検証:豊橋市の多目的屋内施設(新アリーナ)計画

周辺住民の生活環境悪化

 3年ぶりに開催された令和4年の豊橋まつりにおいて、市はあらかじめ公共交通機関での来場を呼びかけていました。しかし、当日、一般に開放されていない市役所職員用の駐車場(水道局の西隣)を当てにした車が続々と押し寄せ、誘導員に促され朝倉川の土手を引き返していました。その結果、これらの車で周辺の狭い生活道路は大混雑しました。

2022年豊橋まつり2日目午前、一般に開放されていない市役所職員用の駐車場を当てにした車が続々と押し寄せたことによって渋滞が発生した豊橋公園東出入口信号交差点付近の写真(1枚目)

2022年豊橋まつり2日目午前 渋滞する豊橋公園東出入口信号交差点付近(1)

2022年豊橋まつり2日目午前、一般に開放されていない市役所職員用の駐車場を当てにした車が続々と押し寄せたことによって渋滞が発生した豊橋公園東出入口信号交差点付近の写真(2枚目)

2022年豊橋まつり日目午前 渋滞する豊橋公園東出入口信号交差点付近(2)

 日頃から車に頼って生活している市民が、「目的地の近くまで車で行きたい」と思うのは当然のことです。こうした市民の気持ちを無視して豊橋公園に専用駐車場のない新アリーナ(多目的屋内施設)をつくれば、豊橋まつりの時の渋滞よりはるかに深刻な事態を招くであろうことは明らかです。


 興行開始時刻が迫る中、駐車場所を探す車が生活道路を猛スピードで走り抜けて交通事故を起こしたり、狭い道路や私有地への違法駐車が頻発するに違いありません。迷惑を被るのは豊橋公園周辺の住民です。


 さらに、昨年の豊橋まつりにおいて、市は事前に公共交通機関での来場を呼びかけていたにもかかわらず、まつり当日には市役所の地下駐車場を一般に開放してしまいました。

 全く一貫性のない対応です。こうしたちぐはぐな対応により、市民「車で行っても近くに駐車できるだろう」と誤解してしまうことに市は気づかないのでしょうか。



 これまでの市の対応を見ていると、豊橋公園に専用駐車場のない新アリーナがつくられた場合、市は豊橋公園まで車で来てしまう一部の人たちに対処するため、あっさりと市役所の駐車場や市役所の職員用駐車場を開放してしまうのではないかと危惧します。

 そして、一度でもこうした優柔不断な対応をとると、次回からなし崩し的にさらに多くの車が押し寄せてくるに違いありません。周辺の生活道路ではたちどころに大渋滞が発生し、周辺住民の日常生活が破壊されることになります。


 市は、新アリーナ計画を拙速に進めるのではなく、まずは住民が心配しているこうした一つひとつの問題点に対して真摯に向き合い、住民の理解を得る努力をすべきではないでしょうか。住民不在の新アリーナ計画推進には反対です。