成果は基礎能力と発揮能力の掛け算
・個々人が成長していくにあたっては段階があります。
・成長の段階は、最初は関心を持つことから始め、実際にやってみ、成果を出し、
そして、目標を達成し、やがてプロと言われる領域に入っていきます。
・この成長の段階は、難易度こそあれ、どのようなものでもほぼ共通しています。
・どのような段階があるのかがわかれば、いまどこまで来ていて、
あとどれくらいの段階があるかがわかり、成長するための手助けとなります。
・個人においては成長の手助けとなるし、指導する側にとってみれば、指導の手助けとなります。
・成長は、現在ある地点から目標とした地点までの進歩の過程、習熟レベルです。
・この段階を一歩一歩と上がっていくことが成長しているということになります。
・大きくは8つの段階に分かれます。
第1段階ー興味段階
・興味段階とは、関心を持つこと。
・「いいなぁ」と思ったり、資料を集めてみたり、人の話や講師の話を聞いたりして、
「何となく、やってみたいな。できるのではないか?」と思う段階です。
・たとえば、英語の勉強をしたいと思い、本を読んだり、英語教室の情報を集める状態もこのレベルです。
・このレベルでは興味・関心を持っているだけで、より具体的な行動は取られないから、
特別な成果が出るわけではありません。
第2段階ー計画段階
・第2段階は計画段階。
・第2段階では、目標に基づいて具体的に何を実行するかを計画することになります。
・そのため、実施する項目と期限を定めて着手する。この段階までは企画に相当します。
・英語の勉強の例であれば、「TOEICで600点を目指す」と決めて、
そのために英語教室に通うことを決め、「毎日、英語講座を聞く」とか、
「英語の番組を見る」のように計画をする段階に相当します。
第3段階ー試行段階
・第3段階は試行段階、やってみる段階。
・第3段階では、計画したことを実際にやってみます。
・英語教室に通い始めたり、実際にラジオ講座を毎日聞くということを始めます。
・この段階では、自分の計画したことが日々、確実に実行できる人とそうでない人にわかれます。
・実行できる人はすぐに次の段階に移行します。
・実行できない人は、英語教室には通うのだけれども宿題の英単語を調べるのができなかったり、
英語講座を聞く時間をとらなかったりします。
・できたり、できなかったりということが起きます。
・自分が決めたことなのに、なぜこのようなことが起きるのでしょうか。
・それは、計画を立てた時に、自分にとっては初めての到達目標であったり、
難しいことを設定してしまうという習性が人にはあるからです。
・そのため、計画したことを実際にやってみるとうまくいかないということが起きることがあります。
・くじける第一歩。この場合には、継続させるための細かな指導が必要です。
第4段階ー習慣化段階
・第4段階は習慣化の段階。
・第4段階では、なんとか試行段階を突破し、改善努力を継続して行えるようになる段階です。
・とっている行動がどのようなものであれ、指導者に言われなくとも自律的に行動できる、
やるべきことはやる、守るべきことは守ることができる段階です。
・英語教室には確実に行き、ラジオ講座も聞き、英語学習が定着した段階と言えます。
・この段階では、とりあえず継続してできているという状態にあります。
・初心者にありがちな、「参加することに意義がある」という継続を目的とした段階に相当します。
第5段階ー実践段階
・第5段階は実践段階。
・第5段階では、とっている行動としては、目標に直結したもの、成果を上げる内容に取り組む。
・その行動を確実に実行していくようにできる段階がこの段階。
・英語学習であれば、英単語をどんどん暗記し、会話力を高めている状態にあります。
第6段階ー進化段階
・第6段階は進化段階。
・第6段階では、数ある行動の中から、何が成果があるかを掴み取り、
集中してその成果ある行動をとることにより、いっそうの成果を出し始めます。
・これにより、自分の行動が自分自身を高める、進化することになります。
・英語学習であれば、目に入ったものをすべて英語で言うことを心がけたり、常に英語で考える、
知らない単語はすぐに辞書を引く等、常に成果を高めるためにすべてのことを
利用していこうとする状態です。
・ここまでくると、効率は極めて高くなっていきます。
第7段階ー成果獲得段階
・第7段階は成果獲得段階。
・第7段階では、これまでに努力してきたことが開花していきます。
・目標として定めたところまでほぼ達成していく。
・やればやるだけ成果が伴う状態といってもよいでしょう。
・この段階までくると、成果が出ることが自分自身わかっているから、他人から強制されたり、
実行を促されることなく、自律的に自分自身が進んで取り組みをしていく。
・多くの人の到達点はここまでです。
・英語学習で言えば、日常会話は困らない程度となり、ビジネスにおける会話もほぼできる状態になります。
第8段階ー成果共有化段階
・第8段階は成果を共有化する段階。
・第8段階では、自分がこれまでに身につけてきた方法をもとにして、
他の人にアドバイスをしたり、他の人を指導できるレベル。
・他の人を指導できる人というのはそれだけレベルが高いのです。
・英語学習では、自らの学んできた方法をもとにして、他の人に効果的なアドバイスをすることに相当します。
・このように、段階がわかることで、いま自分や相手がどのレベルにいるのかがわかります。
・この基礎能力と発揮能力の掛け算によって生み出される成果が変わってきます。
成果は基礎能力の発揮度合