新生鎖合成とRNA調節を介した翻訳制御

Translational Control of Protein Synthesis and RNA Regulation

遺伝子の発現制御はすべての生命現象にとって最も重要なプロセスの1つです。初期の遺伝子発現制御の研究では、おもに DNA から mRNA に転写されるステップでの制御 (転写制御) が詳しく解析されましたが、その後、mRNA からタンパク質に翻訳されるステップでの制御 (翻訳制御) も等しく重要であることが明らかとなってきました。しかし、未だその全容は明らかになってはいません。

私たちの開発した無細胞ディスプレイ技術は、翻訳制御に関与する様々な因子の大規模な解析にも役立ちます。例えば、近年注目されている RNA-タンパク質相互作用を介した翻訳制御機構の解明や、RNA との結合を制御するタンパク質のメチル化などの翻訳後修飾の大規模解析などの基礎研究に応用されています (図9)。

また、2015 年度からは、文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究「新生鎖の生物学」(領域代表:東工大・田口英樹 教授) のプロジェクトに参加しています。

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