GIGA×生成AI
枚方市立長尾中学校では、文部科学省が実施する「GIGAスクールにおける学びの充実事業リーディングDXスクール事業」に採択されました。
全国で約20校の生成AIパイロット校の1つとして、「生成AI」に与える効果的なプロンプト(指示文)や教科でのより良い活用について、子どもたちが積極的に活用しながら探究していきます。
令和5年12月5日(火)長尾中学校での取組を取材していただきました。
【関西 NEWS WEB】
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20231205/2000080190.html
本取組は、関西外国語大学とも連携して行っています。
【関西外国語大学レポート】(令和5年12月6日)
https://www.kansaigaidai.ac.jp/news/detail/?id=2060&cat=2
成果発表会に、関西外国語大学生も支援してくれました!
【関西外国語大学レポート】(令和5年3月1日)
事業の趣旨(GIGAスクールにおける学びの充実事業リーディングDXスクール事業公募要領)
・1人1台端末とクラウド環境を活用した効果的な教育実践を創出・モデル化
・互いの実践からの相互啓発を強く推奨しつつ校種を超えて横展開
・全国すべての学校における教育活動の高度化の実現
具体的な内容(リーディングDXスクール事業について)
・「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実
・インターネット上の動画教材の活用、外部専門家によるオンライン授業の実施
・端末の日常的な持ち帰りによる家庭学習の充実等
・校務の徹底的な効率化や対話的・協働的な職員会議・教員研修
・1人1台端末、グループウェア及びクラウド環境を活用した校務の徹底的な効率化や対話的・協働的な職員会議・教員研修の実施
・実践内容を動画・写真、研修のオンライン公開などにより地域内外に普及
文部科学省リーディンDXスクール事業の情報は、こちらから!
「吟味思考(Critical thinking)」と「自己調整力」の更なる向上を!
枚方市立長尾中学校 学校教育目標
「 自ら考え、判断し、行動できる生徒の育成」
テーマ1
「効果的なプロンプト作成に向けた明確な指示や条件の整理」
今年度より創設された「学校創成プロジェクト委員会」所属の生徒を中心に議論し、実際にChatGPTにたくさんの指示を出しながら効果的なプロンプト(指示文)の条件整備を行います。伴走してくださる外部有識者は、関西大学 外国語学部 水本 篤 教授です。
テーマ2
「教科での学びを深めるための生成AIの活用」
英語科、社会科、国語科を中心に、子どもたちが課題を解決するために生成AIを活用し、どのようにして学びを深めたのかを検証します。また、子どもたちの活用事例を「GIGA×生成AI〜長尾中学びの実践事例集〜」としてまとめる予定です。伴走してくださる外部有識者は、関西外国語大学 外国語学部 卯木 輝彦 教授です。
「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン(令和5年7月4日)」より
「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドラインの作成について(通知)」(令和5年7月4日)
生成AIについて、長尾中学校生徒・保護者に聞いてみました!(アンケート調査)
生成AI活用後、長尾中学校の生徒に聞いてみました!(n=294)
ChatGPTに自由記述を整理してもらいました!
「生成AIをどのように使っていますか。」
授業や学習での利用
・授業中の活用: 授業での質問、課題の解決、教材作成、ディスカッション、プレゼンテーションの準備、具体的な条件下での計画作成などに使用している。
・調べ学習: 気になる事項や分からない内容の調査、参考資料としての利用、社会科の調べ学習や国語の感想文作成、英語の文法添削や単語学習に役立てている。
・作文やレポート作成: 文章の構成やアイデア出し、感想文のヒント取得、文体や表現方法の確認に利用。
・計画立案: 旅行プランの立案やイベントのアイデア出し、授業での架空のプロジェクト作成に使用。
個人的な利用
・質問と調査: 分からない事柄や興味のあるトピックについて質問し、知識を深めるために利用。
・文章生成: エッセイ、俳句、ストーリー作成や、特定のシナリオでの文章生成(例:エジソンがカップラーメンの作り方についての論文を書いたら)に使用。
・暇つぶしや趣味: AIとの会話、しりとりなどのゲーム、興味のあるトピックに関する話題提供として活用。
・英語学習: 会話練習、動詞の用法確認、英文の修正や採点に役立てている。
特定の需要に応える利用
・アイデアとインスピレーション: 創作活動、レポートの構成案、新しいアイデアや視点の提供、行き詰まった際の解決策としての活用。
・テストや入試準備: 出題されやすい単語の学習、問題形式での知識確認、勉強方法の相談に使用。
「生成AIを、今後どのようなことに使いたいですか。」
教育・学習での利用
