よくある質問に答えて(FAQ)
ゼミの日程や進め方など
Q. ゼミはいつ行われますか?
A. 2016年度現在,4年次は「木曜日4時限目」,3年次は「木曜日5時限目」を予定しています (あくまでも現在の予定ですので,必ず時間割で確認してください). ただし,学年に関わらずゼミを合同で実施しますので, 木曜日4-5時限目がゼミの時間と考えてください. なお,状況によって,6時限目まで延長されることがありますので, 入ゼミを希望する人は,木曜日3時以降の予定を空けておいてください.
Q. 「演習」の授業中にやることは何ですか?
A. ゼミ生による個人あるいはグループによる研究報告が主体となります. それぞれの研究テーマにしたがって,その週の報告者が調査・分析したことを発表します. 一方,ゼミで本を輪読することは行いません.
入ゼミから3年次夏休みまでは,グループで行う「課題研究」が中心となり, また,その後,4年次卒業までは,個人で行う「卒業研究」が中心となります.
Q. ゼミで必要なことは?
A. このゼミで最も大切なのは自主性・積極性です. 自ら積極的に研究に取り組む意欲があるという前提のもとで指導をしていきますし, 「教員や先輩が教えてくれるだろう」という受け身の態度では,このゼミでは何も習得できません.
中途半端な気持ちで入ゼミされると,私だけでなく真剣に研究活動に取り組みたい他のゼミ生にも 大変迷惑がかかりますので,その点を十分に理解して応募してください.
また,ゼミに入ることで,時間的な負担が増加するのは間違いありません. 単に,「単位を稼ぐために入ゼミする」あるいは「就職活動を有利にする」などを理由に入ゼミされると, 後で大変苦労することになりますので,この点を十分に心得た上で,入ゼミするようにしてください.
なお,このゼミでは,「自己責任」と「成果主義」をモットーとしています. ゼミでの活動はすべて自己責任のもとで何らかの成果を出すことを要求します. この姿勢は,今後,みなさんが社会に出たときに大いに役立つと信じています.
ゼミの特徴など
Q. このゼミでの研究内容の特徴は?
A. ゼミでの研究対象は,企業あるいは企(起)業家(entrepreneur)の戦略 (strategy) およびパフォーマンス (performance) です. 企業の参入(起業),退出,倒産,成長,収益性,マーケットシェア,イノベーション,株式公開 (IPO),広告・研究開発(R&D)投資,合併・買収 (M&A),分社化,多角化,コーポレートガバナンス,ペイアウトポリシーなど,さまざまな企業(あるいは起業家)の行動・戦略,パフォーマンスを研究対象としています.
また,分析方法として,データを用いて数量的に分析する, いわゆる実証分析(empirical study)(あるいは計量分析)に重点をおきます.
したがって,データを用いて,企業・起業家の行動・戦略,パフォーマンスを実証的に明らかにする ことが研究内容の特徴といえます.
Q. 「実証分析」(計量分析)とは何ですか?
A. 現在,社会科学(商学・経営学・経済学)で用いられる分析手法として,「理論分析」「事例分析」 「実証分析」などがあります.
実証分析(あるいは計量分析)では,自らの考え(仮説)が正しいか否かを実際のデータを用いて 検証する分析手法です. よって,データを収集する作業,データを整理・加工する作業,また,データを解析する作業がともないますので, ゼミではこれらの知識も身につけていくことになります.
なお,データを用いた分析は,英語で empirical study と言いますので 「実証分析」という用語が適切と思われますが,ときどき単なる事例分析(case study)を 「実証分析」と言う人がいるため,その場合には「計量分析」と呼ぶことで区別しています.
Q. ある有名企業を取り上げて研究したいのですが?
A. あくまでもみなさんが選んだ研究テーマをもとにすすめますので,どのようなことをゼミでやるかについて, 基本的にみなさんの興味に依存します. ただし,私の専門分野もありまので,その点を含めて検討した方が賢明でしょう.
私自身,実証分析(計量分析)を専門としており,ある特定の企業だけを取り上げて紹介する, いわゆる事例分析を専門としていません. よって,指導教員から指導を受けるという観点からいえば,単なる企業の事例紹介にとどまらず, 事例をもとに自分の考え(仮説)を示し,その考えを実際のデータを用いて検証するという分析手法を用いたほうが適切です.
