無細胞ディスプレイ技術による次世代抗体医薬の開発    

In vitro Selection of Therapeutic Antibodies

標的分子に対して高い特異性と親和性をもつ抗体医薬は、従来の化学合成された低分子医薬と比べて副作用の恐れが少なく、治療効果が高い究極の分子標的薬として注目されています (図1)。抗体医薬の市場規模は急激に増加しており、2010年の国内の市場規模は約 1700 億円でしたが 2024 年には その約10倍にまで成長しており、10 年後には 2兆6000 億円にまで拡大するという試算もあります。しかし、抗体医薬は投与量が多く生産コストも高いという医療経済性の問題点があるため、Fab や scFv (一本鎖抗体) などの組み換え抗体への小型化によって生産量を増やしたり、抗体の親和性・安定性の向上により薬効を高めて投薬量を減らすための新しい技術が求められています。(⇒ 抗体医薬については以下の企業のサイト等でもわかりやすく紹介されていますので「抗体医薬品」で Google 検索してみてください。例:『抗体医薬品~最先端の治療薬~/協和発酵キリン』および『よくわかる抗体医薬品/バイオのはなし/中外製薬』)

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