04-2. 小テストの利用 -問題作成- 目次
04-2. 小テストの利用 -問題作成- 目次
Moodleでは、さまざまな問題タイプを新しく作成することが可能です。
問題タイプによって、必須入力の場所や記入条件が異なります。
以下では、問題タイプごとに作成方法を説明します。
① 画面右下の「追加」をクリックし、「+新しい問題」を選択します。
② 追加する問題タイプから「多肢選択問題」を選択し「追加」をクリックします。
③ 「問題名」に問題のタイトル、「問題テキスト」に問題の内容を記入します。
(問題名は学生には見えないので、自身が問題を管理しやすいタイトルをつけることを推奨しています)
④ 「デフォルト評点」で問題の評定を設定します。
⑤ 「単一または複数回答」で単一解答の問題であるか、それとも複数解答の問題であるかを選択します。
※デフォルトで「選択肢をシャフルしますか?」にチェックがついています。不要な場合は、チェックを外してください。
⑥ 「選択肢に番号付けしますか?」で選択肢の前に[a,b,c...]や[1,2,3...]のように番号を付けるか設定します。不要な場合は「番号付けなし」を選択してください。
⑦ 答えを設定します。
「選択肢1」「選択肢2」と、正解不正解含めて必要な数だけ選択肢を記入します。
(5つ以上選択を作成する場合は、「さらに3個の選択肢入力欄を追加する」をクリックして増やしてください)
必要であれば、各選択肢を選んだ場合のフィードバックコメントも記入します。
⑧ 各選択肢の評点を配点していきます。
【単一解答の場合】
正解にあたる選択肢の評点を「100%」に設定します。不正解の選択肢の評点には、「なし」のままで設定します。
【複数解答の場合】
正解にあたる選択肢の評点を配点率の合計が「100%」になるように設定します。
(例:正解が2つの場合は、それぞれ50%を設定する)
不正解の選択肢には、評点の配点率の合計が「-100%」になるように設定するか、すべて「-100%」を設定します。
(例:不正解が3つの場合は、それぞれ-33.33333%にするか、すべて-100%を設定)
※選択によって、配点率の合計がマイナスの値になっても、得点はマイナスにならず「0点」となります。
⑨ 問題の作成が完了したら「変更を保存する」をクリックします。
画面が遷移して、多肢選択問題が小テストに新規追加されます。
穴埋め問題 (Cloze) では、文章中に空欄を設ける形で「多肢選択問題」「記述問題」「数値問題」を作成することができます。また、一問の中に複数の空欄を設けることができます。
ただし、問題の作成では、「問題テキスト」に問題作成のためのコードを書き込む必要があります。
① 画面右下の「追加」をクリックし、「+新しい問題」を選択します。
② 追加する問題タイプから「穴埋め問題(Cloze)」を選択し「追加」をクリックします。
③ 「問題名」に問題のタイトルを記入します。(問題名は学生には見えないので、自身が問題を管理しやすいタイトルをつけることを推奨しています)
④ 「問題テキスト」に穴埋め問題として作成するためのフォーマットを記入します。
※入力する記号やフォーマットは、各タイプの説明をご参照ください。
⑤ 問題文が入力が完了したら、「問題テキストをデコードおよび確認する」をクリックし、問題が作成されるか確認します。
入力したフォーマットに問題がなければ、各問題の項目が表示されます。
⑥ 問題の作成が完了したら「変更を保存する」をクリックします。
画面が遷移して、穴埋め問題(Cloze)が小テストに新規追加されます。
以下では具体例を示しつつ穴埋め問題 (Cloze) の作成方法を説明します。
穴埋め問題の入力フォーマットの説明
記号
記号の説明
{}
問題の解答部分にあたる部分の開始、終了を表します。
:MC:などの前の数字
評点の重みを表します(オプション)。問題中に空欄がひとつの場合、または複数の空欄がある場合でもそれぞれの評点の重みを等しくするときは、数字を省略することができます。
:問題タイプ:
問題タイプを定義するために、「:」で囲います。
〜
各選択肢を「~」で区別します。
=
正解の選択肢の先頭に付けて正解を表します。
#
フィードバック部分の始まりを表します(オプション)。
%評点の割合%
部分点として与える評点の割合(%)を表します。%50%は半分の評点となります(オプション)。
*
表示されている選択肢以外すべてを表します(オプション)。
多肢選択問題
問題の形式
MULTICHOICE(またはMC.選択肢をシャッフルする場合はMCS)
選択肢がドロップダウンメニューとして表示され、メニューから正解を選択します。
MULTICHOICE_V(またはMCV.選択肢をシャッフルする場合はMCVS)
