ゼミに応募する前に

更新日:10/15/2014

ゼミのコンセプト

いままでの学生生活で,以下のようなことを感じていませんか?

  • 大学に来たにもかかわらず勉強したという実感がわかない

  • 商学部でもっと専門的な研究をやってみたい

  • みんなと議論しながら勉強してみたい

専門ゼミ(演習Ⅰ・Ⅱ,演習論文)では,このようなニーズにこたえることを目的に開講されています. 当ゼミでは

  • 中央大学ではなく,外部でも通用することをやってみたい

  • 「感覚的」な議論ではなく,「論理的」(logical) な議論を追求してみたい

  • 「調べる」だけの勉強でなく,自らの頭を使って「考える」勉強をしてみたい

というような学生ニーズに応えたいと思っています.

とくに,当ゼミでは,以下の点を追求していきます.

  • 独自性 (Originality)
    「調べる」よりも「考える」を重視する
    多くの現象は,インターネットと検索エンジンで容易に検索できます. 単に「調べる」だけの研究は,もはやインターネットおよびGoogleなどの検索エンジンにまったく太刀打ちできません. それだけでの研究では,まったく新しい考えを得る提示こともできず,また,独自性 (originality) にも欠けます.
    当ゼミでは,自らの考えにもとづいて,独自の研究成果を提示していきます.
    こうした取り組みを通じて,学生諸君らが自らの力で新しい成果を結実できる能力を身につけられると期待しています.

  • 検証 (Evidence)
    「批評する」よりも「結果を出す」を重視する
    スポーツ解説をみていると感じる人もいるかと思いますが,単に他人を「批評する」のはそれほど難しいことではありません. それ以上にたいへんなことは自ら「結果を出す」ことです.
    しかし,たとえ自らの考えを示したとしても,それを「いうだけ」なら,誰でもできることです. もしかしたら,それは正しいことではなく,単なる「思い込み」かもしれません. それを多くの人に受け入れてもらうために,「結果」を示して,それが客観的に妥当かを示すほうが重要です.
    当ゼミでは,自らの考えが正しいか否かを示すために,実証分析 (empirical study) と呼ばれるデータを用いた分析方法で客観的に結果の妥当性を検証します.
    こうした取り組みを通じて,学生諸君らが他人を説得できるだけの結果を出す能力を身につけられると期待しています.

  • グローバルスタンダード (Global standard)
    「中大スタンダード」よりも「グローバルスタンダード」を重視する
    社会科学(経営学,経済学)は,その昔,西洋からの知識を「輸入」するだけの学問でした. しかし,ボーダレス化およびインターネットの普及はこうした役割を終焉させることになりました. そんな時代のなか,いまだにゼミや大学だけの中といった狭い視野の研究は「外の世界」ではまったく通用しません.
    当ゼミで取り扱うテーマは,「中大スタンダード」ではなく,「グローバルスタンダード」です. ゼミで取り扱う実証分析 (empirical study) は,海外の主要な論文誌 (journal) で用いられている,国際的にもっともスタンダードな分析方法です.
    当ゼミでは,他大学との合同ゼミを通じて,みなさんの研究がゼミの外でも通用するか試してもらいます. こうした取り組みを通じて,学生諸君らがどこでも活躍できる能力を身につけられると期待しています.

ゼミでやることは

ゼミの内容については,ゼミの内容を参照してください. また,ゼミのスケジュールについては,ゼミ(専門演習)のうち,「年間スケジュール」を参照してください.

 ゼミでは,毎回,数名の報告者が,各自あるいはグループでの研究の進捗状況および成果を 報告します. 研究報告をもとにゼミ生全員で議論をすすめ,報告者に対して次のステップへ向けたアドバイスを 行います. なお,ゼミ生のこれまでの研究テーマは「課題論文」および 「卒業論文」を参照してください. また,それと並行して, 専門書の輪読,データ・資料収集,ソフトウェア(PowerPoint,Excel,SPSS,TSPなど)や分析手法などの 基礎知識の習得も行います.

 とくに,3年次では,グループ研究(課題論文)を行い, その成果は「他大学とのゼミ交流会」および他大学との合同ゼミで報告します. また,3年次秋学期から卒業にかけては個人研究(卒業論文)を行い, その成果は,他大学との合同ゼミおよび「論文発表会」で報告します.

 このように,各グループあるいは各自の研究に専念するだけでなく, 積極的に中央大学以外の人たちの前で発表し,交流する場を設けています. これらを通じて,プレゼンテーション技法や人的ネットワークなど, さまざまな知識と経験を積んでいただくことを期待しています.

ゼミで守らなければならないこと

ゼミ生諸君にお願いすることは,報告・議論・連絡です.

月に数回,必ず報告する機会があります. また,報告後の議論に参加しなければなりません(少なくとも,その日に1回以上は発言しなければなりません).

加えて,ゼミ内での連絡は,ずべてネット上で行っています. 現在,E-MAILで連絡していますのでマメにチェックしていただくことになります.

いうまでもないことですが,病気や忌引などのやむを得ない理由を除き,欠席・遅刻は厳禁です. 詳細はゼミの注意事項を参照してください.

ゼミに適する学生像

(1) 研究や勉強を含めて積極的でやる気のある学生

これは最も重要な項目です. 研究活動や研究以外のゼミ活動に積極的な学生が応募してくれることを望んでいます. 特に「せっかく大学に来たのだから,もう少しアカデミックなことを学んでみたい」という学生に適しているゼミです. もちろん,社会科学(経営学・経済学)は現実と向き合った学問ですので, 常に現実社会を意識した研究テーマを取り扱っています.

