19世紀まで、アメリカ音楽といってもスタイルの上ではヨーロッパ音楽とあまり変わらないものが多かったのですが、20世紀に入ってジャズが台頭しはじめる頃から次第に「アメリカらしさ」が意識されるようになり、それはまず「特別なもの」としてヨーロッパの音楽にも影響を与え、さらには普遍的かつ当たり前のものとして様々な音楽に浸透していきます。講義形式のこの講座では、20世紀アメリカ音楽がいかに「アメリカらしさ」を自覚し追求していくか、という問題意識を核としながら、さまざまな角度からアメリカ音楽文化を歴史の中に位置づけ、アメリカ音楽が歴史の中から何を受け継ぎ何を付け加えたのか、またアメリカ音楽の中にどう歴史が反映しているのか、を考えます。前期と後期の最後に室内楽や器楽を中心とした演奏会、年度末の3月にはオーケストラやダンスを伴う演奏会も予定しています。
【開催日時】年間14回。原則として隔週金曜の午後6時~7時半。
【予定】(期日・内容・担当者は変更になる場合があります。)
【前期】
第1回 4月20日 導入:歴史の中のアメリカ音楽 (吉成)
第2回 5月11日 A.コープランドの音楽 (谷口)
第3回 5月25日 「冗談音楽」の(中の)音楽史 (吉成)
第4回 6月 8日 ストラヴィンスキーの音列技法作品 (池原)
第5回 6月22日 《ショー・ボート》にみるアメリカ (早坂)
第6回 7月 6日 映画音楽史の中のアメリカ (栗山)
第7回 7月20日 演奏会(内容未定)
【後期】
第1回 9月14日 アメリカのロマン派と印象派 (谷口)
第2回 9月28日 アメリカ映画音楽の歴史 (栗山)
第3回 10月12日 20世紀アメリカのオルガン文化:教会から映画館へ (早坂)
第4回 10月26日 アンタイルの《ジャズ・シンフォニー》:改訂の経緯 (池原)
第5回 11月16日 音楽のアメリカニズム (谷口)
第6回 12月 7日 ニューヨーク・フィルにみるアメリカ音楽のヒット・チャート (吉成)
第7回 12月14日 演奏会(内容未定)
【会場】国立音楽大学6号館(AVセンター)113スタジオ。
【参加資格】音楽大学の授業に対応できる理解力を有するもの。
なお、国立音楽大学大学院の学生には「プロジェクト」という科目の授業として扱われます(通年2単位)。
【受講料】 国立音大の学生・大学院生は無料、それ以外は年間4万円。
【定員】30名程度。
受講申込の書類は国立音楽大学ホームページからダウンロードしてください。