縦に選択肢が並びます。選択肢の横に表示されるラジオボタンを選択して解答します。
MULTICHOICE_H(またはMCH.選択肢をシャッフルする場合はMCHS)
横に選択肢が並びます。選択肢の横に表示されるラジオボタンを選択して解答します。
作成した問題を小テストで利用する際、小テストの設定でシャッフルを有効(「問題の挙動」>「問題内部をシャッフルする」をYes)にしても、「MC」「MCV」「MCH」を利用した場合には選択肢はシャッフルされません。選択肢をシャッフルする場合は「MCS」「MCVS」「MCHS」を利用してください。
書式
{1:MC:=正解の選択肢#正解のフィードバック~不正解の選択肢1#不正解のフィードバック1~不正解の選択肢2#不正解のフィードバック2…(以後繰り返し)…}
問題形式を表す記号(MCなど)はコロン(:)で囲みます。また「MC」の部分を作成する問題のタイプに合わせて「MCV」「MCH」「MCS」「MCVS」「MCHS」に変更してください。なお、選択肢は正解、不正解のどちらから記述しても構いません。たとえば正解を2番目の選択肢に書いた場合は次のようになります。
{1:MC: 不正解の選択肢1#不正解のフィードバック1~=正解の選択肢#正解のフィードバック~不正解の選択肢2#不正解のフィードバック2…(以後繰り返し)…}
具体例
下記の例1から3では、実際に利用できる書式例を記載しています。
補足:
コピー&ペーストで利用する場合は、いずれかの方法を使用してください。
・ショートカットキーを使用する: Ctrl + Shift + V で貼り付ける
・右クリックメニューを使用する:右クリックして表示されるメニューから「書式なしで貼り付け」または「プレーンテキストで貼り付け」を選択します。
※プレーンテキストの貼り付け方法はご利用の端末によって異なります。
例1 インライン、評点の重み付け
千葉大学で利用している学習管理システム(LMS)は{2:MCS: ~=Moodle #正解です ~Sakai #不正解です ~Blackboard Learn #不正解です}です。
このシステムは平成{1:MC:~=21 ~22 ~23}年度に導入されました。
問題中に空欄が複数ある場合、それぞれの設点の重みを変更することができます。{1:MC: …}と{2:MCS: …}のそれぞれの評点の割合は1:2となります。
例2 選択肢を縦に表示
千葉大学で利用している学習管理システム(LMS)として正しいものを選択してください:
{:MCH:~=Moodle #正解です~Sakai #不正解です~Blackboard Learn#不正解です}
例3 選択肢を横に表示(シャフル有効)
千葉大学で利用している学習管理システム(LMS)として正しいものを選択してください:
{:MCVS:~=Moodle #正解です~Sakai #不正解です~Blackboard Learn#不正解です}
記述問題
問題の形式
SHORTANSWER(またはSA、MW)
大文字、小文字を区別しない場合に利用します。
SHORTANSWER_C(またはSAC、MWC)
大文字、小文字を区別する場合に利用します。
書式
{:SA:=正解の選択肢#正解のフィードバック~%評点の割合%部分点の選択肢#部分点のフィードバック~*#表示されている選択肢以外のフィードバック}
部分点の選択肢は複数設けることが可能です。
具体例
例4 記述問題:大文字小文字の区別なし
現在千葉大学で利用しているLMSをアルファベット6文字で答えてください:
{:SA:=moodle #正解です~%50%noodle#タイプミスです。Moodleが正解です~*#間違いです。Moodleが正解です}
例5 記述問題:大文字小文字の区別あり
千葉大学で利用しているLMSは{:SA:=Moodle}です。
千葉大学で利用しているLMSは{:SAC:=Moodle}です(大文字小文字を区別します)。
数値問題
問題の形式
NUMERICAL(またはNM)
書式
{:NM:=正解の数値:誤差#正解のフィードバック#フィードバック}
入力フォーマット(数値問題限定)
正解の数値 : 誤差
誤差を表す方法です。たとえば「=73:2」とすると、正解は「73±2」となり、71から75までの値が正解となります。
具体例
例6
長方形の板の2つの辺の測定値が16.3 ± 0.1 cmと4.5 ± 0.1 cmであった。よって板の面積は{:NM:=73:2#16.2×4.4=7.1×10, 16.4×4.6=7.5×10であるので,73±2を正解としています.}cm2である。
解答時にドラッグ&ドロップを利用可能な問題には、「ドラッグ&ドロップテキスト」「ドラッグ&ドロップイメージ」「ドラッグ&ドロップマーカー」の3種類があります。
