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大切な家族を突然失ったご遺族が、「なぜ事故が起きたのか」「本当は何があったのか」と考えることは、当然であり自然なことです。
捜査や証拠収集は、本来、警察や検察が行うものです。ご遺族が自分で調べなければならないわけではありません。
しかし、被害者が亡くなった事件では、事故が起きたときの状況を被害者本人から聴くことができません。捜査は、加害者や目撃者などの供述と、現場の状況、映像、車両の損傷、負傷状況などの客観的証拠をもとに進められます。
そのため、加害者の供述と客観的証拠が一致していないように感じられたり、事故原因について十分な説明が得られなかったりして、ご遺族が刑事上の事実認定に疑問やわだかまりを抱くことがあります。
事実を確認する方法として、捜査記録などの閲覧・謄写、医療機関や消防が保有する記録の開示、目撃者や関係者からの聞き取り、専門家による調査・鑑定などがあります。
事件に疑問やわだかまりを残したまま、その後の人生を歩むことは、ご遺族にとってつらいことです。一方で、真実を確かめようとすることが、心身に大きな負担をもたらす場合もあります。すべてをご自身で調べたり、すべての記録を直接確認したりする必要はありません。
確認した記録や新たに得られた資料は、事案や刑事手続の段階に応じて、警察や検察へ提出して捜査を求める、不起訴処分について検察審査会へ審査を申し立てる、民事裁判における事実の主張や立証に用いるなど、利用できる場合があります。
また、新たな犯罪事実が疑われる場合には、告訴・告発を検討できることもあります。ただし、利用できる手続や、その手続を申し立てることができる人、提出先などは、事件の内容や刑事手続の段階によって異なります。具体的な対応については、犯罪被害や交通事件に詳しい弁護士等へ相談してください。
事故状況や捜査内容について疑問がある場合は、刑事裁判が終わった後であっても、事件を担当した警察や検察庁へ問い合わせ、説明を求めることができます。
質問する内容をあらかじめ整理し、説明を受けた日時、担当者名、質問した内容、回答などを記録しておくと、後から捜査記録やほかの資料と照らし合わせやすくなります。
ただし、捜査上の秘密や関係者のプライバシー、記録の保管状況などにより、回答を受けられる内容が限られる場合があります。また、担当者の異動や時間の経過によって、当時の詳しい説明を受けることが難しい場合もあります。
ご遺族からの申請では入手することが難しい資料について、弁護士会照会などを利用できる場合があります。
また、損害賠償請求のために民事裁判を行う場合には、文書送付嘱託、調査嘱託、文書提出命令などの手続によって、資料の提出や必要事項の回答を求められる場合があります。
利用できる手続や開示される範囲は事案によって異なり、申し立てれば必ず資料が得られるわけではありません。詳しくは弁護士へ相談してください。
すべての記録を自分で確認する必要はありません。「すべてを知りたい」と思う方もいれば、「詳しい写真や映像は見たくない」と思う方もいます。どちらも自然な選択です。
開示された記録には、被害者の負傷状況、治療の経過、事故現場の写真や映像など、非常につらい内容が含まれている場合があります。
負傷状況を確認することによって、車が身体のどこに衝突し、どのような体勢で跳ね飛ばされたのかなど、衝突状況を考える手掛かりが得られることもあります。一方で、その内容がご遺族へ深刻な精神的負担を与える可能性があります。
心身の負担が大きいときは、弁護士や信頼できる方に先に記録を確認してもらい、必要な部分だけ説明を受ける等の方法もあります。
何を知りたいのか、何のために記録が必要なのか、どこまで自分で確認できるのかを考えながら、必要に応じて専門家や支援者の力を借りてください。
制度や実際の取扱いは、事件の処理状況、記録の種類、申請時期、検察庁や自治体などによって異なります。具体的な手続については、記録を保管している機関へ確認してください。
法務省「犯罪被害者の方々へ」
刑事手続の流れ、被害者参加制度、事件記録の閲覧・謄写、被害者への情報提供などが案内されています。
法務省「公判段階での被害者支援」
被害者参加制度、証人尋問、傍聴、心情等の意見陳述などについて説明されています。
裁判所「刑事事件の記録の閲覧・コピー」
刑事事件の被害者等が、裁判所で事件記録を閲覧・謄写する制度について案内されています。
e-Gov法令検索「検察審査会法」
検察官が不起訴とした事件について、検察審査会がその処分の当否を審査する制度を定めています。
日本弁護士連合会「弁護士会照会制度」
弁護士が受任事件について、証拠や資料を収集し、事実を調査するための弁護士会照会制度が説明されています。
e-Gov法令検索「弁護士法」
第23条の2に、弁護士会照会に関する規定があります。
大阪地方裁判所「交通事件の審理について」
交通事件の民事裁判における証拠収集の方法として、文書送付嘱託や調査嘱託が案内されています。
e-Gov法令検索「民事訴訟法」
調査嘱託、文書提出命令、文書送付嘱託など、民事裁判における証拠収集の手続が定められています。
※制度や実際の取扱いは、事件の処理状況、記録の種類、申出の時期、関係機関などによって異なります。個別の事件については、記録を保管している機関や、犯罪被害・交通事件に詳しい弁護士等へ確認してください。
最終確認日:2026年9月1日