(2) 社会科学(商学・経営学・経済学)の研究に関心をもつ人

「商学部」の専門ゼミですから,説明の必要は一切ないと思います.

(3) データを集めてそれをもとに分析してみたい学生

当ゼミでは,どこかの教科書やビジネス書に記載された内容を単にまとめていくようなことは一切行いません. 自らデータを集め、独自に分析を行い考察することを要求します. このようなスタイルの指導を望む学生に適したゼミと考えます.

(4) より高いレベルの研究をめざしたい学生

当ゼミでは,単なる知識の羅列や感覚や感情に頼る議論ではなく, 論理的(ロジカル)かつ科学的な議論を行います (論理性のない感覚的な議論をわざわざ授業中に実施する必要はありませんので, そういう議論はコンパの席でやることにしましょう).

また,当ゼミでは,どこの大学にいっても通用するレベルをめざします. 「遊び」程度の研究なら,他ゼミへの応募をおすすめします.

(5) 自らの研究成果をあげたい学生

当ゼミでは,単に本に書いてあることを「切り貼り」するだけの研究(卒業論文)は認められません (多くの学生がそのような内容にも関わらず,卒業論文として認められていることは たいへん残念なことです). 人の書いたことをまとめただけで独自の「成果」のないものは,そもそも「研究」と呼びません.

自らの力で何らかの新しい事実を提案してみてください.

(6) コンピュータ,数式,英語に抵抗感のない学生

あえて「抵抗感のない」と記述していることに注意してください. 「コンピュータおたく」である必要はありませんし,また, 数学が得意科目である必要もありません. しかし,ゼミ内での連絡はすべてネット上で行いますし,分析にはコンピュータを用います. また,分析方法を説明する場合,状況によって数式を用います. よって,コンピュータや数式に「アレルギー」を感じる学生は不向きかもしれません. ただし,得意である必要はなく,抵抗を感じない範囲で十分かと思いますし, これまで苦手であるがこういったことに積極的に取り組んでみたいという学生は歓迎します. なお,当ゼミは,英語の文献をよく用いますので,英語についても同様のことが必要となります (「英語だから読めません」というのは当ゼミでは一切通用しません).

(7) 基本的なマナーを守れる学生

ゼミでは, 「誰かが報告しているときには私語をしない」 「携帯電話をさわらない(鳴らすのは論外)」など, 最低限のマナーは守ってください. あと,「コンパ会場などで酒を飲めない人に対して無理に酒を飲ませない」 「タバコを吸わない人の近くでタバコを吸わない」 などのことは,いわれなくても遵守してください. 特に,タバコについてはかなり厳しく制限されますので,(喫煙者を排除するつもりはまったく ありませんが)喫煙者はそのことをあらかじめそのことを了承しておいてください. 当ゼミではゼミ教室はむろんのこと,授業の一環として実施している 合宿や研究交流会の宿泊先でも,非喫煙者の健康を守るために事前に指定された場所以外は すべて「禁煙」となります(ただし,ゼミのコンパなど,授業の一環として実施していない 行事については担当教員としての権限は行使できませんので, それぞれのマナーに任せるしかありません).

応募にあたって(「個別ゼミ相談会」への参加のお願い)

当ゼミでは,応募者全員に対して, 個別ゼミ相談会への参加をお願いしています (参加できなかった学生に対して,担当教員との事前面談 を応募の条件としています).

個別ゼミ相談会は,当ゼミの内容や指導方針をあらためて伝えるとともに,学生諸君のゼミへのマッチングをアドバイスすることを目的としています. また,個別ゼミ相談会だけでは十分に内容や指導方針を理解できなかった人は,担当教員と事前面談してみてください.

特に,毎年,1次募集に不合格になったために,適当に2次募集でゼミを選択する人がいますが,決しておすすめできることではありません. むろん,当ゼミではそのような人を受け入れるつもりはまったくありませんので,その点はご了承ください(当ゼミでは,圧倒的に1次募集のほうが合格確率は高くなります).

個別ゼミ相談会や担当教員の事前面談の結果,他ゼミへ応募いただいても結構ですし,また,しばし他ゼミへの応募をすすめることもあります. あくまでも個別ゼミ相談会や担当教員との事前面談は「ゼミ選択のアドバイス」ですので,その点は気軽に足を運んでください.

その結果,当ゼミを選ぶのが最適と自ら結論づけた人が応募してくだされば結構です(いうまでもなく,私から応募を依頼することはありません). 私としては,私のゼミに入っていただくことより,むしろそれぞれの学生諸君が商学部のゼミの中で自分に適したゼミに入っていただくことが最も大切なことだと考えています.

おわりに

相対的に当ゼミでの学生への要求レベルは高いのかもしれませんが,必ずしも優秀な学生ばかりではありません. いまもっている能力よりも,むしろこれから自らの能力を高めたい「向上心」をもつ学生に向いているゼミといえます.

なお,当ゼミの場合,多くの学生は「単独」で応募してきますので, 応募者に知り合いがいない人でも応募に躊躇する必要はありません. また,現在,担当教員は「課題演習」「ベーシック演習」など1-2年生対象の演習科目を担当していませんので,演習の授業で学生諸君と会うことははじめてとなります.

少なくとも,「アカデミックな研究レベル」は どこのゼミにも負けませんので,「このゼミで研究してみたい」と感じた 志の高い学生の応募をお待ちしています.

よくある質問に答えて(FAQ)も参考にしてみてください.