「世界遺産と生きる」を担当する小塙英男(英語科)と篠薫(地歴公民科)です。
なぜ、
『タージ・マハル』は建てられた?
最も有名な世界遺産のひとつ、『タージ・マハル』が建てられた理由を知っていますか?
タージ・マハルの立てられた目的を次の4つの中から予想してください。
①宮殿 ②学校 ③お墓 ④ホテル
美しい白大理石と豪華絢爛な宝石で装飾されたタージ・マハル。一見すると宮殿のように見えますが、宮殿ではありません。これ、お墓なんです。こんなに豪華なお墓、すごいと思いませんか?
ムガル帝国最盛期の皇帝シャー・ジャハーンが、若くして亡くなった愛妃ムムターズ・マハルのために建造を命じた霊廟です。建造期間はなんと20年。世界中から白大理石や宝石を集め、国の財政が傾くほど国費を投入しました。いまではインド・イスラム建築最高の傑作とされ、「世界でもっとも美しいお墓」とも言われています。
「なぜ」と問うことから「旅」が始まります
先ほど取り上げた『タージ・マハル』が世界遺産に認定されている一方で、TVなどで一度は目にしたことのある絶景、「ウユニ塩湖」は世界遺産に登録されていません。こんなにも美しい場所が世界遺産ではないのは「なぜ」なのでしょうか。
そもそも、世界遺産とはいったい何なのか。
そして、「なぜ」世界遺産に認定する必要があるのでしょうか。
この「なぜ」を追求していくと、さまざまな国の風土や文化、生き方や思想に辿り着きます。
世界遺産を知ることは、他国を知ること。
世界遺産を知ることは、他民族を知ること。
世界中には私たちと違った考えや思想をもつ人が数多くいます。その違いは簡単に理解できるものではないし、受け入れることのできない場合もあると思います。
しかしながら、違った考えや思想をもつ人が、世界中に数多くいることを「知る」ことはできます。違いを、知って、認めること。それが相手を理解することにつながります。
世界遺産を学習する目的は、まさにここにあります。
「なぜ」の追求を通して、私たちと一緒に世界中を旅しませんか?
インドネシアで世界遺産を感じる
10月の実地踏査では、インドネシアのバリ島・ロンボク島に赴きます。数多くの世界遺産を実際に見学し、インドネシア文化を肌で感じることができます。
世界最大級の仏教寺院であるボロブドゥールは、1800年に発見されるまで、約1000年もの間、密林の中に埋もれていました。何のために建てられたのか、なぜこんなにも長く発見されなかったのか、未だに謎の多い世界遺産です。
2015年にバリ舞踊が世界無形文化遺産に認定されました。その数あるバリ舞踊の中で、特に有名なのが民族舞踊「ケチャ」です。大勢の男性が車座になって円陣を組み、独特の合唱を奏でる中、その中央で踊り子が踊る様子は、観る者を魅了します。