は、手塚治虫の鉄腕アトムを思い出させます。

◼️永遠の門 ゴッホの見た未来 「君だけが自然を前に思考する」とポール・ゴーギャンに言わしめた天才。未来の人のための画家であることを豪語していた。すごい寂しがり屋である反面、誰をも寄せ付けたくない生き方。その中で、弟とゴーギャンには強烈な愛情を感じている。共同脚本に大ベテランのジャン=クロード・カリエール。撮影監督ブノワ・ドゥローム。ウィレム・デフォーは、ゴッホのイメージそっくり。第75回ヴェネチア国際映画祭男優賞受賞作品。ただ、このカメラワークは、私は苦手、乗り物酔いのようになってしまいました。

◼️マレフィセント2 とにかく生き生きした自然とそこで生きる妖精たちの描写が大好き。みんな平和が良いとどこかで思っているはずなのに、誰かに愛されなかったとか、裏切られたという悲しさが、大きな怒りとなり、もうどうでも良いと言った争いを生んでしまう。一旦、そのような空気になるとなかなか誰にも止められない。心が迷子になった時に、選択する時が大事。こんなに王と王子は誠実なのに、何故この人は?という心理学的な問いで終わりました。

◼️「蜜蜂」と「遠雷」 ピアニスト達の、それぞれのピアノに対する思いや生き方を描いている。蜜蜂というシンボルは、おそらくある一人の天才ピアニストの存在を意味し、遠雷は自然から沸き起こる音の象徴のように思います。あれこれ御託を並べて、自分の生業を決めているわけですが、ただ好きで突き動かされている人を見ると、良くも悪くも自分を振り返るきっかけになり、耳を塞いで聞こうとしていなかった世界の音が聞こえるようになります。全く音楽的才能のない私は、ただただ圧巻の演奏に感銘し、アルゲリッチのピアノ曲をダウンロードしました。

◼️「ワンスアポンアタイム in ハリウッド」ブラピとディカプリオの初共演だとか。懐かしいハリウッドのスター達の華やかな生活とその裏にある苦しみを、独特の展開でエンターテイメントにまとめていました。昔を知る人はいろいろなトリビアで楽しめたと思います。ただ、この二人の初共演とあらば、もっと内面的な深い話にできたのでは、と思いました。

◼️「ライオンキング」ライオンキングは、アニメでも、ミュージカルでも、どんな形でも感動してしまう私ですが、この実写版の映像の凄さは、驚きです。嫌なものや忘れたいことを抑えて、楽しいことばかりに目を向けようとする人生の方略もあると思いますが、過去を振り返らせ、現実に対峙することを説得する人に出会ってしまうと、やはり「やるべきことがあった」と改心することになります。ということは、やはり抑えているだけで思いそのものを変えることは難しいことがわかります。シンバの母親の強さを、もっと前段で見せて欲しかった気がしますが。

◼️「天気の子」前知識なく、飛び込んでみた映画。そのため、「元気の子」というタイトルだと思っておりました。恥ずかしい。なぜか、雨の描写が最初から強く、天気のことばかりストーリーに絡んでくるので、途中で「あっつ、天気の子」、と思ったのでした。この監督の話は、日本の昔から伝わるいわゆる「文化」と現代生活、そして文化をまたぐ人間像が描かれていて面白いです。新しいものに憧れる若者ですが、どこか古い保守的な。スピリチュアルなものを信じている傾向もあり、アンバランスな心の状態がよく描かれています。

◼️「THE GUILTY/ギルティ」 デンマークの映画で、アカデミー賞外国映画賞。音だけから相手の状況を把握し、解決の鍵を探る主人公。これだけ俳優の数が少ない映画は、スピルバーグの「激突」以外は見たことがない。「声」の持つ、声が与える感情の力をまさにこの映画から知ることができる。

◼️「運び屋」クリーントイーストウッドの、好奇心と意欲に賛辞を送りたい。また、自らを晒しながらの演技も素晴らしい。何か間違っていると思いながら、とことん動いてしまうような途上人物を思慮が浅いといってしまえば、それで終わってしまうが、とにかく周りにいるたくさんの人を喜ばせたい、といったサガがわからなくはない。アニバーサリーに囚われ過ぎると一喜一憂するが、そのことで絆を確認する作業を積み重ねたいという気持ちもわかり、ただただ、長い道のりを一人で勝手気ままに運転する時のみが、自分らしく自由を満喫しているように描かれており、興味深い。原作のタイトルは、muleで、動物のラバとか頑固者の意味を持つ。ここでは、年を重ねること、というのもインプリシットな意味を加えていると思う。