名称
説明
例
ドラッグ&ドロップ
テキスト
語句をドラッグ&ドロップで空欄に並べて解答する形式の問題です。
ドラッグ&ドロップ
イメージ
イメージまたはテキストを背景イメージの適切な空欄にドラッグ&ドロップして解答する形式の問題です。
ドラッグ&ドロップ
マーカー
テキストを背景イメージの適切な領域にドラッグ&ドロップして解答する形式の問題です。
テキストを指定された空欄にドラッグするのではなく、背景画像に設定された領域にドラッグします。
ドラッグ&ドロップテキスト
① 画面右下の「追加」をクリックし、「+新しい問題」を選択します。
② 追加する問題タイプから「ドラッグ&ドロップテキスト」を選択し「追加」をクリックします。
③ 「問題名」に問題のタイトルを記入します。(問題名は学生には見えないので、自身が問題を管理しやすいタイトルをつけることを推奨しています)
④ 「問題テキスト」に問題文を作成し、穴埋め部分としたい場所に、「[[1]]」のように数字を[[…]]で囲んで穴埋め部分を作成します。
⑤ 「デフォルト評点」で問題の評定を設定します。
⑥ 問題文の穴埋め部分の選択肢を作成します。
上記問題テキストの[[1]]の解答が選択肢1に対応しており、それぞれの数字が対応するようになっています(作成した穴埋め部分以上に選択肢を作成して誤答を作成することも可能です)。
「シャッフル」にチェックを入れると、表示のたびに選択肢をランダムにシャッフルして表示します。
「グループ」を利用して選択肢を異なるグループに分類すると、選択肢の適用される穴埋め欄の範囲を分けることができます。
「無制限」にチェックを入れると、解答の際、その選択肢を何回でも利用できるようになります。
⑦ 最後に「変更を保存する」をクリックして作成した問題を保存します。
ドラッグ&ドロップイメージ
① 画面右下の「追加」をクリックし、「+新しい問題」を選択します。
② 追加する問題タイプから「ドラッグ&ドロップイメージ」を選択し「追加」をクリックします。
③ 「問題名」に問題のタイトルを記入します。(問題名は学生には見えないので、自身が問題を管理しやすいタイトルをつけることを推奨しています)
④ 「問題テキスト」に問題文を作成します。
⑤ 「デフォルト評点」で問題の評定を設定します。
⑥ 背景イメージとして利用する画像ファイルをアップロードします。
アップロードすると、イメージのプレビューが表示されます。
⑦ 解答に利用するイメージ画像やテキストを設定します。
「タイプ」では、「ドラッグ可能イメージ」または「ドラッグ可能テキスト」を設定します。
(A)「ドラッグ可能イメージ」を選択した場合は画像ファイルをアップロード
(B)「ドラッグ可能テキスト」を選択した場合はテキストを記入
ドラッグ&ドロップテキストの場合と同様、「グループ」を利用して選択肢を異なるグループに分類すると、選択肢の適用される穴埋め欄の範囲を分けることができます。
また「無制限」にチェックを入れると、解答の際、その選択肢を何回でも利用できるようになります。
⑧ ドラッグ可能なアイテムを背景イメージのどの部分にドロップすると正解とみなすかを決めます。
「ドラッグ可能アイテム」からアイテムを選択します。
⑨ 各アイテムのドラッグ&ドロップする場所を「左」と「トップ」で座標の値を入力して指定します。
なお、数値を入力しなくても、背景イメージに選択したアイテムが表示されるため、対象となるアイテムをドラッグ&ドロップして場所を決めることもできます(連動して自動的に座標の値が設定されます)。
⑩ 最後に「変更を保存する」をクリックして作成した問題を保存します。
ドラッグ&ドロップマーカ
① 画面右下の「追加」をクリックし、「+新しい問題」を選択します。
② 追加する問題タイプから「ドラッグ&ドロップマーカ」を選択し「追加」をクリックします。
③ 「問題名」に問題のタイトルを記入します。(問題名は学生には見えないので、自身が問題を管理しやすいタイトルをつけることを推奨しています)
④ 「問題テキスト」に問題文を作成します。
⑤ 「デフォルト評点」で問題の評定を設定します。
⑥ 背景イメージとして利用する画像ファイルをアップロードします。
アップロードすると、イメージのプレビューが表示されます。
⑦ 解答時にドラッグ&ドロップするマーカー名を記入します。
マーカー数を「無制限」に設定すると何度でも利用することができますが、無制限以外に設定すると、そのマーカーは指定した回数しか利用できません。
⑧ マーカをドロップした際に正解とみなすかを決めます。
「マーカ」から正解にするアイテムを選択します。
⑨ 各アイテムの正解とみなす領域を「形状」から選びます。その後、「座標」で値を入力して指定します。
領域の指定方法については、次の通りです。
