吉永研究室では、修士課程(東北大学会計大学院 会計リサーチコース)のみに進学する方、および修士課程から博士後期課程への進学を目指す方を受け付けています。
【修士課程のみの方】
大学院修了後は、他の会計大学院生と同様に民間企業等への就職となります。
【博士後期課程を目指す方】
既に職をお持ちの方等、進路が決まっている方以外は、大学院や研究機関に所属する「研究者教員」を目指す指導を行います。
財務会計に関する実証分析の論文執筆を指導します。コーポレート・ファイナンス的な要素が含まれるテーマも対応可能です(※純粋なファイナンス理論・分析、数理モデルのみの指導は難しいためご注意ください)。
研究者教員としてスムーズに大学へ着任するための目標は、博士3年(D3)の就職活動開始時点までに「論文3本の掲載」を達成することです。これは多くの公募条件を満たす最低ラインです。もちろん、簡単ではありませんが、決して不可能ではないハードルです。なお、M1〜D1の3年間が最も過酷ですが、ここをうまく乗り切ればゆとりが出てきます。
修士1年(M1):実証論文の実践的な執筆能力を獲得するために、Working Paper 1本の完成を目指す。場合によっては、教育目的で共著者として吉永の研究に携わって頂く。最初は補助輪付きで執筆、いずれは一人で論文を書けるように。
修士2年(M2):修士論文を執筆。予算状況に応じ、海外学会での報告なども推奨。体力のある若者は、可能な限り海外経験を積みましょう。
博士1年(D1):論文のブラッシュアップ、学会誌への投稿、査読対応。国内外での学会発表を通じて研究者ネットワークを広げる。
博士2年(D2):投稿論文の掲載を目指す。ここまで予定通りに進んでいれば、時間のゆとりが出てくる時期です。
博士3年(D3):大学教員の公募案件に対する就職活動を実施。これまでの成果をまとめ、博士論文を執筆。
【修士課程からの指導希望者】
東北大学会計大学院における「会計リサーチコース」に進学してください(他のコースは不可)。
東北大学会計大学院における、主に日本語でのコースワークをこなせること。
学部時代の卒業論文などで会計・ファイナンスに関する実証分析を行う経験を持っておくことを極めて強く推奨します。
【博士後期課程からの指導希望者】
実証分析を用いた学術論文(Working Paper含む)の執筆経験を極めて強く推奨します。
日本語で円滑なコミュニケーションができること。
【事前の分析や論文執筆経験を求める理由】
スケジュールの過酷さ:
修士課程では会計大学院における通常のコースワークに加えて論文執筆が求められるため、スケジュール的に実証分析の基本的な学習から行うのは厳しいです。
博士後期課程では2〜3年で複数本の論文掲載を狙うため、入学後にゼロから分析手法を学ぶ時間的猶予はありません。
研究者適性の確認:
問題意識の発見や実証論文の執筆には、試験勉強とは異なる適性が必要です。事前に論文の執筆を経験することで、研究者適性を見極める必要があるためです。
※指導教員と学生は、互いの貴重なリソースを投じ合う関係となります。互いにリスペクトを持ち、誠実に研究指導に向き合える方のご応募をお待ちしています。
学部の吉永ゼミでは、研究者を目指す学部学生も募集しています。こうした学生に対しては、学部生のときから修士・博士課程への進学を目指した特別指導を行います。さすがに他の先生との関係や私のキャパシティもあり、他の先生の指導下の学生を私が指導するわけにはいかず、特別指導を行う必要があるので、うちの学部ゼミに応募して、早めにその旨を伝えてください。
A. 吉永自身は3つの魅力を感じています。
業績が個人の名前で蓄積されること
民間でも省庁でも、有意義な仕事は多いと思いますが、自分の行った成果が生涯にわたり自分の実績として残る仕事は、なかなかないと思います。
成果が世界・後世に残り続けること
論文はDOI(永続的URL)を通じて世界中に公開され、死後も知見として遺ります。吉永は年を取って少しずつ体の調子が悪くなるにつれて、後世に何を残せるのかと考えることが増えました。論文はその答えの1つだと思っています。
次世代の若者を育成できること
