ICT_café
ICT_caféのはじまり
ICT_caféは、本校の教員が自発的に始めた勉強会の名称です。
教職員が教職員のために行う、短時間のICT研修の場、外部の研修で学んできたことを気軽に共有する場として、iPadの導入を決めた後、ほどなくして立ち上がりました。月に1、2回程度、放課後に20~30分間、完全自由参加となっていますが、毎回多くの教職員が参加しています。
ICT_caféの効果
意識してきたわけではありませんが、ICT_caféで取り上げられる内容は、
「このアプリケーションはこんなことができますよ」
「新しく、こんな機能が追加されましたよ」
「教育総合展EDIXでこんなおもしろいものを見つけてきたので紹介します」
というものが多く、
「ICTを使ったこんな授業展開はどうですか?」という共有は、ほぼありません。
(もちろん、ICT_caféの後に教員間で「これ、こんな時に使えそうですね」と教育への活用が話題になることはあります。)
純粋に機能やテクノロジーについてだけを学ぶことで「その機能を自分ならばどのように使おうか?」と考えることが当たり前になりました。「ICTを活用した新しい学びを自分たちが作り出していく」という雰囲気によって全教職員でICTを使った教育を展開していくためのハードルが下がったと考えています。
それ以外にも
①就業時間内に気軽にスキルアップを図ることができるため、全教職員のスキルの底上げができる。
②ICT_caféの後には、自然とICTを使った学びが話題になる。
といった効果があり、ICT_caféの存在が本校のICTの活用に大きく影響を与えたといえます。
ICT_café for Kids の開催
2020年、一人の教員から「子ども達向けの、ICT_caféを開催してもいいですか?」という提案がありました。
iPadを使ったクリエイティブな活動をしたい児童が学年を超えて一緒に学べる場を作りたい。
上級生の創造力を下級生が目にすることには大きな効果があるはず。
そして何より、創造したい子ども達の気持ちに応えてあげたい。
この思いで始まったICT_café for Kids。初回から大勢の教員が「ぜひお手伝いしたい」と集まり、児童に人気の企画となっています。
昼休みの20分間という短い時間ですが、希望者だけが集まってレクチャーを受け、学んだことを活かして自宅に帰っても創作を楽しんでいます。
「一部の児童だけが知っていることがある」これが当たり前になったのは、教員の意識変化も影響しています。
以前はICTの活用に関しては「教員が児童に一斉に教える、児童の足並みをそろえる」スタイルが主流でしたが、「ICTの活用に関しては、一部の知っている児童が、周りの児童を巻き込んで教えてくれると、習得が早く、子ども達の学びの時間を確保できる」という考えに変化したことにより、このような企画も抵抗なく行うことができています。
ICT_café for kids , for teacher へ進化
2022年、教員の勉強の場からスタートしたICT_Caféがさらに進化し、「ICT_café for kids , for teachers」という学びの場が企画されました。
本校の児童・教員が使っている動画編集のアプリケーション「iMovie」がバージョンアップし、その変更内容を「iMovie」担当の教員が紹介することになりました。しかし、なかなか時間を取ることもできず、教員向け、児童向けそれぞれのICT_caféを開催するのが難しいという状況になり「一緒に学べばCaféの開催が一度ですむ」という発想から、この企画が生まれました。
従来、教育現場では「初めに教員が学び、次に児童が学ぶ」ことが通例であり、ICT導入前の本校でもそれが常でした。しかし、ICTの導入後、教員と子ども達が機能について質問しあったり、教えあうことが日常となり、ついに「別々の場を設定するのではなく、一緒に学ぶ」という今回の会の開催となりました。