2025年5月29日、SDGs推進室自然班主催のイベント「ネイチャーウォーク」を開催しました。今回は環境研究メジャーの藤沼良典先生をお招きし、普段は立ち入ることのできないキャンパス西側を中心に、雑木林や竹林を散策しました。道中では、各エリアの生態系や大学による管理の工夫について藤沼先生から解説があり、参加者は熱心に耳を傾けていました。
ICUキャンパスがある三鷹の森は、少なくとも江戸時代から人々の生活と結びついた雑木林として維持されてきました。キャンパス南側に続く崖線沿いの雑木林は、かつて三鷹の農家が木々の間伐や落ち葉集めを行い、馬糞と混ぜて畑のたい肥とするなど、循環型の持続可能な利用がなされていました。
しかし近年、雑木林としての利用が減少したことで、竹林の拡大による生物多様性の低下や、ナラ枯れによる落枝・倒木などの課題が生じています。そのため現在は、農家による落ち葉利用に加え、学生による竹林伐採や筍掘り、ナラ枯れ対策としての虫取り装置の設置など、地域と学生が協力して森の管理を進めています。
東京都の絶滅危惧種であるキンランやイカリソウをはじめとする草花、たぬきやアナグマなどの動物も生息する三鷹キャンパスの森は、非常に貴重な環境です。ICUキャンパスに広がる豊かな自然環境や、その維持の大切さをあらためて実感できる機会となりました。
竹林の散策
サンショウの葉
大沢わさび田