教員として、未来を担う優秀な学生を指導し、成長を支援できる点に大きな価値を感じています。キャパシティに限度はありますが、上から受けた恩を下の世代に返していくのが、私の考える理想の生き方の1つだからです。
A. 適切に業績を出せば十分に可能です(分野による話だと思いますが、少なくとも指導下である財務会計分野は比較的求人が多い分野です)。
大学教員の公募案件は募集枠1人に対する競争となるため容易ではありませんが、十分な論文実績があれば就職可能です。D3までに論文3本を揃えた知り合いの若手研究者は、みなスムーズに就職している印象です。吉永自身も27歳で博士号を取得し、同年4月に東北大学で准教授に着任しています。
特に東北大学会計大学院では、財務会計の基準、管理会計、監査、簿記、原価計算、財務諸表分析、企業価値評価といった大学の講義でニーズの高い科目を網羅的に学べるため、研究力と教育力を兼ね備えた若手として評価されやすい強みがあります。
A. 両者を比較検討した上で、覚悟を持って一本に絞ることを強く推奨します。
自身の適性や価値観(経済面、自由度、やりたい仕事など)を比較し、覚悟を決めて決断してください。就職活動と研究者志望の両立(二兎を追うこと)は、スケジュールの観点から挫折するリスクが極めて高いので推奨できません。
吉永は民間勤務している先輩や内定をもらった先輩、大学勤務の先生方に相談をさせて頂いて両者を比較検討し、最終的に大学研究者を目指すことを決断しました。具体的には、経済面、安定性、実現可能性、業務面、適性などを考慮して、どちらも良いなと思いつつ、最終的には「いい意味で他の人があまり取らない選択肢を選ぶ方が面白い」と思い、研究者教員を目指すようになりました。
なお、昔からたまーに聞きますが、「民間や省庁に就職できないから、消極的に大学院で研究者を目指す」という意思決定は絶対にやめた方が良いと思います。おそらく、大学院在籍中に挫折します。就活などと並行するのも無理だと思います。学業・研究と並行して完璧な就活をこなすのは極めて困難であり、私自身も研究一本に絞ることでしか成果を出せませんでした。二兎を追う者は一兎をも得ず。大学院に来たのなら、目標は1つに集中しましょう。
A. 基本的に「Office」および「Stata」を使用します。
Officeは大学より提供され、Stataは吉永研究室で提供します。最近はPythonを使用する方もおり、他のものを使用することを禁止してはいませんが、私からのテクニカルな指導・サポートが困難になるため推奨しません。
A. 様々な支援制度が存在します(以下、2026年9月時点の情報)。
修士課程
「須永基金」(東北大経済学部からの進学者向け給付奨学金)や、日本学生支援機構の奨学金(返還免除制度あり)など。
博士後期課程
日本学術振興会「特別研究員(DC1・DC2)」への応募を必須として指導します(採択者は研究奨励金+研究費が交付され、授業料免除の対象にもなります)。その他、東北大学独自のプログラムも拡充されています。
※最新の情報は各自調べてもらえればと思いますが、執筆時点において大学院学生に対する経済的支援の施策はいくつかあり、どんどん拡充されている印象です。
※そのほか、吉永に認められた予算の範囲内でTAやRAなど(有給)を行って経済的支援を行おうと思っています。
A. 実務的な視点と、将来の担当授業に関するアドバンテージが得られる点です。
会計大学院の修士課程のコースワークでは、実務家教員による授業を通じて現場目線を学べるほか、大学教員に着任した際、担当を求められやすい会計系科目(簿記・財務諸表分析等)の網羅的な知識が身につきます。
A. 理論上は可能ですが、極めてハードです。
当該プログラムは、学部・修士を計5年で修了する制度ですが、研究者志望の場合は業績作りも1年前倒しになるため、膨大な労力が必要です。リサーチペーパーの執筆が不要であり、民間就職を目指すビジネスアカウンティングコース、及び公認会計士コースであれば非常に有効な制度ですが、研究者志望の場合は「全てを研究に捧げるレベルの覚悟」が必要になります(実は吉永も5年一貫プログラムの経験者ですが。。)。
A. 指導キャパシティの都合上、現在は受け入れておりません。