現代日本の転職における媒介者の役割と若年者のキャリアの階層化に関する調査研究
現代日本の転職における媒介者の役割と若年者のキャリアの階層化に関する調査研究
プロジェクトについて
日本で働く人々の意識、ライフスタイルの変化、また産業や職業に関する全般的な状況の変化を背景として、多くの人々が転職を経験するようになってきました。とりわけ、20代から30代にかけて、転職を経験することは珍しくなくなってきたといえます。
一方で、これまで「終身雇用」や「日本的雇用慣行」などとその特徴が表現されることの多かった日本の労働市場では、転職(勤め先を変えること)を通じてキャリアアップ(より高い役職や給与の仕事を得てゆくこと)を図ってゆくことが必ずしも一般的ではありませんでした。そのようななかで、個々人や社会全体のどのような背景、経緯が転職の機会や、その後のキャリア形成と関連しているのかについては十分に明らかでなく、これからの研究の蓄積が待たれるところだといえます。
この研究プロジェクトでは社会学を専門とする研究者を中心に、転職者(転職希望者)と企業をつなぐさまざまな組織(職業紹介や人事・労務に関するサービスを提供する企業や公的機関など)の役割と、それが転職結果とどのように関連しているのかを明らかにすることを目指しています。これらの媒介組織が一連の転職過程で果たす役割は多岐に渡っているとされていますが、そうした事象はまだ日が浅いこともあり、基本的な知見を整理するところから始める必要があります。
そこで本プロジェクトでは、日本学術振興会の科学研究費補助金の助成を受け、2023年度より4年間、転職者(転職希望者)、企業、そして両者をつなぐ諸組織を対象とする調査研究を実施することとなりました。研究を通じ、現代日本のキャリア形成の現状と課題を明らかにすることで、人々がより働きやすく、暮らしやすい社会の姿を考えてゆくことが、わたしたちの大きな目的です。
キャリアと技能形成に関する全国オンライン調査
2024年1月より、日本全国にお住まいの25歳から39歳までの男女個人を対象に、働き方の現状や、キャリア、技能形成についてのご経験、お考えをうかがうウェブによるアンケートを実施したします。
詳細は、「キャリアと技能形成に関する全国オンライン調査」のページをご覧ください。
プロジェクトメンバー
石田賢示(研究代表者・東京大学社会科学研究所)
研究分担者・研究協力者(五十音順)
有田伸(分担者・東京大学社会科学研究所)
香川めい(分担者・大東文化大学)
元治恵子(分担者・明星大学)
仲修平(協力者・明治学院大学)
永吉希久子(協力者・東京大学社会科学研究所)