さくらんぼ、せりが栽培されている三関扇状地では、適地適作が行われてきました。
三関扇状地の上流部ではさくらんぼを含む果樹に適した水はけのよい荒い土が、下流部ではイネやセリ栽培に適した漏水しづらい細かな土が広がっています。
小野小町ゆかりの名所がたくさんあります。例えば小町芍薬苑は小町の愛した芍薬と百夜通い (ももよがよい) という伝説をモチーフに造られた植物園です。また二ツ森は小町と小町を愛した深草少将の墓、岩屋堂は小町が晩年を過ごした洞窟と言い伝えられています。
小野城址では敵の侵攻を防ぐために掘られたとされる遺溝を見ることができます。周りは真砂土という砂場のような掘りやすい土でできており、花崗岩 (約9700万年~約6600万年頃に地下深くでマグマがゆっくり冷えて固まってできた岩石) が風化してできました。
相川公園は地域住民の憩いの場として親しまれています。春になるとユキツバキのほか、フクジュソウ、カタクリ、キクザキイチゲ、エゾエンゴサク、ニリンソウなどの山野草が咲き乱れます。
ユキツバキ群落
関口石採石場跡
香川寺の弥勒大仏像
関口石材街道では石材屋が並んでいます。かつて石材彫刻で用いられた「関口石」を近くで採ることができたためです。関口石は約1600万年~1200万年前の海の堆積物からなる砂岩で、貝化石やサメの歯が出てきたりします。水平な縞模様が特徴です。
香川寺の弥勒大仏像は高さ4m85cmもある関口石の石像で市指定有形文化財です。
北向き観音マリア像
北向き観音マリア像は、隠れキリシタンの歴史を知る上で大切な石像です。
キリシタンの弾圧が江戸幕府の布告した禁教令により行われ、西日本から多くのキリシタンが湯沢市に入り身を潜めました。来るものを拒まない寛容な風土の鉱山が湯沢市にあったことや秋田藩 (久保田藩) の藩主 佐竹氏の側室 西の丸がキリシタンだったことが関係しています。
しかし、そうした中でも、キリシタンの処刑は行われてしまいました。北向き観音マリア像は処刑のあった秋田市の方角を向いています。
三関風穴
蚕と桑
蚕供養塔
三関風穴は年中冷たい風の吹く風穴で、蚕の卵を保管する際に役立ちました。養蚕が盛んだった時代が湯沢市にあり、蚕の供養塔や山桑 (蚕の餌) などのかつての名残も見ることができます。
三関風穴では冷風の影響で土壌動物 (分解者) があまりおらず、未分解の落ち葉が深く堆積しています。一方で多様な蘚苔類や地衣類が見られます。蘚苔類は乾燥や寒さに耐えることのできる生態を、また地衣類は菌類と藻類の共生関係を持っているため寒さの厳しい風穴でも生き残れると考えられています。
ヘリトリゴケ
アカミゴケ
赤塚白山神社のおしら様の枝垂れ桜。おしら様 (蚕の神) を祀っています。
イバラトミヨ (Pungitius sp. Omono type) の保全が先駆けて行われました。特徴的な棘型の背鰭を持っている、湧水地の魚ですが、周辺水路でも見ることができます。
道の駅おがちには小野小町伝説に詳しいガイドがいます。レストランでの食事、お土産の購入もできます。