【授業のねらい】
「自然に触れ、自然に興味をもつ」
「自らテーマを設定し、調査・研究を行う」
「調査結果から自然環境について考察する」
ボルネオ島には、貴重な自然が残されている一方で、ボルネオ島では大規模なプランテーション(アブラヤシ)により、貴重な自然が破壊されています。それと引き換えに日本をはじめ多くの国々がアブラヤシからとれるパーム油を利用して豊かな生活を送っています。
貴重な自然を保護しなければいけないことは多くの人が理解していますが、実際に自然の中に身を置き、壮大な自然を体感し、その自然を守るにはどうしたら良いか考える機会は少ないと思います。
熱帯多雨林の中で活動したとき、何が素晴らしいのか、日本の自然と何が異なるのかを感じるためには身の回りの自然についても知っておく必要があります。そのため、このコースでは基本的に自然の中で活動します。
自然の中に身を置き、自然をじっくり観察することで、その自然環境について様々なことが分かってきます。
活動の中から得たものを整理し、最終的には自然保護について自分なりの考えをもつことを目的としています。
ボルネオで調査を行うには、まず自然調査のスキルを身に着ける必要があります。1学期は国内で自然調査を複数回行い、調査スキルを身に着けるとともに、調査結果から自然環境について考察します。
主に、都立武蔵野公園・野川公園で自然調査の手法を学びます。
晴れている日は基本的に屋外での活動となります!
自然調査とは何か、分かった上で各自が調査・研究テーマを決め、計画書を作成します。夏休みを利用し、計画書に沿った調査・研究していきます。
2学期は夏休みの調査結果をまとめます。ボルネオでの調査に備え、ボルネオ島の生物について調べたり、ボルネオでどのような調査を行うかを考えていきます。
動物観察・調査のスキルを身に着けるために、多摩動物公園にも行きます。また、ボルネオ島で活動しているNPOの方の講義や高尾山散策なども計画しています。
4泊6日の研究旅行では、ジャングル散策を中心に、自然の中で活動を行います。
【日程】
〇1日目
日本→コタキナバル
〇2日目
サバ大学熱帯生物研究所訪問・キパンディにてライトトラップ
〇3日目
ポーリン温泉からさらに奥地の滝までジャングルトレッキング・ラフレシア 観察・キャノピーウォーク・ホテルにてライトトラップと夜の生物観察
〇4日目
キナバル国立公園内散策・テングザルとホタル観察クルーズ
〇5日目
ロッカウィワイルドパーク訪問・市内散策・コタキナバル→日本
〇6日目:日本到着
ボルネオのジャングルには驚くほど多種多様な生物が生息しています。
現地では活動のほとんどをジャングルの中で行います。体力と自然観察力が必要ですが、国内での自然観察・調査を通してそれらを養っていきましょう!
夏休みに行った調査結果をポスターにまとめ、教養総合成果発表会で発表します。
教養総合Ⅱ「ボルネオ島のジャングル自然調査」の受講者の中には、自身の調査テーマを高校3年生の卒業研究でも引き継ぐ人もいます。
また、学会発表を行い、優秀な成績を修めた生徒も出ています。
☆日本鳥学会2022年度大会・高校生ポスター発表・科学賞受賞
「柳瀬地区におけるカラスの大量発生の原因」
☆日本鳥学会2023年度大会・高校生ポスター発表・最優秀賞
「東京都の小規模河川におけるコサギの夜の採餌行動」