Favorite Books

おすすめの本

 自身の趣味を赤裸々に語ることで、世間に恥を垂れ流すスタイル。興味があれば手にとってご覧ください。

 ※昔読んだ内容を思い出しながら書いた作品もあるので、間違ったことを書いていたらごめんなさい。

データ分析

「儲かる会社」の財務諸表~48の実例で身につく経営力・会計力~,山根節著,光文社新書,2015年。

 財務諸表は最初に見たとき、どう読めば良いのか悩むと思います。しかし、技術を身につければ難しくはありません。財務諸表はどうすれば読めるのか、財務諸表から何を読み取れるのかについて、実際の企業の財務諸表を提示しながら紹介している良書です。いずれ、こういう分析ができるようになってほしいものです。

『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』,伊藤公一朗著,光文社新書,2017年。

 卒業論文ではデータ分析を行う人が多いのですが、自分で分析するときや、他人の分析結果を見るときに気を付けねばならない点が分かりやすく書かれています。

『実証分析入門』,森田果著,日本評論社,2014年。

 さすがモリハツ、私にできない事を平然とやってのける。そこにシビれるあこがれる。フリーダムな各章サブタイトルや脚注に注目しがちですが、数式をできるだけ使わずに実証分析の基礎をわかりやすく説明している良書です。

『ヘンな論文』,サンキュータツオ著,角川学芸出版,2015年。

 皆さんは論文をとても堅苦しい真面目なものと思っているかもしれません。確かに論文は論理的で説得的で客観的でなければいけませんが、テーマ自体は自由なものです。ヘンな論文の数々を、ぜひ拝んで笑って、そして卒論でチャレンジしてみてください。

論文・レポート執筆

論理が伝わる世界標準の「書く技術」倉島保美著,講談社,2012年。

 パラグラフ・ライティングの技術について、大学1年生でも読めるよう、とてもわかりやすくまとまっている良書です。レポートや卒論だけでなく、ビジネスでも役に立つので、大学生は社会に出る前の必読書ではないかと思います。これは是非読んでください。

小説

『日の名残り』,カズオ・イシグロ著/土屋政雄訳,早川書房,2001年。

 言葉や文章は、文意通りに捉えるだけでは十分に理解できたとは言えません。むしろ語られた言葉の裏を読むこと、語られていないことに注目することで、もっと多くのことがわかってきます。主人公は何を語れなかったのか。何を語りたくなかったのか。何に気づけなかったのか。それはなぜなのか。読みながら色々と考えてみると面白いと思います。

『一九八四年 新訳版』,ジョージ・オーウェル著/高橋和久訳,ハヤカワepi文庫,2009年。

 『動物農場』すばらし新世界』と比較すると面白いはず。テレビであれ新聞であれネットであれ、情報を取得する際に背後に操作や監視の目の可能性を考えずにはいられなくなる1冊です。

『アルジャーノンに花束を』,ダニエル・キイス著/小尾芙佐訳,早川書房,1999年。

 ストーリーはもちろん、訳が秀逸。『フランケンシュタイン』のように科学万能主義に対する反論とも読めますが、聡明な人の苦しさと忘却の虚しさを描いているようにも思います。この本を読んだ上で、学ぶことや生きることをどう考えるのか、聞いてみたいところです。

『モモ』、ミヒャエル・エンデ著/大島 かおり訳、岩波書店、1976年。

 不朽の名作。効率を重視するのは、効率を度外視してでも大切にしたいものを守るためだと思い出させてくれる一冊です。

『老人と海』、アーネスト・ヘミングウェイ著/小川 高義訳、光文社古典新訳文庫、2014年。

 優れた小説家が何たるかを教えてくれる作品です。ストーリーは頑固な爺さんが漁に行って帰ってくるだけ。正直、爺さんが漁に出るまでは退屈でした。何が古典的な名著なのだと。しかし、爺さんの釣り竿に大マグロが引っかかった時、物語が加速します。ページをめくる手が止まりません。ストーリーにも人物にも飛び抜けた魅力があるわけではない。それなのに読者に読ませてしまう技術。文学に詳しくない私でも、これが物書きの極致の一つなのだと実感しました。

『告白』、湊かなえ著、双葉社、2010年。

 娘を殺された女性教師に始まり、事件の関係者が順番に告白することで徐々に事件の真相が明らかになっていき、最後の告白で衝撃的な結末が。。ネタバレを避けるために多くは語りませんが、読み終わった後の衝撃は忘れられません。

『藪の中』、芥川龍之介。

 『告白』について書きながら思い出した名作。1つの殺人事件について、事件の関係者や逮捕された犯人、なんと殺された被害者までもが霊媒で呼び出されて事件について供述していきます。徐々に事件のあらましが明らかになると思いきや、どういうわけか真相は藪の中。最初に読み終えたとき、身震いしたのを覚えています。

