【趣旨】
ジャズの台頭、録音・放送メディアや映画音楽の発達、消費的音楽文化の興隆といった条件がそろって出てくる20世紀前半のアメリカは、音楽文化史上の重要な転換点であり、今日の音楽文化の基礎を作った、とても重要な存在です。しかしこの時代のアメリカ音楽は、必ずしも十分に調査・研究が行われているとは言えません。代表的な作曲家であるガーシュインでさえ、きちんとした資料調査に基づく楽譜全集の刊行もまだ行われていないのが現状です。
本研究部門は、この時代の音楽文化を「現代のはじまり」として尊重し、その実態を把握するために文献・録音・映像等の資料や楽譜の調査を行うとともに、その成果を生かした演奏実践を行うことを目的とします。
当面(最低2年間)はおもに1920~30年代の音楽文化、とりわけガーシュインとその周辺を対象とし、通称ガーシュイン・プロジェクトとして活動します。
以下は2015年の概要です。
【主な活動内容】
・研究成果は、おもに論文や書籍などの形で公表します。
・研究成果の公表の一環として、公開講座や演奏会を行います。
・公開講座は、次の2つのシリーズで行います。
内容: ガーシュインを中心とするアメリカ音楽文化に関する講演を行います。前期後期それぞれの終わりに演奏会を行うほか、各講演の中でも随時演奏が含まれることがあります。
開催日時: 年間14回。原則として隔週金曜の6時~7時半。具体的な予定は別紙参照。
会場: 国立音楽大学6号館(AVセンター)113スタジオ。
参加資格: 音楽大学卒業または同程度の理解力を有するもの。なお、国立音楽大学大学院の学生には「プロジェクト」という科目の授業として扱われます(通年2単位)。
受講料: 国立音大の大学院生は無料、それ以外は年間4万円。
定員: 最大30名程度まで(先着順)。
内容: 1920年代のアメリカ音楽文化には、歌とダンスが欠かせません。ガーシュインの残した数々の歌の名曲を、「歌って踊る」ことをめざすワークショップです。
歌は本学声楽科の本島阿佐子准教授、ダンスはミュージカルの舞台や指導の経験が豊富なダイアナ・ボール・石山先生を中心に指導します。レッスンの成果は、上記「講座1」の演奏会で発表します。
開催日時: 年間14回。原則として隔週金曜の6時~7時半。具体的な予定は別紙参照。
会場: 国立音楽大学6号館(教育センター)201教室。
参加資格: 音楽大学の学生またはそれと同等の読譜力、歌唱力を有するもの。
必要に応じてオーディションをする場合があります。
大学院生の参加は可能ですが、この講座は大学院の授業としては扱いません。
この講座の受講生は「講座1」を無料で受講することができます。
受講料: 国立音楽大学の学生・大学院生は無料(実費のみ)、それ以外は年間4万円。
定員: 最大15名程度まで(希望者多数の場合初回に選抜を行います)。
【スタッフ】