無虹彩が見つかったことを機に、WAGR症候群(11p13欠失症候群)を疑われることが多いようです(もちろん全員がそうというわけではありません)。ほとんど全ての患者さんに無虹彩があるため、かつては無虹彩症と他の1つの症状(泌尿生殖器異常、ウィルムス腫瘍、精神発達遅滞+腎障害)がみられた場合には、臨床的にWAGR症候群と診断されてきました。
現在ではWAGR症候群(11p13欠失症候群)が疑われると、染色体検査を行って診断される場合が多くなっています(遺伝子検査を実施するか否かは、最終的には患者・ご家族が決めることであり、必ずしもしなければならないというわけではありません)。
多くの染色体検査は、血液検査で欠失の有無を診断できます。Karyotype、Fluorescence in situ hybridization(FISH法)、Comparative Genomic Hybridization(CGH)など、様々な染色体解析技術があり、それぞれ精度の違いや特徴があります。11p13領域の微細欠失があるか、PAX6やWT1の欠失があるかなどを調べることで診断がなされています。CGHなどのより精度の高い検査法で詳細な欠失範囲を調べることにより、PAX6とWT1以外の遺伝子の欠失の可能性もわかり、診療方針を決めるのに役立てることもできるようになってきています。
ただしどんな欠失があるかを知ることのマイナス面もありますので、遺伝子検査をする是非については、患者・家族と専門家の間でよく話し合うことが薦められます。
by Madoka Hasegawa