◼️「グリーン・ブック」アカデミー賞作品賞に輝いた作品。人は、どうして見かけに影響されてしまうのか、それは、やはり相手をよく知らない場合に起きてしまう。数ヶ月でも、生活をともにすれば互いの苦労や考え方を知り、結局が同じ弱い人間であり、誰もがよりよく生きたいと思っていることに気づく、ということだと思う。しかし、現実は、数ヶ月、いや数十年暮らした上で、決別するということも真実であり、物理的にたくさんの時間を共有すれば良いということでもないと思う。とかく、人は好き嫌いと差別を混同してしまうのが原因かもしれない。全ての人を同じだけ好きになる必要はない。しかし、そのことをもとに、差別する理屈はどこにもなく、好き嫌いとは別に、各自の尊厳にどれだけ注意を払えるかが大事だと思う。

◼️「メリーポピンズリターンズ」アカデミー賞5部門に輝いた1964年公開の名作ディズニー映画「メリー・ポピンズ」の続編。大恐慌時代のロンドン。融資の返済期限切れで家まで失う大ピンチに陥ってしまう。そこへ、メリー・ポピンズが風に乗って舞い降りてくる。主人公メリー・ポピンズをエミリー・ブラント、また、「マメリル・ストリープも登場してくる。大人になると、ファンタジーやユーモアなど、人に与えられた大切な能力が失われてしまい。なんでも現実的に、はなから無理と考えてしまうようになる。どの風船を選ぶかによって、空に上がれるかどうかが決まるシーンは、思わず自分だったらどうだろう、と考えさせる。

◼️「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」 ジョアン・キャスリーン・ローリングの想像力はすごい。マンチェスターからロンドンに戻る列車のなかでハリー・ポッターを着想。ポルトガルで結婚し、娘が生まれたが離婚に至る。女手一つで娘を育てながら執筆を続けるなかでの、「ハリー・ポッターと賢者の石」。大抵、あたためていた話が、映画化されたあとは、次作は難しいものだが、この人の場合は、どんどん童心にかえって冒険心や愛について、様々なシーンが浮かんでくるのでしょう。同時に、慈善信託団体「ボラント・チャリタブル・トラスト」を設立し、多発性硬化症の研究や社会的弱者を支援しているとのこと。こういうクリエイティブでありながら、現実には役立てる人は、憧れの生き方。

◼️「日日是好日」を観ました。魅力的な女性の一人であった樹木希林さんの遺作だからという訳でなく、タイトル、そして樹木さんと黒木さんの女優陣に関心があったからです。この映画の最初のシーンがインパクトがありました。普通の仲の良い家族が、映画を観て帰ってくるところ。10歳の娘が、「フェリーニの道っていう映画が全然わからなかった。ディズニーの方がよかった」というところ。ここで、この家族の人間性、そしてこの映画の語りたいものの伏線があったように思います。「すぐわかるものとすぐわからないものーーー」このセリフを聞けて良かったです。簡単に見えるものほど、本当は会得するのが難しく、理屈で考えようとするけれど、それを超えた身体で会得することもまたゴールがないくらい難しい。ただ、それは決して苦しさではなく楽しさを与えてくれる。

【映画が好き】

最近見た映画

●シャーロック・ホームズ(Sherlock Holmes):

Cast:Homes:Robert Downe, Watson:Jude Law Director:Guy Ritchie 小学校時代に読んだシャーロックホームズやドラマのシャーロックホームズなどでみんな勝手なホームズとワトソン

像をイメージしていると思うけど、この映画はちょっと意外な新しいホームズ!私は、どうも昨年の機内で見た「アイアンマン」(ジョン・ファブロー監督)の影響で、ホームズとアイアンマンのアクション

を重ねてしまった。

●インビクタス

Cast:ネルソンマンデラ(モーガン・フリーマン)、マットデイモン:長年投獄されても、投獄した人を怨むことなく、逆に敵を赦すことからはじめることが平凡ではない。一つの詩が、彼自身も救われる

