WAGR症候群の子どもたちや大人たちの多くが行動障害を持っています。そのような行動のせいで、本人や家族の毎日の生活は難しいものになりえますし、家族関係や学校、仕事、地域社会への参加を困難にすることもあるでしょう。 このような行動の考えうる原因はたくさんあります;過度の心配、自閉症のような行動、叫び声、自分や他人への攻撃性、癇癪やメルトダウンなどが含まれます。正しい診断を受けることが最初のステップです。情報や実践的な道具、行動への介入、場合によっては投薬によって、親や子供たちは対処の仕方を学び、打ち勝つことができます。
WAGR症候群の問題行動にはたくさんの考えうる原因があります。正しい診断を受けることが効果的な治療法を見つけるカギとなります。
医師があなたのお子さんの問題行動の原因を見つけるために、あなたができることを学びましょう
→こちら:行動障害とWAGR症候群
聴覚情報処理障害
WAGR症候群の患者さんの90%以上が聴覚情報処理障害(APD)をもっています。
APDは、脳が音を受け取り、整理し、処理する方法に影響を与えます。APDのこどもと大人は通常、正常な聴力をもっています。しかし、他の人がしているようには聞いた情報を処理することはできません。これによって、音、特に会話に関する音を認識し解釈することが困難になります。
APDは、軽度、中等度または重度の場合があります。軽度から中等度APDでは、教室やレストランなどの騒がしい環境で、指示に従ったり会話を理解する際に問題が生じます。重度のAPDでは、会話を理解したり会話できるようになるのに問題が生じることがあります。
APDを早期に診断して治療することで、子どもがコミュニケーションをとったり学習する際のふるまいや能力に大きな違いをもたらす可能性があります。
→さらなる情報はこちら
APDを理解する(英語のサイトです)
感覚統合障害
WAGRWAGR症候群の人の中には、感覚統合障害(SPD)と呼ばれる状態にある場合があります。SPDのある人は、視覚や音、身体的感覚に対して極端な反応を示すことがあります。これらの反応には、叫ぶ、どなる、メルトダウン、自分自身や他人への攻撃性が含まれます。SPDがある場合、その人が落ち着き、刺激への反応を調節することを学ぶのに、治療が助けになるでしょう。
→感覚統合障害の評価や診断、治療についてもっと学ぶにはこちら(英語のサイトです);
・What is sensory processing disorder?
・Making sense of sensory behaviors
・Parent and school sensory processing workshop
不安障害には、持続的または過度の心配や不安、恐れなどの感情があります。症状には、出来事に値しないほどのストレス、心配を脇に置いておけない状態、落ち着きのなさなどがあります
注意欠陥多動障害(ADHD)は、注意を払ったり衝動的な行動をコントロールすることが難しい状態や、過活動の状態があります。
自閉症
WAGR症候群の子どもたちの中には自閉症と診断される人もいますが、その多くは、知的障害や視覚障害、感覚統合障害、聴覚情報処理障害、不安障害やこれらが組み合わさった状況によって生じる、自閉的行動です。正しく診断することは、子どもに必要なことに対して効果的な治療計画を立てるために重要なことです。
うつ病は、持続的に落ち込んだり物事への興味を失った状態です。症状には、睡眠や食欲、エネルギーレベル、集中力、自尊心の変化などがあります。
強迫性障害では、反復行動につながるような(強迫)過度の思考(強迫観念)があります。症状には、言葉や文章を繰り返したり、物を特定の並べ方に配置する必要に迫られるなどがあります。
癇癪とメルトダウン
圧倒される状況や感情に対する激しい反応です。WAGR症候群では、慢性的に癇癪やメルトダウンをおこすことは非常によくあり、様々な原因があります。例えば、コミュニケーションできないこと、感覚統合障害、病気や痛みなどです。効果的な対処法は原因を特定することですが、それにより本人とその家族のQOLが劇的に変わるでしょう。
行動障害のツールキットは、これらの行動に対処するための戦略と情報に関する包括的なガイドです。このツールキットは元々、自閉症の子供向けに開発されましたが、WAGR症候群の子どもにも非常に効果的です。
→こちら(英語のサイトです):行動障害のツールキット
中には、問題行動の治療として薬物治療をすすめられることがあります。
多くの子どもたちは薬の恩恵を受ける可能性がありますが、家族はこの決定に苦労することがよくあります。
この「投薬決定決定支援(Medication decision Aid)」は、親が価値観と目標を明確にし、あなたのこどもに薬があっているかどうかを医師と話しやすくなるように作られています。
→こちら(英語のサイトです):Medication decision Aid
このページは、International WAGR Syndrome Association(IWSA)の許可を得て、IWSAのweb siteの記事を翻訳・転載したものです
Translated by Madoka Hasegawa, October 2020