03. 課題の利用 目次
3. 課題の利用
Moodleではレポート課題の提示からレポートの受領までを簡単に行うことができます。レポートの一元管理にMoodleを利用してみてはいかがでしょうか。Moodleではレポートの提出状況を一覧画面で確認することはもちろん、レポートの提出期限を設定することもできます。また提出されたレポートにコメントをつけて返却するなどのフィードバックを行うことも可能です。
3.1 課題の作成
画面右上の[編集モード]を押して、トピック内の「活動またはリソースを追加する」をクリックして表示される利用可能な活動・リソースの一覧から「課題」をクリックします。
課題の追加・設定
まずは「課題名」と「課題説明」を入力します。課題説明には課題の内容や課題を行う上での注意事項を記入します。
課題内容についての追加ファイルを提示する場合や提出ファイルのテンプレートを提示する場合は、「追加ファイル」からファイルをアップロードします。アップロードしたファイルは課題説明とともに学生に提示されます。
利用
「利用」では、課題の「開始日時」「終了日時」「遮断日時」といった課題の実施期間を設定します。
「開始日時」は、学生がファイル提出を可能となる日時です(下記の「常に説明を表示する」も確認してください)。未設定の場合は設定後に即利用可能となります。「終了日時」は課題の提出締切日時を表します。学生には課題の提出期限として終了日時で設定した日時が表示されますので、学生に提出期限を伝える際は終了日時で設定した日時を伝えてください。
「終了日時」が提出締切日時を表すのに対して、「遮断日時」は課題の最終締切日時を表します(遮断日時は終了日時以降に設定する必要があります)。終了日時と遮断日時を異なる日時に設定した場合、学生は終了日時を過ぎた後でも遮断日時までは課題の遅延提出が可能です(後述の提出確認画面にて遅延を確認することができます)。遅延提出を認めない場合は、終了日時と遮断日時を同じ日時に設定してください。
「常に説明を表示する」にチェックを入れると、上記で設定した開始日時前であっても追加ファイルも含めて課題の内容が表示されるようになります(その場合、提出のみ開始日時以降になります)。
開始日時
課題ファイルの提出が可能となる日時を設定します。
終了日時
課題の提出期限(締め切り)日時を設定します。
遮断日時
課題ファイルの提出が不可となる日時を設定します。
遅延提出を認めない場合は、終了日と同じ日時を設定します。
次の日時まで私に
評定を思い出させる
教員に対し、評定の完了予定日をリマインドする日時です。
教師ロールにのみメッセージが表示されます。
《終了日時と遮断日時》
課題が閲覧可能になると、学生には課題の提出期限として「終了日時」が提示されます。課題の終了日時を超過した場合でも「遮断日時」までは提出が可能です(遅延提出)。遮断日時で設定した遅延提出の期限は、評定概要の「提出期限後の提出」の欄に「◯◯まで許可されます」のように表示されます。また遮断日時を過ぎた場合でも、教師が「延長の許可」を設定することで、改めて学生は課題の提出が可能になります。
なお、遅延提出を認めない場合は、終了日時と遮断日時に同じ日時を設定してください。この場合、終了日時を設定せずに最終締切日である遮断日時のみを設定すればよいと思われるかもしれませんが、学生に表示される提出期限は終了日時であるため、この場合も終了日時と遮断日時の両方を設定してください。
提出タイプ
「提出タイプ」では、課題の提出方法を設定します。
Moodle上で直接テキストの編集をして課題を提出させる場合は「オンラインテキスト」にチェックを入れます。一方、あらかじめWord等で作成したファイルをMoodleにアップロードさせる場合は「ファイル提出」にチェックを入れます。
フィードバックタイプ
「フィードバックタイプ」では、提出された課題に対するフィードバックの方法を設定します。
オンラインでのコメント(フィードバックコメント)や、教師がアップロードしたファイル(フィードバックファイル)を学生に閲覧させることもできます。またフィードバックファイルを利用すると、学生の提出ファイルを添削して返却することも可能です。その他、学生にPDFファイルで提出させる場合は、PDF注釈を有効にすることでMoodle上で内容の確認やフィードバックを行うことができます。
通知
「通知」では、学生が課題を提出した際や教師が評定を行った際の通知の有無を設定します。
「評定者に提出を通知する」を「Yes」にすると、学生が課題を提出するたびに提出を知らせるメールが教師宛に送信されるため、デフォルト値の「No」のまま利用するのがよいでしょう。
「提出遅延に関して評定者に通知する」は、現在、デフォルト値が「No」になっていますが、通知が必要な場合は「Yes」に変更してください。
「学生に通知する」はデフォルト値が「No」になっています。
「学生に通知する」のデフォルト設定は、評定を行う画面にある「学生に通知する」のデフォルト値を決めます。「Yes」にすると、評定を行った時点で評定の完了通知が学生に送信される設定となります(ここではデフォルト値を決めるだけで、実際に通知するかどうかは評定画面で設定します)。
《学生による提出レポートの差し替え》
「学生に提出ボタンのクリックを求める」を「Yes」にした場合、「下書き」という提出ステータスが追加されます。学生の画面には「提出を編集する」というボタンも表示されます。学生がファイルをアップロードして「提出を編集する」を押すと、「下書き」を提出したことになります。まだ、提出とはみなされないため、学生は提出したレポートの差し替えが可能です。学生が「課題を提出する」というボタンを押すと、「評定のために提出済み」というステータスに変わり、学生は提出課題が差し替えできなくなります。