領域の指定方法
・座標を「x,y」と表すと、xは横方向の位置、yは縦方向の位置を表します。
・領域は「円」「長方形」「多角形」の3つで指定できます。それぞれ次のように設定します。
形状
座標の書き方
説明
円
x,y;r
x,yは円の中心の座標、rは半径を表します。
長方形
x,y;w,h
x,yは長方形の左上隅の座標、wとhはそれぞれ長方形の幅と高さを表します。
多角形
x1,y1;x2,y2;x3,y3; ... 以後、点の数だけ繰り返します。
x1,y1は1つ目の点の座標を表しており、多角形の場合、3点以上を指定する必要があります。
⑩ 最後に「変更を保存する」をクリックして作成した問題を保存します。
① 画面右下の「追加」をクリックし、「+新しい問題」を選択します。
② 追加する問題タイプから「作文問題」を選択し「追加」をクリックします。
③ 「問題名」に問題のタイトル、「問題テキスト」に問題の内容を記入します。
(問題名は学生には見えないので、自身が問題を管理しやすいタイトルをつけることを推奨しています)
④ 「デフォルト評点」で問題の評定を設定します。
⑤ 「解答形式」で学生が入力する枠の設定を行います。
HTMLエディタ:文字装飾を行える。また、入力欄の右下の入力した語数が表示される。
HTMLエディタ(+ファイルピッカ): 文字装飾に加えて、入力欄に画像や動画などを挿入することができます。また、入力欄の右下の入力した語数が表示される。
プレインテキスト: 文字装飾が行えず、文字入力のみ。
プレインテキスト、等幅フォント:文字装飾が行えず、文字入力のみ。文字の幅が一定に入力される。
インラインテキストなし :入力欄がなくなります。※必ずファイル添付を許可してください
!!「最小ワード制限」「最大ワード制限」の設定に関する注意事項!!
ワード数のカウントは「英語の単語の語数」のカウントのみ機能しており、「日本語の文字数」でカウントしません。(カウント方法が、スペースや改行でワード数をカウントしているため)
⑥ ファイル添付をさせたい場合は、「添付を許可する」に添付を許可するファイル数を選択します。
⑦ 最後に「変更を保存する」をクリックして作成した問題を保存します。
Moodleでは、小テスト問題を一括作成する方法がいくつか用意されています。ここでは、小テスト問題をテキストファイルからインポートするフォーマットとして利用されている「GIFTフォーマット」の利用方法を説明します。
GIFTフォーマットでの問題の作成
GIFTフォーマットの記述方法は次のようになっています(個々の問題作成方法は改めて説明します)。
● 解答部分を「{解答部分}」のように「{ }」で挟んで表します。
● 個々の解答の後に「#」を挿入し、その後にコメントを記入すると、解答へのフィードバックとなります。
●「::問題名::」のように「::」で挟んだ部分が問題名となります。
●「//」で始まる行はコメントとして扱われます。
● 複数の問題を記述する場合は、それぞれの問題を空行で区切ります。
なお、GIFTフォーマットを用いる場合、テキストファイルの文字コードをUTF-8として保存する必要があります1)。GIFTフォーマットで問題を作成するときの問題形式ごとの違いを以下にまとめます。
多肢選択問題
正解を「=」、その他の選択肢を「~」に続けて記述します。
組み合わせ問題
選択肢を「=」、選択肢への対応を「->」に続けて記述します。
数値問題
正解を「#」に続けて記述します。
マルバツ問題
正しい場合は「T」、誤りの場合は「F」とします。
記述問題
正解を「=」に続けて記述します。なお、すべての正解を列挙する必要があります。
具体的な問題作成については、次ページの「GIFTフォーマットの例」を参照してください。
GIFTフォーマットの例
<数式を扱う際の注意点>
PHPとLaTeXの処理順序の関係上、上記の記号をLaTeXフォーマットで用いる場合は、これらの記号の前に「\(バックスラッシュ)」を付けて記述します。
「\(バックスラッシュ)」は、ご利用のPC環境により「¥(円マーク)」で表示される場合もありますが、その場合は「¥(円マーク)」のままでもご利用いただけます。
以下にGIFTフォーマットでの問題の作成例を示します。
GIFTフォーマットを利用した問題の追加
① 画面上部のコースナビゲーションから「さらに」をクリックし、「問題バンク」をクリックします。
② 「問題」をクリックしてプルダウンメニューを開き、「エクスポート」をクリックします。
③ ファイルフォーマットで 「Moodle XMLフォーマット」を選択します。
④ エクスポートカテゴリからエクスポートしたいカテゴリを選択します。
⑤ 「問題をファイルにエクスポートする」をクリックします。