柚の木学園ストーリー

ぼくのこと好き?

どうせ、ぼくのこと好かんちゃろ?

○○さんが初めて柚の木学園に実習でみえた時の言葉です

なぜそのような否定的なことばを話すのでしょう?

卒業後利用が始まってからも同じ

否定の繰り返し

「○○さん、この仕事してみようか」

いや

「○○さん、南保育園へたよりを持って行こう」

いや

いや

いや

すべて否定

本当に嫌なのかしら???

ところが、目の前の保育園に行くと笑顔がよく見られるのです

おかしい・・・?!

そこで、思い切って柚の木学園全体で

気持ちを持ち上げることにしました

「すごいやん!」

「できたやん!」

ふへへへ

「本当はしたいんだ 気持ちと正反対のことを言う癖がついてるんだ」

まんざらでもない様子に確信しました

気持ち上げ上げ

気持ち上げ上げ

気持ち上げ上げ

プラス言葉のシャワー!

そして今は フフ

ぼくすごいやろう!

ぼくできるんよ!

働く生活介護

作業はしたくない!

作業よりも好きなことがしたい!

初めはみんなそうです

「計量作業誰ですか~?」

「次は誰の番?」

支援員の声かけに聞こえないふり

名前を呼ばれ しょうがなく作業にかかる

作業の途中ですぐに「トイレに行ってきます」

「どうすればいいんだろう・・・」

支援員たちは考えました

「私たちが作業を楽しむ!喜ぶ笑う

常に笑顔で

そして、オーバーリアクションで

とにかく作業を楽しもう


すると

いつの間にか「一緒に作業がしたい」

利用者様から声がかかってきます!

作業が少しでも上手くいったら

「できるねぇ!」

褒めて

「さすが!」

褒めて褒めて

「すごい!」

褒めて褒めて褒めて


それを見た他の利用者様たちも  どんどん周りに集まってきて

今では作業の取り合いをしています  (*´艸`*)

その利用者様の「作業が楽しい」という気持ちが

数字の読めないにもかかわらず  計量ができるようになるまでに


そう!私たちは働く生活介護

僕の楽しみ

僕の楽しみはテレビを見ること」

「ご飯を食べること」

「それだけ...」

「他に楽しいことはないよ」


それは経験が少ないから

だから

ゆかいすくーるでいろいろな話をしよう

パソコンで世界を旅してみよう

みんなで日本の歌を歌ってみよう

また外出行事ができるようになったら

色々なところへ出かけよう

楽しみの引き出しをたくさん作って

毎日の生活に張りを持って

きっと今より もっともっと 毎日が楽しくなる


僕の楽しみはテレビを見ること」

「ご飯を食べること」

「それと学園に来てゆかいすくーるを見ること」


やったね!

ぼくが納品に行くから

人と関わるのが苦手

仕事は何でも器用にできるのに

自分が必要と思うことしかしない

納品には行かない

重たい資材も運ばない

ただ1人で黙々と仕事をする

「だって必要ないんだもん」

人と関わる楽しさを知ってほしい

『みんなと協力する気持ちを持ってほしい』

それが支援員の願い

時間をかけて 時間をかけて 時間をかけて 無理のないように・・・

ようやく納品に行ってくれるようになった

『良かった』

それは支援員の喜び

納品先の社員さんに褒められた

「いつも丁寧な仕事してくれているのを聞いています。ありがとうございます。これからもよろしくお願いしますね」

そのことばが彼を新しい世界へ引き込んだ

率先して納品に行きだした

納品に行くための資材運びも  もちろん!

「だってこの仕事を届けるのが僕の仕事だもん」

二人で一つの時間

「この子は私がずっと面倒を見ます」

ご家族はキリっと言い放った

言葉どおり福祉サービスのご利用はなく

二人で一つの時間が過ぎて行った

「この子も 自分も 歳を重ねてきました」

「これから先このまま私が面倒見ることは・・・」

はた目にもわかるくらい途方に暮れておられた

それならばと移動支援事業をご紹介したものの

いざ、外出されると

「私と離れて大丈夫なのだろうか」

心配で心配で胸が痛くなっておられる様子

ところが

帰ってこられた利用者様の満面の笑顔を見た途端

ご家族の目から涙が一筋

「こんなに輝く笑顔を持っていたんだね」

「私がそれを奪っていたのかもしれない」

次の予約をすぐにその場で入れられ

「どこに行ったの?」

「どんなことをしてきたの?」

話すことがたくさんありそう

これからは

 "一人ひとりの時間が  二つ  流れていきますね

「鬼!」

そう言って作業室を飛び出ていく

必死に逃げ回り  机の下に潜り込む

「オニぃぃぃ」

学園中にその声がこだまする

「でておいで」

「オニぃぃぃぃぃぃ」

毎日毎日この繰り返し

「鬼でいいよ  ここでこれしよ」

差し出したのは作業の資材・・・ではなく

お  り  が  み

「その中で折り紙 折ってみせてくれません?」

「ほう  立派な鶴  すごい  すごい」

「えっこれも折れるの」

「これも?!」

いつの間にか机の下ではなく

机の上で折り紙を折ることに

「ここ暗いから作業室で折ってくれる」

「いいよ」

「みんなぁ ほら見て立派な鶴でしょう」

すぅっごぉいぃぃ   ほかにもおってみせて

「いいよ」