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アセスメント
:情報を分析し見解をまとめること
アセスメントのわかりにくさ
アセスメントして方針を立てる。アセスメントして計画を見直す。アセスメントして終結する。アセスメントという言葉は、あちらこちらによく出てきます。アセスメントはいくつかの種類があり、目的も異なるのに言葉が同じというややこしさです。
ここでは、最も活用頻度が高く、最初にすることになる重要なアセスメントについて解説します。
A:安全を測るものさし
わたしたちが知りたいのは、子どもの安全です。アセスメントは、安全を測る客観的なものさしとなります。
ものさしの目盛りは、わたしたちの感情や感覚の外にあるので、いろいろな思いの保護者や関係機関と現状を客観的に共有できます。
B:解決するゴール
アセスメントの目盛りとなる具体例は、同時に、解決すべき虐待事実であり、解決がゴールです。
ものさしの紹介
「子ども虐待対応の手引き」から、2枚のシートを紹介します。現場に合った非常に良くできたシートです。該当する小項目を含む大項目の数値が求めるアセスメントの値です。
一時保護決定に向けてのアセスメントシート
(子ども虐待対応の手引き)
一時保護に向けてのフローチャート
(子ども虐待対応の手引き)
使い方は、2枚を見比べて使うのですが、見比べづらいと感じることもあろうかと思います。
で、1枚にしました。
合体シート
Yesが該当。Noが非該当。左上の①から順に見ていく。フローチャートの特徴から、①があれば②を見るが、①がなければ③へ。④があれば⑤を見るが、④がなければ⑥へ進む。
一番上で該当した具体例を含む大見出しの番号がアセスメントの値となります。
平成28年以降、このシートの見方に新たな視点が加わりました。要支援児童です。
次の表は「要支援児童等の情報提供に係る保健・医療・福祉・教育等の連携の一層の推進について」(以下情報提供通知)の別表3です。別表は1〜3まであり、別表1が特定妊婦。別表2は乳幼児。別表3は就学児の要支援児童具体例です。虐待は虐待事実が一つあれば通告しますが、要支援児童は「複数」「継続的に」あるため、「支援が必要」と考えたものが情報提供を考えるものとなります。
別表3
要支援児童等の情報提供に係る保健・医療・福祉・教育等の連携の一層の推進について
要支援児童の登場で、ものさしのに要支援児童が含まれていることがわかりました。具体例で比較すると、次の表のようになります。
点線内アセス⑥〜⑧は要支援の具体例とほぼ一致。虐待は主に⑤まででした。⑥の内、保護者の行為により子に著しい心理的外傷が生じているものは虐待と考えられますが、保護者が「些細なことでも激しく怒る」や、子が「保護者の顔色を伺う」などは要支援児童の具体例となります。
別表1〜3によると、要支援児童は市町村へ情報提供する。つまり、⑥以下の大半は虐待ではないので虐待防止法は使えず、通告ではなく児童福祉法21条の10の5で市町村へ情報提供します。
情報提供は、原則、情報提供する機関から保護者に情報提供の概要及び市町村の支援が、養育の支援となると説明して、市町村へ情報提供する必要がある旨の記述が「要支援児童等の情報提供に係る保健・医療・福祉・教育等の連携の一層の推進について」にあるため、市町村から保護者への連絡はスムーズに進むでしょう。
なお、保健・医療・福祉・教育機関から児童相談所へ、保護者の承諾なく行う情報提供については、法的な根拠が見当たりません。
※ 「要支援児童等の情報提供に係る保健・医療・福祉・教育等の連携の一層の推進について」は警察を対象にしていない。警察は少年警察活動規則に沿って児童相談所へ通告する。
児童福祉法第二十一条の十の五 病院、診療所、児童福祉施設、学校その他児童又は妊産婦の医療、福祉又は教育に関する機関及び医師、歯科医師、保健師、助産師、看護師、児童福祉施設の職員、学校の教職員その他児童又は妊産婦の医療、福祉又は教育に関連する職務に従事する者は、要支援児童等と思われる者を把握したときは、当該者の情報をその現在地の市町村に提供するよう努めなければならない。
※警察は含まれない
ということで、全部入りのシートを作ったらこんな感じでした。情報提供通知の別表2と別表3と同内容の通知が文科省「学校・教育委員会等向け虐待対応の手引き」の虐待リスクのチェックリストとして1枚に納められていますのでそちらを裏面につけました。