だからと言って,事例分析を行いたい学生の受け入れを拒むつもりはまったくありません. とくに,私自身,起業家(零細企業の経営者)としての経験があり,また,実際にいくつかの企業の経営者や技術者にインタビューした経験もありますので,それらの経験をもとにしたアドバイスも可能でしょう.
ただし,本学商学部では,分析方法として,事例分析を用いるゼミのほうが多いと思われますので, 他のゼミと比較し検討した上で,選択してください. 単なる事例の紹介ならば,「あえて私のゼミを選ばなくてもよいのでは」というのも正直な感想です.
応募にあたって
応募書類作成・面接方法など
Q. どのように研究テーマを選べば良いですか?
A. 原則,興味があるテーマを選んでくだされば結構です. ただし,当たり前ですが,商学部のゼミですから,商学と関連があることが必要条件となり (そうでなければ商学部の専門ゼミと呼べません), 一言でいえば,経営・経済に関連して自ら興味あるテーマとなります.
加えて,ゼミの統一テーマに掲げた「企業の戦略とパフォーマンス」に関連していれば, より望ましいといえます.
たとえば,ここ数年,「ベンチャー」への期待が大きい感はありますが,成功する企業がいる一方,事業に失敗する企業も存在します. はたして,どのような企業の戦略が事業の成功・失敗につながっているのでしょうか. また,同様に,「選択と集中」の重要性が言われてますが,はたして選択と集中によって企業のパフォーマンスは良くなるのでしょうか. さらに,最近,大企業の合併(M&A)がしばしば行われますが,合併によってパフォーマンスはどのように変化するのでしょうか. このように,企業の戦略やパフォーマンスを対象に,研究テーマを考えてみてください.
とは言っても,学部生にとって,なかなか適切なテーマを選べないこともあるでしょう. そのような場合,新聞の経済・産業欄,ビジネスに関する専門書などに記載された企業の事例なども参考にしてみてください. とりあえず,その中で自分の興味ある企業,産業,あるいは政策などを見つけ出し,それをもとにテーマを考えてみてください.
なお,応募の際の研究テーマを必ずやらなければいけない訳ではありません. 実際のゼミ活動を通じで興味を感じたこと,あるいはゼミでの報告の中,先輩および同級生からの意見を聞きながら, より適切な研究テーマを選んでいけば良いと思います.
Q. 研究計画調書をどのように書けば良いですか?
A. 自分がやりたい研究を中心に,まとめていただくことになります. 「どのような研究をやりたいのか」「なぜ,その研究テーマをやりたいのか」「研究テーマについて,自分なりに調査したことは何か」など,読み手(私)が理解できるようにまとめてください.
Q. 面接はどのように行われますか?
A. 面接は教員および現ゼミ生によって行われます. ただし,採否の決定は教員が行います(教員が現ゼミ生に参考意見をうかがうことはありますが,採否の決定に学生が加わることはありません). 面接では多くの人と面接することになりますが,リラックスして自分の考えなどを述べていただければと思います.
なお,2次募集,編入生募集を実施する場合,教員だけによる面接になる場合があります.
ゼミの変更・履修登録など
Q. 3年次春学期から(内定している)他のゼミを辞退してこのゼミに変更することは可能ですか?
Q. 3年次春学期から新たにこのゼミに参加することは可能ですか?
A. 受入れ人数に余裕がある年度であり,かつ,制度的に変更が認められれば,問題ありません.
ただし,受入れにあたって,同様に試験を課すことになります. また,当ゼミでの要求レベルは必ずしも低くありませんので,その点は十分に留意して検討してください. 「もとのゼミは自分に合わないから」という理由で当ゼミに変更されるのは結構ですが, 「もとのゼミはレベルが高いから」という理由で当ゼミに変更されるのは賢明でないと思います.