この機能を使う目的として、「提出期限前に提出されたレポートを順次確認したい場合」や「提出されたレポートを一旦差し戻して再提出を可能にする場合」などがあるかと思います。提出期限前から提出済レポートの確認や採点を始めたい場合は「学生に提出ボタンのクリックを求める」を利用すると、学生は提出したファイルの差し替えができなくなるため、採点後のレポートの差し替えを防ぐことができます。また再提出を求める場合は、教員の画面で「提出を下書きに戻す」ボタンを押すと、学生はファイルの差し替えが可能になります。なお、ステータスが「下書き」になったことは学生に通知されないため、「学生に通知する」にチェックを入れた状態で「フィードバックコメント」を更新したり、メッセージを送信するなどして学生に再提出を促す必要があります。
○注意点
・学生が「評価対象として提出する」をクリックし忘れて下書きのままとなってしまうこともあります。
・課題の締切後に提出ステータスが下書き状態のままであっても、提出されたファイルを確認することは可能です。
・もし学生から再提出の希望があった場合は、後述する「提出をロック解除する」を利用して提出のロックを解除します(3.2 設定項目の説明 参照)。
○「学生に提出ボタンのクリックを求める」がNoになっている場合
提出期間中であれば学生は課題の差し替えが可能です。
3.2 提出レポートの確認と評価
コースに設定した課題をクリックすると、課題の内容と参加者(受講者)数、提出者数、課題の終了日時と残りの期間などの評定概要を記した画面が表示されます。評定概要の下にある「すべての提出を表示する」をクリックすると、提出状況一覧のページに移動します。こちらから提出レポートの確認や評定を行うことができます。
提出ファイルの一括ダウンロード
学生の提出ファイルを個別に確認することもできますが、画面中央の「選択した行に対して...」から「選択した提出をダウンロードする」を利用して一括ダウンロードすることも可能です。なお、フィードバックファイルを一括でアップロードするための「複数フィードバックファイルをZIPでアップロードする」は、3.1頁で説明したフィードバックタイプにて「フィードバックファイル」を有効にすると表示されます。同様に、課題の評定を一括で行うための「評定ワークシートをアップロードする(ダウンロードする)」は、「オフライン評定ワークシート」を有効にすると表示されます。
《 一括ダウンロードした提出課題のファイル名が文字化けするとき》
提出課題を一括ダウンロードすると圧縮ファイル(Zipファイル)としてダウンロードすることができますが、その圧縮ファイルを解凍する際にWindows備え付けの解凍機能やUTF-8の文字コードに未対応の解凍ソフトを使用した場合に、提出課題のファイル名が文字化けしてしまうことがあります。この場合は、UTF-8に対応したファイル解凍ソフト(たとえば「7-Zip」など)を利用することで、提出課題ファイルを文字化けさせることなく解凍することができます。
評定
評定(評点の入力やフィードバック)を行うには、前頁の提出状況一覧の画面にて、青色の「評点」ボタンをクリックします(「編集」から「評点を更新する」を選択でも可)。なお、画面下の「変更を保存する」などのメニューが表示されない場合は、画面右上の「ユーザの変更」ボタンを利用して一度ユーザを変更するとメニューが現れます。
A.ユーザを変更できます。
B.「100点中の評点」に評点を入力します。
C. フィードバックコメントやフィードバックファイルを利用する設定にした場合には、こちらから学生に対するフィードバックを行うことができます。
D.フィードバックファイルをアップロードする場合は、画面の矢印部分にファイルをドラッグ&ドロップします(ファイルのアップロードについては、マニュアル2を参照)。
E.最後に忘れずに画面下部にある「変更を保存する」をクリックして編集内容を保存します。
F.クリックすることで3パターンの画面配置を試すことができ、見やすく作業しやすい画面に変更することができます。
「PDF注釈」が無効の場合の画面
「PDF注釈」が有効な場合の画面
クイック評定
上述の「評定」で説明した評定方法の他、オプションの「クイック評定」にチェックを入れることで一覧画面のまま評点やフィードバックコメントを入力することが可能です。
チェックを入れると、評点とフィードバックコメントの欄に入力ができるようになりますので、その中に評点やコメントを入力します。
評定後に一覧の下にある「すべてのクイック評定の変更を保存する」をクリックして評定およびフィードバックコメントを保存します。クイック評定を終えるときは「クイック評定」のチェックを外します。
選択した行に対する一括設定
課題提出のロックや解除、延長の許可については一括設定が可能です。設定方法は次のとおりです。一覧表の左端にある選択欄でユーザを選択した後、「選択した行に対して」から設定したい項目を選んで「Go」をクリックします。これらの設定を個別に行う場合は、一覧表の「編集」から設定することも可能です。
《課題の提出物に評定を行う際、評点は学生へ通知せず、フィードバックだけを返す方法はないか?》
評点とフィードバックコメントは同時に公開されるため、評点は公開せずフィードバックだけを返すという運用はできません。
このため、評点を学生へ通知せずにフィードバックだけを返したい場合は、評点はMoodleに入力せずにエクセルなどで別に管理するようにし、Moodleではフィードバックの入力やファイルのアップロードのみを行っている先生方も少なくないようです。
設定項目の説明
提出をロックする
提出をロックすると、学生は課題レポートの提出(変更)ができなくなります。評定後に提出の差し替えを防ぐことができます。
提出をロック解除する
提出がロックされた状態を解除します。
延長を許可する
遮断日時を過ぎると学生はレポートの提出ができなくなります。ここで「延長を許可する」を選択すると、再びレポートの提出ができるようになります。