うえで、「赦す」ことの大切さを教えたのだ。本来なら、そうした素晴らしさがもっとも親しい家族に理解されるのが幸せなのだが、家族だからこそ敵をつくらない人徳を逆に理解することが赦しがたい

という情景も描かれている。そうしたリーダーだけがもつ孤独に、マットデイモンには以心伝心で伝わるわけであり、まさに「邂逅」といえるであろう。

●シザー・ハンズ

1990年の映画であるが、いままさにのりにのっているティムバートン監督とジョニーディップのコンビだけに、見逃していたのでTSUTAYAで借りてみた。シリアスな話だと思っていただけに、始ま

りから中盤までは「ありえな~い」といったのりで観ていたが、笑いながらも笑えない、しかも、手がハサミという非現実ではありながら、もっと普遍的に人と違和感をもつことすべてを象徴的に表し

ていると考えれば、かなりシリアスな内容をパロディとしてコメディタッチで描こうとしたともいえるであろう。心から「笑い」を表出しなかったエドワードの気持ちを考えるともの悲しい。

●アリス・イン・ワンダーランド

2回も3Dで見ちゃいましたが、車に酔いやすい人はだめかも。前の方の席から見たのと自分の乱視の具合か、ちょっと3Dは楽しめなかった。私のコメディラインからすれば抱腹絶倒というところま

でいかず、残念。もう少し、登場人物に心理的に感情移入できれば、ユーモアのある場面や残酷な場面に気持ちがひきこまれたのかもしれない。めがねをかけなおしたり、ヴィジュアル的なところ

に意識してしまい、ややクールな見方になってしまいました。

●プリンスオブペルシャ

ペルシャの王子でありながら、王様の実子でなく、小さいときのやんちゃぶりを寵愛された養子のダルタンが主人公。王様とこの王子、そして王子とほかの実子である王子との人間関係がもう少し

丁寧に描かれていればよりよかった。時間が巻き戻される砂についての伏線が、映画の前半にもう少しはられているとよかった。

●セックス・アンド・シティ2

2時間以上の映画って、疲れるかなぁって思いきや、おもしろかった。アブダビ行きのファーストクラスってすごい。アー私も生きているうちに、ファーストに一度乗ってみたい。さて、今回は、4人の生

き方も共感できるし、そこにニューヨークと異なる文化と、かつまた 文化を超える人間の共通性もコミカルな展開のなかできちっと描写されていてシナリオが良かったと思う。

●武士の家計簿

明治維新目前の江戸の算用係の武士のお話。収入と支出のバランスをとることは、いつの時代でも大事であり、きちんと自己管理することは大事なことだと、身にしみるようなお話ですが、やは

り、松阪慶子演じる祖母の気持ちに共感するのです。「まー、かたいことを言わずに、おいしいものを食べさせて」といった気持です(笑)。

●相棒

お正月から、1週間見っぱなしではなかったけれども、「24」をまた見てしまっていた私からすると、邦画のアクションはいつも見劣りしていたのですが、この相棒はストーリー展開のリズムも、スピー

ド感もあって、楽しかったです。相棒をずっと見ていた人からすれば、あっと驚くような事件もあるようで、期待してください。

●ソーシャルネットワーク

社会学では、だれでも知り合いから知り合いへと6人を経由すると、世界中の人とつながることができるという「6次の隔たり」という有名な概念があるそうです。SNSはこれを実現したサービスだとか。1996年にボストンのハーバード大学にいたので、映画の中のハーバードスクェアの場所が懐かしい。ハーバード大の寮でのパーティに行ったことがあるけど、そのときは、みんなすごいまじめで、詩の朗読をしたり、といった穏やかな食事会だったので、映画の中のハチャメチャなパーティをみると、やはりアメリカの一面しか見ることができていなかったなぁ、とちょっとがっかり。そのときは、インターネットも、電話回線を利用ていたりしたので、5,6年でネットの世界は大きく変化することがわかりました。現実の友達関係の入れ替わりが心理学的には興味深い。

【芝居が好き】

●マッシュボーンの「白鳥の湖」 白鳥がすべて男性というモダンバレエ。白鳥のとらえ方、動き、ストーリーの展開が独特の世界でした。自由に解釈してよいそうですが、主人公の白鳥の存在感の

大きな演出でした。オーソドックスな「白鳥の湖」のストーリーが頭に入っていなかったので、新鮮で、ユニークな舞台を感激することができました。