WAGR症候群(11p13欠失症候群)とは、11番染色体短腕13領域(11p13)の微細欠失による隣接遺伝子症候群です。
世界でも数百例程度しか報告のない極めて稀な症候群で、日本での発生頻度は数百名程度とされています。
WAGR症候群という呼び方は、この症候群に特徴的な4主徴の頭文字に由来します。
W (Wilms’ Tumor) ウィルムス腫瘍
A (Aniridia) 無虹彩
G (Genito-Urinary Anomalies) 泌尿生殖器異常
R (mental Retardation) 精神発達遅滞
近年では、これらに加え慢性腎臓病が大事な症候の1つとされています。
さらに、過食・肥満、睡眠障害、発達障害、筋骨格系異常、頭蓋顔面異常など他にもWAGR症候群(11p13欠失症候群)によくみられることが知られている疾患がありますが、4主徴も含め全てが現れるわけではありません。
11p13領域には、PAX6遺伝子とWT1遺伝子が隣接して存在し、これらの欠失が特徴的な4徴候と関連しているかもしれないとされています。実際には、遺伝子欠失範囲や異常はバリエーションに富み、欠失範囲が11p13領域より広い範囲に及ぶ場合も多くあります。各個人の臨床症状や重症度はさまざまです。近年では、疾患と病因を正しく表現するために、WAGR/11p Deletion Syndromeという呼び名も推奨されています。
第3次指定難病では「11p13欠失症候群」という呼び名で扱われています。
WAGR症候群(11p13欠失症候群)に特有な問題に配慮しつつ、それぞれの患者に合わせたカスタムメイドの治療が求められます。
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by Madoka Hasegawa