2021年度

第122回 

アルント・シュナイダー氏による新著 Expanded Visions: A New Anthropology of the Moving Imageについての講演と討論

現在、東京大学文化人類学研究室では、ノルウェーのオスロ大学社会人類学科教授のアルント・シュナイダー(Arnd Schneider) 氏が3月末までオンラインの形で、客員教授に着任されています。今回はそのシュナイダーさんの2021年の新著について、ご本人による講演とディスカッションを行いたいと思います。

開催日時:2022年3月15日(火)17:00-19:00(予定)

 コメンテーター:箭内匡(東京大学)

 後半には参加者も含めた質疑応答の時間も予定されています。 

開催方法:オンライン(事前登録制)

(申し込みフォーム)https://forms.gle/va6na1LRARZ8vAu1A

※3月13日(日)19:00までに必要事項を入力してご登録ください。ご登録いただいたアドレスに前日3月14日(月)17:00までに参加用Zoom URLをお送りします。前日になってもZoom URLが届かない場合には、お手数ではありますが本メール末尾のアドレスまでご連絡ください。

シュナイダーさんについての紹介

シュナイダー氏は1960年、ドイツのハノーファーの生まれで、1980年代半ばにイタリアのシチリアで最初の民族誌的調査を行なった後、アルゼンチンのイタリア系移民のもとで博士論文のためのフィールドワークを行いました(1992年にLondon School of Economics で博士号取得、これに基づく著作は2000年にFutures Lost: Nostalgia and Identity among Italian Immigrants in Argentinaとして刊行)。その後2000年前後から、「民族誌的転回」後の現代アートと人類学の交錯領域に注目し始め、2006年のパイオニア的な著書Appropriation as Practice: Art and Identity in Argentinaでは、アルゼンチンの芸術家たちの、人類学のフィールドワークにも似たトランスカルチュラルな芸術実践を民族誌的・人類学的に考察しています。また、ロンドンのテート・モダンでの展示の共同企画(2003)や共編著Contemporary Art and Anthropology (2006)から今日に至るまで、編著・共編著などの形でシュナイダー氏が継続的に発表してきた重要な仕事は広く知られているものです。近年は特に映画(とりわけ実験映画)と人類学の関係についての研究を積み重ねてきており、2021年秋に刊行された新著 Expanded Visions: A New Anthropology of the Moving Image (Routledge) はその一つの総括として捉えることができます。

第121回 (共催:現代民俗学会「第60回研究会」)

「人類学×民俗学?―両者を浮遊するアカデミック・サロン」


▷開催趣旨


文化人類学と民俗学は、学問の成り立ちや学説史にそれぞれ違いはあるものの、大学では同じセクションに含まれていることも多く、両者は近しい存在であるといえます。

以前から人類学と民俗学は、様々な場面で協働を積み重ねてきていました。人類学者は海外に加え国内をフィールドとすることも珍しくありませんが、今後さらに人類学者と民俗学者が近い地域でフィールドワークをすることも増えていくと考えられます。研究テーマとしても、例えば東日本大震災からの復興については人類学者と民俗学者の協働による成果が複数生み出されており、今後も人類学と民俗学が様々なフィールドやテーマで交流していく可能性は十分にあると思われます。ただ、20代~30代前半くらいの若手研究者の世代においては、同じ研究室にいたとしても、それぞれどのようなことに関心があって、どのような研究をしているのか、よくわからないという声も聞かれます。また一個人の調査・研究をする中で、時には人類学や民俗学などのディシプリンに割り切れない部分があると感じることもあるのではないでしょうか。


そこで今回の企画は、人類学と民俗学の違いを厳密に探求するのではなく、両者のあいだを「浮遊する」複数の若手研究者が、①どのような経緯で人類学や民俗学に関わりを持つようになり、②自身の研究関心と「人類学」・「民俗学」・「地域研究」といったディシプリンとの関係をどう捉え、どう試行錯誤してきたのか等について、話題提供を行います。話題提供の後には、これまでのディシプリンの中で積み重ねられてきた議論を尊重しつつ、その枠を超えて自身の研究関心を展開させたり、相互に議論や協働を進めたりしていくにはどうすればよいのか、気軽な雰囲気のなかで自由に意見交換をすることを目指します。人類学や民俗学に関心のある学部生・大学院生の方をはじめ、多くの皆様のご参加をお待ちしています。



開催日時:

2022年3月5日(土)13:00-16:00


13:00~13:05 開会・事務局より事務的案内

13:05~13:10 開催趣旨説明:辻本侑生(弘前大学)


13:10~13:25 話題提供①:川松あかり(東京大学)

「人類学者と民俗学者と、筑豊の人と東京の人とのあいだを彷徨って考えてきたこと」 


13:25~13:40 話題提供②:北川真紀(東京大学)

「フィールド経験と人類学―福井県での長期調査から考える人類学的な態度について」


13:40~13:55 話題提供③:辻本侑生(弘前大学)

「「民俗学専攻じゃないけど民俗学です…」―福井焼畑山村調査の10年―」


13:55~14:10 話題提供④:中野真備(京都大学)

「ホシみる漁師を追いかけて―国も分野もこえて考えること」


14:10~14:25 話題提供⑤:荒木真歩(神戸大学)

「分野という島々の航海から思うこと―民俗音楽・芸能の研究から―」


14:25~14:40  休憩

14:40~16:00 フリーディスカッション


ファシリテーター:河村悟郎(東京大学)


▷開催方法:オンライン(事前登録制)

(申し込みフォーム)https://forms.gle/KKZwq7tbJMrLisCU6


上記のフォームから2022年3月3日(木)17:00までに必要事項をご登録ください。研究会前日にご登録のメールアドレス宛に参加用Zoom URLをお送りします。



▷お問い合わせ先:

c.anthro.workshop.info[@]gmail.com (※[@]を@にかえてください)(現代人類学研究会事務局)

第120回 「田辺明生教授退職記念セミナー」


 文化人類学コースの田辺明生教授が2022年3月末をもってご退職されるにあたり、退職記念セミナーを開催いたします。



  15:00-15:05    注意事項等のご説明

  15:05-16:00 田辺明生教授ご講演

  16:00-16:10 コメント:中島岳志(東京工業大学)

  16:10-16:20 コメント:芝宮尚樹(東京大学)

  16:20-17:00 フロアから質疑応答