教育について

私の研究は分類を中心に、分子系統、化学分析等、いくつかの手法と視点から進められています。分類が中心ですので、分類の研究から対象生物群の種多様性を把握し、そこから面白い事象を見つけていく場合が多くなります。このような方法を基本として、研究の「独自性」と「生産性」を重視し、学生の将来を考えた課題を一緒に考えて行きたいと思っています。

もちろん、どんな生き物にも容易に面白い事象が見つかるわけではありませんから、その点も考慮に入れて最初に分類群を選択する必要があります。「好きだから」、「新種がたくさんいるから」という理由で分類を始める人がいますが、それで面白い研究ができるのは、よほど運が良いか、よほど優秀な人でしょう。つまり無謀ということです。幸い、私自身も処理し切れない多くの課題を抱えていますし、未発表の面白い事象には事欠きません。また、東南アジア(タイやマレーシア)の熱帯林を主な調査地としていますが、一緒に調査地を訪れ、面白い課題を探すことも可能です。

はっきりいって私のもとで研究を行うには根性が必要です。勉強することも手作業もたくさんあります。しかし、面白い研究というのは、そう簡単にはできませんし、苦労して初めて喜びが見いだせます。それでも面白い研究をやりたいという人はいつでも歓迎します。学生さんは農学部の昆虫学教室に所属してもらうことになります。

 

現在は昆虫学教室の博士課程の学生や卒論生にDNA実験を指導しています。主に昆虫学教室で分子系統をやっている学生さんやDNAバーコーディングをしている卒論生が対象です。博物館の生物実験室が主な作業場です。また、個人的に、農学部の学生に昆虫の分類を教えています。

現在の指導学生:金尾太輔、山本周平、有本晃一

 

 

卒業生

2011年度修士卒業生。弘岡拓人(ハラブトハナアブの分類)

2010年度学部卒業生。左から、加冷麻美(ハナバチのDNAバーコーディング)・久富倫子(ヨコバイのDNAバーコーディング)

2009年度学部卒業生。左から、安藤藍子(ヨコバイのDNAバーコーディング)・藤原希美(クサアリの分子系統)・堀江ちひろ(ハナバチのDNAバーコーディング)