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交通死亡事件が起きると、発生直後から新聞やテレビなどで報道されることがあります。
事故発生直後の第一報は、警察から発表された情報などをもとに報じられます。まだ捜査が始まったばかりという状況のため、第一報だけでは事故の経緯や被害者の状況などが十分に伝わらず、限られた情報から誤解を招いてしまうことがあります。インターネット上では、事実と異なることを書かれたり、憶測で語られたりすることもあります。
その結果、遺族が傷ついたり、周囲から誤解を受けたりすることもあります。これは、被害後に起こり得る二次被害の一つといえます。
悪質な投稿などについては、画面のスクリーンショットやURLなどを保存しておき、必要に応じて弁護士などに相談する方法もあります。
事件直後は、ご遺族であっても状況が分からないということも少なくありません。
また、突然家族を失った直後に、記者からの質問に答えたり、カメラの前で話したりすることが大きな負担になる場合もあります。
取材を受けるかどうかは、ご遺族自身が決めてよいことです。ご自身で判断することが難しい場合には、支援者等に相談することもできます。
取材を受ける場合にも、何を伝えるのか、何を公表してよいのか、公表してほしくないことは何なのかを、あらかじめ整理しておくことが大切です。
一度公表された情報や写真は、新聞やテレビだけでなく、インターネット上で広がることがあります。後から取り下げることが難しい場合もあるため、家族の氏名や写真、生活に関わる情報など、どこまで公表するのかは慎重に考える必要があります。
また、記事の内容を事前に確認できるとは限りません。公表してほしくないことがある場合には、取材の際にあらかじめ明確に伝えておくことが大切です。
事件によっては、被害の重大さや遺族の思いを社会に伝えるため、弁護士等から記者会見を勧められることがあるかもしれません。しかし、これについても、気が進まない場合は断って構いません。
一方で、事件について広く知ってもらいたい、捜査や裁判について社会に伝えたい、同じような被害をなくしたいという思いから、取材に応じるご遺族もいらっしゃいます。どちらが正しいということではありません。
こうしたことを判断する際に、念頭に置いていただきたいのは、被害後もご遺族の生活は続いていくということです。
取材を受けたことで、仕事など、その後のご遺族の生活に影響が出てしまうことがないよう、ご家族とも相談し、後悔しない方法を選ぶことが大切です。
私自身、これまで多くの記者の方々に取材していただき、大変お世話になってきました。
中には、事件だけではなく、私たち遺族の思いにも耳を傾け、長い間寄り添ってくださった記者さんもいます。
そのような記者さんとの出会いが、事件のことを社会に伝える力になるだけでなく、遺族自身の支えになることもあります。
実際のところ、交通死亡事件であっても、必ずしも大きく報道されるとは限りません。
一方で、交通犯罪による被害者という立場になってはじめて知る理不尽な状況や、捜査や刑事手続等に強い疑念を抱き、その状況を社会に伝えたいと思う方もいらっしゃるかもしれません。
そのような場合、ジャーナリストなどに状況を伝え、取材を通じて社会に伝えるという方法もあります。
ジャーナリストの柳原三佳さんは、長年にわたり交通犯罪による被害者やご遺族を取材し、その声を社会に発信し続けています。
交通犯罪による被害者・遺族の現状を、より多くの皆様に知っていただくことは、後に制度の見直し等につながる可能性もあり、大切なことの一つです。
いずれの場合においても、ご遺族は、決して無理をする必要はありません。
ご自身の心と、その後の生活を守りながら、ご自身にとって納得できる選択をしていただくことが大切です。