教養

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?経営における「アート」と「サイエンス」』、山口周著、光文社新書、2017

 なぜ大学時代に学業以外の経験が必要なのか、特に文学や芸術に触れる機会が大切であるのかが読み取れる良書です。大学の授業では、データ分析や財務諸表の読み方、論理的な思考や議論という「サイエンス」の技術は教えることが可能です。実体験に基づく「クラフト」の能力は、社会に出れば自ずと蓄積されていきます。しかし、授業でも仕事でも、芸術的な直観である「アート」の能力を鍛えることはできません。そのため、大学では授業や勉強以外に、学業とは異なる様々な文化的な経験を積んでほしいと思っています。良い本や詩を読んで心の琴線に触れる言葉に出会い、哲学で自分なりの価値観を築き、美しい音楽で想像力を掻き立て、美術館で感性を磨き、自然に触れて世界を感じる。これこそ、海外の忙しい学生生活では得られない日本の文系大学生の特権です。

哲学

『超筋トレが最強のソリューションである』、Testosterone、 久保孝史、福島モンタ 著

 その昔、博士論文の筆がなかなか進まなかったとき、自分に足りないものは何かと思い悩んだ時期がありました。情熱、思想、理念、頭脳、気品、優雅さ、勤勉さ。数々の可能性を挙げつつも、選ばれたのは筋肉でした。困ったときに筋トレとランニングをしておけば、人生なんとかなるものです。あの輝かしい筋トレの日々をもう一度。そう思ったときに手にとってください。

『読書について 他二篇』、ショウペンハウエル著/斎藤 忍随 訳岩波文庫、1960年。

 『読書について』と第した本の中で「本なんか読むな」と語るファンキーなおじさん。「いやちょっと、そこまで言わなくていいんじゃないですか」となだめたり、ツッコミを入れつつ読むのがお気に入りです。

『私の個人主義』、夏目漱石著。

 『こゝろ』で有名な夏目漱石先生が学習院で学生に向けて行った講演録。大正時代の講演でありながら、論じられた「個人主義」には令和の現代に通ずるものがあります。学生のうちに一度目を通してはいかがでしょうか。

『地獄は克服できる』、ヘルマン・ヘッセ著/ フォルカー ミヒェルス (編集) /岡田朝雄訳、草思社、2001年。

 その昔、博士過程の修行中に心が潰れそうになったときに支えてくれた1冊。絶望の淵にあるとき、自分自身の絶望を正面から見据えてその原因を突き止め、解決策を導くのは大変なことだと思います。しかし、著者は自身の絶望を理解するにとどまらず、これをわかり易い言葉で表現していました。その精神力には、思わず頭を下げずにはいられません。私にとって、初めて「畏敬」という言葉の意味を実感した本です。

漫画

『鋼の錬金術師』、荒川弘著、スクウェア・エニックス。

 少年漫画の金字塔。あまりの人気に最終回が掲載されたガンガンがあっという間に完売して入手困難になってしまったことから後で再び最終回が掲載されることになり、計2回も最終回が掲載されるという伝説を残した作品です。

 魔法のような錬金術を駆使した派手なバトル・アクション、様々な思惑が交錯する世界、カッコいいおっさんたち、と魅力あふれる要素が盛りだくさん。万人にオススメできる作品です。アニメもおすすめ。

『少女終末旅行』、つくみず著、新潮社。

 キャッチコピーは「ぜつぼうとなかよく。」独特な雰囲気の終末世界を生きる2人の少女の旅行記です。終末世界の日常は、我々の世界の非日常。彼女らが語る言葉は我々の常識から少しずれていて、本質をついていたりいなかったり。どの書店を回ってもなぜか5巻だけ売り切れで、揃えるのに時間がかかったシリーズです。アニメもおすすめ。

『ブッタとシッタカブッタ』、小泉 吉宏著、KADOKAWA。

 少し笑えて少し考えさせられる、そんな4コママンガのオンパレード。読んだのは小学生のときですが、大人になっても時折読み返してみたいと思えるシリーズです。

『兄友』、赤瓦もどむ著、白泉社。

 恋愛版すれ違いコント。魅力的なキャラクターが数多く出てきますが、一番好きなのは、登場する度にスクショタイムをくれる家電量販店のおじさん。

『デビルマン』、永井豪著

 長きにわたる眠りから覚めたデーモンは、その圧倒的な力で人類から地球を取り返そうと活動を開始。敵であるはずのデーモンの力を持ちながら人間の心を持ち続けることに偶然成功した少年不動明は、デビルマンとして人類を守るためのデーモンとの戦いに身を投じていく。ここまでならバトル系少年漫画によくある流れですが、話が進むにつれて不穏な空気が漂っていきます。タイトルの『デビルマン』の意味に気づいたときの衝撃といったらもう。。。