研究5

ツノゼミの分類と系統進化

 

最近はツノゼミに夢中です。ツノゼミは幼虫期に多少ともアリと共生関係にあるものが多く、それが研究の動機でしたが、だんだんと形態の多様性の魅力にとりつかれていきました。

ツノゼミの多様性の中心は南北アメリカで、その地域では研究者も多く、研究が進んでいますが、東南アジアでは1950年頃を境に、ほとんど多様性解明の研究が進んでいません。そこで東南アジアに生息するツノゼミ亜科Centrotinaeを対象として、分類学的な研究を進めています。

また、ツノゼミ亜科は系統関係がほとんどわかっておらず、多数ある族の単系統性も不明です。さらに、ツノゼミには卵を保護する習性を持つものがおり、ツノゼミ亜科のなかでも多数の種が知られていますが、どのように進化したのかは一切不明です。このような背景のもと、分類学的な解明と亜社会性の進化を目的として、ツノゼミ亜科全体の系統関係をDNAで調べています。

 

   5-1. ツノゼミ亜科のいくつかの属の分類学的検討(一部、知久寿焼氏と共著)

   5-2. ツノゼミ亜科の系統進化