親と医師の上手なパートナーシップ

概要

WAGR症候群はとても稀な病気です。医師が、WAGR症候群のことに慣れていないことは珍しいことではありません。しかし、十分な情報をもっている親は、子どもの医師がよい医療を提供するのを助けることができます。ここには、あなたの子どもをケアする医師との強いパートナーシップを築くための提案をいくつか示します。

準備をする

・受診の前に、質問とあなたが医師と話し合いたい事柄をを書いていきましょう。それを持参し、質問の答えを書き留めてきましょう。
・可能なら、誰かを連れて行きましょう。子どもがうるさかったり、見ている必要があるような場合、あなたが医師と話をしている間、一緒に行った人が子どもの面倒をみてくれると助かります。

医師に準備をさせる

・紹介から始めましょう。医師がWAGR症候群について知っているか、医師が知ったほうが良いことは何かについて話し合いましょう。・こどもの医療記録をファイルにまとめるか、電話のオンライン医療記録アプリを使うかして、検査結果やその他の記録を必要ならば医師と共有できるようにしておきましょう。・WAGR症候群についての情報をまとめたものを共有しましょう。正し簡潔に。
さらなる情報はこちら:医師のかたへ 

アサーティブでいましょう

(訳者注:アサーティブ(assertive)とは、直訳すると「自己主張すること」です。しかし、自分の意見を押し通すというのではなく、相手の権利を侵害することなく、誠実に対等に、自分の要求や意見を表現することを、アサーティブといいます)
・前向きな態度でいると、否定的あるいは攻撃的な態度でいるより、得るものが大きいということを覚えておきましょう。
・威圧しないようにしましょう。医師は私達と同じように、一度に片足ずつしかパンツをはけません。また私達と同様に、忍耐と理解をありがたく思うものです。これらのことは、良好な関係を築くのに大いに役立つでしょう。
・医師が、時間が限られていると言うときは、あなたの質問に答えるために改めて受診予約をとることを提案してください。
・もし医師があなたと話し合うことに気が向かなそうにみえるなら、そう言いましょう。「Smith先生、もし可能なら、このことについてもっと詳しく話せると本当にありがたいんですけど。あなたがこれ以上話したがっていないように、私は感じます」と。そうすれば医師に、説明するチャンスを与えることになります。

良好な関係を築くには時間がかかる

・医師との関係がぎくしゃくすることもあります。そういうときは、あなたが医師に求める本当に大切なことが何かを考えましょう:例えば、知識、技術、経験です。そうすると、あればそれにこしたことはないけれど、よい医療のために必ずしも必須ではないことが何かがわかります。例えば、ユーモアのセンスやあたたかくフレンドリーな人柄などです。医師がこれら全てを兼ね備えていれば素晴らしいことですが、そうではないとき、その医師との関係を続けていくべきか悩んだら、優先順位を考えましょう。・WAGR症候群について自分自身が学ぶことは、子どものケアをするよいパートナーとなるにあたり不可欠なことです。しかし、医師に情報をどのように提示するかには、よく注意しましょう。例えば、このウエブサイトの情報を共有することは、Facebookの投稿を共有するよりは好ましいでしょう。・あなたが情報を示す時は、ポジティブな方法でやりましょう。例えば、「無虹彩の子どもは6か月ごとに緑内障の検査を受けるべきだと読みました。麻酔下で検査をする是非について話し合いませんか?」 
・医療スタッフとも良好な関係を築くよう努力しましょう。笑顔や感謝の言葉は、看護師、技師、事務職員を、子どもが最善のケアを得るための味方にするのに大いに役立つでしょう。

このページは、International WAGR Syndrome Association(IWSA)の許可を得て、IWSAのweb siteの記事を翻訳・転載したものです
Translated by Madoka Hasegawa, October 2020