・授業活動: 国語、社会などの授業で、プレゼンテーションや資料作成、調べ学習、作文や論文作成のサポートとして使用したい。
・勉強支援: わからない問題や英語の単語学習、数学の解法指導、言語学習、テスト準備のために利用したい。
・アイデアとインスピレーション: オリジナリティある作品作りのためのアイデア出しや、疑問解決、プレゼンの名前考案などに活用したい。
・事前学習: 修学旅行や校外学習の前に、予備知識の習得や計画立案に利用する。
個人的な利用
・アイデア生成: 文章作成、アイデア出し、面接練習、自由なレポート作成に役立てたい。
・情報収集: 国際問題や社会のさまざまなトピックについて詳細を知りたい時に使用。
・趣味や暇つぶし: 委員会の案出し、文化祭の出し物のアイデア、暇つぶしにも役立てたい。
研究や仕事での利用
・調査研究: 人間では考えつかないような独創的なアイデアや解答を求めるために使用。
・業務効率化: 仕事を楽にする、効率的な取り組みやプログラミングの問題解決に利用したい。
限定的な利用・慎重な利用
・補助的な使用: 全てをAIに頼るのではなく、わからない時だけ使う、自分の苦手な分野を補う、正確な情報の取得など、補助的かつ慎重に利用したい。
・マナーと利便性: AIの利用時はマナーを守りながら、便利に使えたら良いと考えている。
長尾中学校の保護者に聞いてみました!(n=119)
【質問】
「生成AI」について、当てはまるものを1つ選んでください。
【回答】
・言葉も内容も知っている:20.2%
・言葉は知ってる:59.7%
・全く知らない:20.2%
【質問】
「対話型生成AI(ChatGPT、BingChat、Bard等)」について、当てはまるものを1つ選んでください。
【回答】
・よく使っている:2.5%
・使ったことがある:19.3%
・使ったことがない:78.2%
【質問】
お子さまが教育現場で生成AIについて学ぶことは、必要だと思いますか。
【回答】
・はい:87.4%
・いいえ:12.6%
【質問】
お子さまが生成AIを学ぶことに対して、どのような力を身につけることを期待しますか。
第1回調査結果はこちらからご覧いただけます。
生成AIについて理解し、積極的に用いるまでの歩み(ガイドラインより)
第1段階 「生成AI自体を学ぶ」
◯令和5年11月15日(水)「生徒向け・教職員向け・保護者向け講演会」
テーマ:ChatGPTを使う前に知っておいてほしいこと
登壇者:水本 篤 教授(関西大学 外国語学部)
講演内容
・ChatGPTを使ったことはありますか?
・ChatGPTとは?
・どんなことができるの?
・ChatGPTの仕組みやできること、できないこと
・プロンプト(指示文)とは?
・まとめ
第2段階 「使い方を学ぶ」
◯教科での学習とリンクして学ぶ
実践事例1 学習課題:正確に指示を出すことができる(国語科)
・授業でインストールやログインを行う。
・簡単なプロンプトを入力し、生成AIと対話を体験する。
・気づいたことや発見したことを、生徒同士で対話する。
実践事例2 学校創生プロジェクト委員(S-Pro)と関西外国語大学生コラボプロジェクト
第3段階 「各教科での学びにおいて積極的に用いる」
◯学びの流れ
① 国語科の授業でインストールやログインを行う。その後、簡単なプロンプトを入力し、生成AIと対話を体験
② 国語科、英語科、社会科の授業を中心に、生徒がプロンプトを入力して生成AIとともに課題解決に向かう
③ 課題解決の過程で、「なぜそうなったのか」「どうすれば課題を解決できるのか」を生徒同士が対話し、互いの考えをより深める
実践事例1 関西外国語大学生と一緒に学ぶChatGPT
第4段階 「日常使いする」(生成AIを検索エンジンと同様に普段使いする)
成果報告会は終了しました
参考 「特集!生成AIに関する教員向け研修動画シリーズ」
学習指導要領は「情報活⽤能⼒」を学習の基盤となる資質・能⼒と位置づけ、情報技術を学習や⽇常⽣活に活⽤できるようにすることの重要性を強調しています。このことを踏まえれば、新たな情報技術であり、多くの社会⼈が⽣産性の向上に活⽤している⽣成AIが、どのような仕組みで動いているかという理解や、どのように学びに活かしていくかという視点、近い将来使いこなすための⼒を意識的に育てていく姿勢は重要です。
東京学芸大学大学院 教育学研究科 教授 堀田龍也氏による「情報活用能力とは?」「「情報モラルとは?」について整理し、文部科学省による「生成AI活用のガイドライン」についてポイントを押さえる内容です。教員向け動画となりますので、各種研修等でご活用ください。
信州大学 学術研究院 教育学系 准教授 佐藤和紀氏による「情報活用能力、読解力と生成AIの活用」「生成AIを活用する前に」「生成AIへの理解や学びへの活用」についての内容となっています。教員向け動画となりますので、各種研修等でご活用ください。
東京大学大学院 工学系研究科 准教授 吉田塁氏による「生成AI・対話型生成AIについて」「対話型生成AIができること」「対話型生成AIを使う上で気を付けること」についての内容となっています。教員向け動画となりますので、各種研修等でご活用ください。