Q. 3年次春学期にこのゼミから他のゼミへ変更することは可能ですか?
A. 学生の申し出を拒むつもりはまったくありませんので,制度的に変更が認められれば,問題ありません.
Q. 学期途中あるいは3年次終了時にゼミをやめることは可能ですか?
A. 履修は学生の権利なので,そもそも私がその申し出を拒む権利はありません.
ただし,当ゼミでは,「演習論文(卒業論文)」をかなり重視しており, 「卒業論文を完成させる」までを目標にスケジュールを組んでいます. あきらめずに最後までがんばってみることに努めてください. もし,はじめから途中でやめることを想定しているのであれば,当ゼミの応募を遠慮いただき, 他のゼミに応募していただくことをおすすめします.
その他
Q. どのゼミでどんな内容をやるかがわからないのですが?
A. 私のゼミに限らず,まず,事務室から配布された募集要項を読んでください. そのうち,自分が興味をもったゼミについて,「個別ゼミ相談会」を利用して,ゼミの様子を見学してください. 加えて,オフィスアワーなどを利用して教員の研究室を訪問し, どんなことをゼミでやるかを直接たずねてみる<べきと思います.
2年間の貴重な時間を費やす訳ですから,可能な限り,情報を収集して自分に適したゼミを見つけてください. 友達や先輩などのまわりの意見も参考になりますが,しばしば流言やデマなどが出回りますから,それに惑わされないことも大切です.
Q. 実際にビジネスの現場で役立つことをゼミで学びたいのですが?
A. この質問はかなり難問です. というより,「ビジネスの現場で役立つこと」の定義が人によって差異があるからです.
私自身,いくつかの職場での経験(サラリーマン,超零細企業の経営者等)がありますが,それぞれの職場によって必要な知識は異なり,一般的に「ビジネスの現場で役立つ知識」を明確にできないと考えています(強いて言えば,「人付き合い」ぐらいでしょう).
ゼミでは,実際の企業のデータにふれながら研究をすすめますので,概念的な議論が中心なゼミと比較すると,企業のことを知れるゼミだと思います. 加えて,「ビジネスを体験してみたい」であれば,ゼミ内で実施可能な「企業訪問」「工場見学」を積極的に活用していただければと思います.
以下,余談ですが,この質問に対する私自身の考えです.
私自身,超零細企業の経営者をつとめながら大学院で経営学・経済学を勉強しましたが,大学での学問は,「現場の視点」からすれば所詮「戯言」でしかありません. たとえケーススタディであっても,それが自分の会社に直接役立つと感じたことは一度もありません(ディスカッション能力を高める意味では役立ったと思いますが). 当時,ベンチャー企業の経営戦略のノウハウなどを期待して大学(院)に進学しましたが,結局,そのとき感じたことは,「大学に直接的な現場の知識を求めること自体に誤りがある」ということだけでした.
やはり,「餅は餅屋」であって,大学に「ビジネスの現場」を求めることは合理的とは思えません. ビジネスの現場を経験したいのであれば,大学の授業やゼミではなく,インターシップ,アルバイト,あるいは自ら創業してみた方が有効かもしれません(私は大学卒業後3年目で会社を創業しましたが,今の社会状況からすれば,在学中からの創業も可能だと思います).
逆に,考え方を換えて,「大学でしか学べないこと」をめざしてみてはいかがでしょうか? 所詮,大学はビジネスの現場ではありませんし,大学は「研究」のための機関(研究を通じた教育機関)に過ぎません. よって,「研究」というフレームワークの中で,自分のレベルをどこまで高められるかを試す機会としてとらえていただければと思います(そもそも,みなさん自身,そのような目的で大学に入学されていると理解しているのですが).
私のゼミでは,少なくとも,担当教員の能力や本学のカリキュラム体系等から考えて,大学学部として最大限のレベルをめざしています.
当ゼミで学んだことが,みなさんが将来的にはたらく職場で直接役立つかについては,みなさんの進路に大きく依存するので何とも言えません. むろん,大学院進学,社会科学系研究機関・シンクタンク等をめざす人にとっては,当ゼミで学んだことが役立つ可能性は十分にあると思われます.
ビジネスの現場においても,少なくとも,与えられたプロジェクトをどのように処理するか,論理的な議論の仕方,また,より高い次元での物事のとらえ方など,間接的に何かしら役立つことがあると期待しています.